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スピッツ「こんにちは」 心に生えた足でどこまでも 歩いていけるんだと気がついて

アルバム「醒めない」(2016年7月27日リリース)の最後14曲目に鎮座する曲。

わずか2分20秒しかありませんが、ロックテイスト強めで、最後は前を向いて歩いていくという宣言をしているように感じるこの曲がとても大好きです。最近、今さらアルバム「醒めない」の良さを再認識し、聴きまくっているのです。

「また会えるとは思いもしなかった
元気かはわからんけど生きてたね
ひとまず出た言葉は『こんにちは』
近づくそのスマイルも憎らしく」

誰かに再会できた喜びを歌っている。誰に会えたんだろう?
スピッツにとっての「こんにちは」と言えば、3年ぶりに9月22、23の両日に開かれた「ロックロックこんにちは!Ver.24」だよね。

このアルバムが発売されたのが2016年7月だから、2015年のロックロックに再会できたアーティストを歌っているのかしら?それとも、2016年に登場が決まっていたアーティストを想定して歌っているのかしら?
2016年はロックロック20周年で、大阪城ホールなどで開かれている。

この曲はまさに、戦友である他のアーティストとの再会をスピッツなりに表現したのだと思う。にわかファンである私はロックロックに参加したことがないのだけど、こういう粋な歌の良さに気づけたのだから、来年こそはぜひ参加してみたい。

「嬉しくなると 涙がホロリ
反逆者のままで 愛を語るのだ」

再会を喜んで、ウルっときた感じかしら?
でも、反逆者って誰?スピッツ?それとも・・・。

「心に生えた足でどこまでも
歩いて行けるんだと気がついて
こんな日のために僕は歩いてる
おもろくて脆い星の背中を」

このフレーズ、めっちゃ好き!俺たちは、どこまでも歩いていける。仲間とライブを楽しむために歩いている。
草野さんの喜びを凝縮させて、爆発させたような詩が見事すぎる。

「おもろくて脆い星の背中を」は、決して楽しいことだけではないことへの釘もしっかり刺しているのが、草野さんらしいよね。

「怖いから無難な 演技もしたけれど
勝手なやり方で お茶を濁そうぜ」

ん?どういうこと?このあたりはちょっと意味が分からない・・・。なんかいろいろ理不尽な目にもあったけど、まあ、なんとかやり過ごそうぜ、的な意味かしら。

ファンへのメッセージを込めた曲はスピッツに多々ありますが、同僚(他のアーティスト)に向けた感謝っぽい喜びを歌にしたのは、この曲だけ?

無常観の中に、喜びを叫ぶスピッツの心意気があふれた曲。あっぱれすぎる。

追記・この原稿は9月中旬に書いてストックしていたものです。有明サンセットに9月29日に参戦し、この曲「こんにちは」が同じく音楽を志す仲間に向けられたものだと再認識させられました。この歌でつづってることを実践するためのロックロック、細道、サンセットなのだと思うと泣けてきます。

2022年10月9日 トラジロウ

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