GIGAスクール端末を毎日使うアイデア【朝ノート】
GIGAスクール構想による一人一台端末。「これは毎日意識して使わないと絶対使わなくなるな」と直感した私は、最近知った「朝ノート」という取り組みをスタートさせることに。
朝ノートとは
ざっくり言ってしまうと、朝の健康観察を端末を使ってチャットでやっちゃおうというものです。この取り組みを知ったのはこの本↓
本の中から「朝ノート」をやっている雰囲気がわかる部分を引用します。
例えば、こんな感じです。
8時15分にチャイムが鳴って、子どもたちが教室に入ってきます。朝の支度を終えて、朝ノートを始めるのはだいたい20分くらいから。既に朝ノートは友だちの状況をみることができる設定にしてありますので、子どもは自分自身の体調や気分などを書き込めば、友だちの様子をうかがい始めます。大方30分になれば皆、閲覧状態になってコメントや「いいね」を交わし出します。35分になったら、教員が朝ノートを閲覧して
「〇〇ちゃん、音楽楽しみって書いてあるね。今日はリコーダーのテストがあるけど、頑張ってね」
などと声をかけ、学習意欲を喚起しながら一日の予定を確認していきます。
これはめちゃええやないかということで、GIGAスクール端末を初めてさわったその日に目的を伝え、翌日の朝からスタートさせました。
朝ノート初日の様子
朝、学校に到着した私はすぐさまパソコンを開き、朝ノート用に作ったチャンネルに「おはようございます。○月○日○曜日。みなさん、元気ですか?」と書き込みました。
そして教室に向かい、端末保管庫の鍵を開けます。ほんとにさわっていいんだと言いたげな目線を感じながら、軽く教室の支度を済ませ、職員室にもどります。
再びチャット画面をのぞくと、ポツポツと「おはようございます」のメッセージが。私が教室にいたときはだれもさわっていなかったのに、姿を消すやいなや取り出したようで一気にメッセージであふれました。
荒れ出すチャットルーム
少し経ったころです。朝早くから登校し、外に遊びに出ていた男子たちがもどってきたようです。
するとどうでしょう。チャットルームがとたんにう○こであふれ出しました。ゲロを吐いている絵文字も出現。こういう教えていない機能を見つけ出す天才ですよね、子供って。
私のクラスには、とても調子乗りの子供がいます。さらにその子は頭の回転が速く、タイピングも堪能。その彼が今度はよくわからない長文をつらつら書き始める。どうやら歌の歌詞っぽい。
さらには、人の投稿にいちいち「死ね」「うざい」などの返信をわざわざしにいく子も現れました。
「ああ、大人の世界(掲示板の荒らし)と同じなんだなぁ」と思いました。いや、いい大人が子供と同じレベルでやり取りしていると言えるかもしれません。
ここではあえて沈黙を守りました。1つ1つ鎮火に走り回ってよくなった掲示板を見たことがないからです。
画面の向こうには人間が
時間が来て教室に向かった私は、子供たちに「朝ノート初日どうだった?」と笑顔でたずねました。もともと反応のうすい学級です。特に何の反応もありませんでした。
「何も問題がないと感じているのなら、それが問題ですよ」と続けました。下品な絵文字(まぁ用意されているので何とも言えませんが)、暴言、意味不明な言葉の数々。
朝、気持ちよくスタートさせようという気分のときにそういう言葉を見ると、とても気分が悪くなること。画面の、文字の向こうには生きた人間がいるということを意識すること、朝ノートは健康観察が目的であることを端的に伝えました。
あまり「あれもダメ」「これもダメ」と制限したくない。自由にのびのび使ってもらいたい。そのためには想像力や配慮が必要だと。
失敗からの学び
こういった経験は特に、失敗から学ぶことが大切です。あらかじめ予想できる失敗を考えて、事前に教師が注意しておく。そうすれば回避できることもあるかもしれません。
今回の例でいうと「う○こは使ってはいけません」「死ねなど書いてはいけません」と予め注意しておくことが考えられます。
しかしそれだと、せっかくのわくわく感が台無しになってしまいます。一人一台端末が与えられてわくわくしている子供たち。そのわくわくをキープしたまま使わせれば、大人の思いもよらないアイデアが生まれるかもしれません。
下品で不快な言葉が並ぶ画面を冷静にながめて気づくこともあるでしょう。特にプログラミングやパソコンを使った授業では「失敗から学ぶ」ことを大切にしていきたいと思っています。
ではまた。
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