RANCIDの新作アルバムがリリースされたので、あえてトリュビュート版の話しをしよう
オレたちのアニキ、RANCIDの6年振りの新作アルバムが遂にリリースされたぞ!
リリース日の6/2に日付が変わった瞬間からヘビロテしまくってるけど、16曲を29分で駆け抜けるどストレートなPUNK ROCKアルバムに仕上がっててクソ最高です。
5thアルバム『RANCID Ⅴ』のハードさと3rdアルバム『...And Out Come The Wolves』のキャッチーさがミックスされたような、全曲シンガロングできてLIVE映えが半端じゃなさそうなやつ!
初っ端の『Tomrrow Never Comes』からラストの『When The Smoke Clears』まで、アニキたちのアツいメッセージ性も感じさせてくれて堪らんよホントに。
RANCIDの名トリュビュート版『Hooligans United』も最高な件
でも今回はその新作じゃなくて、8年前に出てるRANCIDのトリュビュート版についての話がしたい。
新作アルバムの方はマジ最高なんでさっさと聴いて、ということでw
なんでまた今さら8年前のトリュビュート版の話しかというと、これがマジで数多あるトリュビュート版の中でも群を抜いて素晴らしい作品だと思ってて、新作のタイミングに乗っかってそのこと言っときたいなと。
この作品の何が素晴らしいって、トリュビュート版でありながらも、本家RANCIDというバンドの音楽性とアティテュード(精神性)が隅々までちゃんと行き渡ってることなのよ。
本家が不在なのにもかかわらず作品の節々いたるところから本家本元の真髄が味わえちゃう。
じゃあその真髄ってなによ?ってのを今から言っていきましょう。
RANCIDらしさ全開のタイトル
まずは作品のタイトル。『Hooligans United』ってのは、4thアルバム『Life Won't Wait』収録のSKAナンバー『Hooligans』と、Sham69の名カバー曲『If the Kids Are United』を掛け合わせたもの。
いかついPUNXたちが腹の底からみんなでシンガロングしてるような男くささ満点なRANCIDのパブリックイメージとタイトルのワードセンスが完全に一致してて、まずタイトルからしてもう信頼できる。わかってるわーってなる。
とにかくハイボリューム
RANCIDってとにかくサービス精神旺盛なバンドでして、アルバム1枚の収録曲が20曲前後と多作で出し惜しみ全然しないのね。今回の新作は16曲だったけど、以前のアルバムだと22-23曲入ってたもんね。
そーいうバンドのスタンス反映して今作もボーナストラックまで含めて54曲(54アーティスト)、2時間半越えの過剰なボリューム。ここやっぱニヤッとしちゃうよね。
多種多様な音楽性
RANCIDの音楽性ってパンクロックがベースだけど、他にもOi、SKA、ハードコア、レゲエ、ダブ、ロカビリー、カントリー、ダンスホール、アイリッシュ、カリプソとかめっちゃ多様なスタイル取り込んでるんですよ。
4thアルバム『Life Won't Wait』が特にRANCID版THE CLASHの『LONDON CALLING』や『SANDINISTA!』って感じでワールドミュージック的にバラエティに富んでるアルバムで、本作はこの『Life Won't Wait』からの選曲が多い。
各参加バンドもRANCID直系のPUNKサウンドからSKA、レゲエ、ハードコア、ガレージ、カントリーまで様々なアレンジで聴かせてくれてて多種多様なRANCIDの音楽性そのまんま。
ワールドワイドな影響力
上記の通り多様な音楽性を取り込んでるが故に、RANCIDの影響力がワールドワイドに波及していて、参加バンドを眺めてるだけでもそのフォロワーカルチャーの大きさってのがよく理解できるんです。
アメリカはもちろんカナダを含めた北米勢。メキシコなんかの中南米勢。ドイツとかのヨーロッパ勢。そしてアジアからは我らが日本代表GOOD 4 NOTHINGとTHE CHINA WIFE MOTORSの2バンドが名を連ねております。
参加アーティスト眺めてるだけでRANCIDへのリスペクトの念が深まっちゃうでしょ。
グッドメロディ
RANCIDの曲ってどれもめっちゃキャッチーでシンガロングしたくなるグッドメロディな曲ばかりなんだけど、ボーカルのTimがシブさ具合優先してわざとしゃがれ声でメロディからズラして歌うのね。グッドメロディをあえて歌いあげない。もちろんその本来のメロディとTimの歌のズレの間にこそRANCIDの旨味があったりするんだけどね。
それが今回のトリュビュートだと、ほとんどのバンド、アーティストが原曲のメロディをキチンと押さえて演ってくれてるんで、RANCIDが演奏する時以上に曲が本来持ってるメロディがより際立って聴こえるんです。改めてRANCIDの良さってこのキャッチーなメロディだよな、ってマジで明確に再認識できるから。
ちなみにNOFXとRANCIDの相互カバースプリット作品聴いた時も感じたんですけど、NOFXが演るRANCID曲がやっぱりめっちゃ魅力的なのよ。RANCIDの曲ってカバーされた時にまた一層輝くんだよね。
おすすめ曲ピックアップ
そんなん全部おすすめに決まってるんだけど、54曲もあるし、折角だから抜粋してみた。
1. Anti Flag - Maxwell Murder
2. The Interrupters - The 11th Hour
RANCIDの名盤『...And Out Come The Wolves』の初っ端の2曲をまんまその並びで叩きつけてくる。RANCIDの前身バンドOperation Ivyと同じく80年代から活動してるAnti Flagと、RANCID FAMILYのインタラプターズが飾る完璧なオープニング。
6. Inspector - Ruby Soho
メキシコのSKAバンド、インスペクター!タコス風味の『Ruby Soho』をご賞味あれ。
18. El Gran Silencio - Time Bomb
メキシコのミクスチャーバンド、エルグランシレンシオ!トルティーヤ風味の『Time Bome』をご賞味あれ。
28. Mustard Plug - Roots Radicals
ベテランSKAバンド、マスタードプラグ!ホーン隊が圧巻。
35. Voodoo Glow Skulls - The Brothels
こちらもベテランSKAバンドのヴゥードゥー。というか原曲めっちゃ好き。
39. The Briggs - Who Would’ve Thought
ムーディーな原曲を、哀愁滲み出まくってるロックチューンにアレンジしててコーラスとかも最高。
50. The China Wife Motors - Something In The World Today
日本代表がカマシてくれてます。優勝です。
51. Tokyo Brave - Journey To The End Of The East Bay
RANCIDで1番好きかもな原曲。その原曲の叙情性エッセンスを抽出したうえでカントリーにアレンジしてて見事すぎる。
他にも挙げたいのたくさんあるけど、あんまりやりすぎるとお腹いっぱいになっちゃうのでこれくらいで。
満点のトリュビュート版
と、まぁこんな感じで、このトリュビュート版を聴くだけで、むしろRANCID本家の魅力がガッツリ味わえちゃう。
尚且つRANCID本家が同世代や次世代に多大な影響を与えていることや、ワールドワイドに波及するフォロワーカルチャーまで一目瞭然ならぬ一聴瞭然なんです。
マジでトリュビュート版として非の打ち所がない5億点満点の作品だと思うので、スルーしちゃうには勿体なさすぎるから新作アルバムと一緒に必ず聴いてね。