双極性障害で強制入院していた父が退院する事になった話
近々、父が退院する事になった。
約1年と2ヶ月ぶりに家に戻ってくる。
躁状態が強くなり強制入院となっていたが、ピーク時よりも落ち着いたということでこれ以上は入院できないと担当医から言われて退院となった。
ただ、根本的な落ち着きのなさや言動、態度などは変わっていない。
病院や施設内などではある程度自制できるが、家に帰ると抑えが効かなくなり躁状態特有のハイで落ち着きのない行動をしてしまう。
入院中に面会で話したり、電話での会話内容の印象は入院以前と特別変わっていないので家に帰ってからの様子は容易に想像できる。
今までも入退院の繰り返し。もう良くはならないのだろう。
帰宅後は週5日で小規模多機能型ホームに泊まり、残りの2日は家での生活のサイクルになる。
住宅型の施設も隣接しているので、いずれ部屋の空きができたらそちらに入居させてもらう予定でもある。
ただ、帰宅後は理想を言うと1ヶ月の内に1日〜2日を家での生活にして残りすべては小規模多機能型ホームで泊めてもらいたいと思っている。
理想の方に踏み切れなかったのは、僕や母の父に対する罪悪感や、家に帰りたいという父の気持ちや希望をどうしても無視できなかったからだと思う。
父と一緒に生活する日数や頻度が多くなると、こちらの精神的な負担が重くなりいずれは潰れて共倒れになる。
また、担当医の先生も家での生活が増えればいずれまた躁状態が強まり再入院することになるかもしれないと危惧していた。
現在の介護区分は、『要介護1』
大まかに言うと基本的な日常生活は1人で送れるが、身体機能や認知機能の低下などによって排泄や入浴時などにサポートや見守りなどが必要な状態。
父の場合は、それに加えて人工肛門(ストーマ)なのでストーマ装具の交換を介護者が行う必要がある。
そして、長期間入院していたために体力や筋力も低下していて入院前よりも介助が増えているので退院後の家族の負担は大きくなっていると担当医が教えてくれた。
「介護は限界が来てからでは遅いですよ。限界が来る前に、動けるうちに施設や老人ホームなどを探していかないとダメです。」と、今回の小規模多機能型ホームを探してくれた仲介業者の方が熱を込めて話されていた。
精神病持ちとなるとなかなか施設での受け入れ先が見つからず、また予算の関係もあり四苦八苦していたが今回柔軟に対応して貰える事業所を仲介業者の方に見つけていただき、本当にありがたく思う。
有料老人ホームなどを探してくれる仲介業者の方は、地域包括支援センターに相談に行った時に紹介していただいた。
家族と利用者に当たる本人との考えや希望、要望。その落とし所は本当に難しい。
家に帰りたいという父の希望を優先すれば、こちらのメンタルが潰れてしまう。
身体的な理由だけでの介護なら、まだ対応できたかもしれないが心の病となるとやはり家族だけではとても対処できない。
再入院の可能性も大いにある。
そうなる前に、早めに手を打って小規模多機能型ホームでの宿泊を最大限に利用して頻度を増やしてもらうなり対応していきたい。
双極性障害になったのは父のせいでもないし、父は何も悪くない。
真面目で、人に気を遣い過ぎるが故に患ってしまったのだと思う。
でも、少しでも早く父のことから解放されたいと言うのが本音でもある。
誰を責める訳でもない、誰かが悪い訳でもないけど。
日々、父への気持ちの整理の難しさや自分の意思の弱さを感じる。
数十年間、父の事や家族のことで苦しいを想いをしてきた母を楽にさせてあげたい。
そうでないと、母の苦労も報われない。
なんとか、家族共々に潰れないように。
より良い方向に進められたら。
服部 佳弘
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