必要悪。(※くだらない話)
最近よく闇バイトという言葉を耳にする。
そんな物騒な話ではない。
今回私が書くのは、名付けるなら「裏バイト」。
昨今のニュースなどから、思わず警戒してしまいそうになるネーミングだが安心して読んでほしい。
——— 警戒するだけ損だ。笑
闇バイトと裏バイト、字面こそ似てはいるが、その実態はうこんとう◯こぐらい違う。
お察しの通り、今回はう◯こだけに、トイレに纏わる話だ。
——— 私の中でまことしやかに囁かれつつも、決して表に出ることのない、裏のバイトがこの世には存在する。
この記事の見出画像のような、ショッピングセンターや駅のトイレにある、小便器がズラーっと並んでいるタイプの男子トイレがその主戦場となる。
私は通勤時に駅のトイレを利用すると、朝からトイレの清掃をしてくださっている方と出くわすことがある。
彼らは便器を一つずつ、ブラシやスポンジを使いながら手作業でせっせと掃除をしている。
その丁寧な仕事のお陰で、私たちは清潔感のあるトイレを利用することができている。
しかし、しかしだ!
そこでとある一つの謎めいた現象が起きる。
これは、かの有名なシャーロック・ホームズやエルキュール・ポワロですらも、白旗を応援団よろしく全力で振り回すほどに難解な謎だ——— 。
さぁ、ここからがこの記事の本題だ。
この謎を解き明かすことで、今回の裏バイトについての輪郭をはっきりとさせることに繋がる。
まずは男子トイレの小便器と清掃員の配置を下記の記号で表す。
こういった具合に一台ずつ清掃し、完了すると次の便器へと移っていく。
仮に、❶から順に清掃していき、現在は❸の位置にいるとしよう。
不思議なことにその場合でも、❶と❷の足元には引くほどの水たまりが既に出来上がっているのだ。
私はそれが出来る瞬間を見たことがない。
まるで渋滞の様に、気付いたときにはそこに渋滞が発生していたと言った具合だ。
百歩譲って清掃員の方がいなくなった後に、こういった惨劇が繰り広げられるのなら、まだ理解はできる。
だが、トイレ掃除という大変な仕事を黙々としてくれている人が隣にいるにも関わらず、堂々と水たまりを作る人がいるだろうか⁉︎
私は清掃の方がいる場合は、自然といつもよりも更に半歩前へ出て用を足している。
他人の仕事にも敬意を表して行動する。
人間とは本来そういう生き物のはずだ。
整理整頓してくれている人がいるときに、わざわざそこを散らかす様な真似ができる人間は本当に存在するだろうか?
答えはNOだ。
いや、これにはどこかで、NOであってくれという私情を挟んでいるかもしれない。
しかし、だからこそ私はこのバイトの実態にたどり着くことができたと言える。
そのバイトとは、、、
掃除が終わった直後の便器の足元に、敢えて無色透明の液体を撒くだけの簡単なお仕事です。
——— この仕事により得られる心理的効果と結果は決してバカに出来たものではない。
例えばトイレを使おうとした時、足元に知らない人の尿で水たまりが出来ていたらどう思うだろうか。
そのときあなたが抱く感情の正体は『嫌悪感』だと断言できる。
そんな中、自分までその水たまりを広げることに加担したのでは、自分自身にウソをつくことになる。
だからこそあなたは、いつもより半歩前へつめることになる。
まさに"人の振り見て我が振り直せ"理論が成立するのだ。
しかし、簡単なお仕事とはいえ、多少の工夫とスキルは必要だ。
あまりにもその水たまりが広範囲にわたる場合、利用者のフォームが崩れ、得られる精神的効果と、それが生む結果が真逆になる恐れもある。
ここで求められる唯一のスキルは"Reality"だ。
弘法も筆の誤りというが、両脚の付け根にある筆が誤った方向に向かぬ様、リアリティを追求することが求められる。
過度になりすぎず、しかし人に嫌悪感を与えるに足る、丁度いい水たまりは社会を変える。