「切り絵で世界旅」華西村(華西村/中国)成功村でホームステイし、幼稚園で歓迎を受ける
1995年8月、大阪府が主催した看護師を対象にした洋上研修に同行取材する形で上海を訪れた。上海の病院を見学した後、列車とバスを乗り継ぎ、3時間間ほどかけて上海郊外にある華西村へと向かった。華西村は1978年の改革開放政策によって中国で最も経済的に成功した村の一つと言われている。
「熱烈歓迎」の垂れ幕をバックにした行われた交流会では、村長が成功した理由と村の自慢をしてくれた。
成功した理由は、上海近郊にあり、紡績メーカーや化学メーカーの企業誘致に成功したため、お金がじゃんじゃん入ってきたらしい。
そして自慢は次の3つだ。
一つ、住宅を保障していること。3階建ての家も多い。
一つ、幼稚園から高校まで無料であること。
一つ、雨が降っても濡れずに通学できるように、天井のある通路を村に張り巡らしていること。
広場にある巨大な鳥のモニュメントを含めて、まるでSFの村にいるような気分だ。ホームステイ先の3階建ての家には、カラオケセットはもちろん、天井にはミラーボールまであったのには驚いた。
翌朝、朝食が用意されていたが、夫婦はすでに働きに出かけていて、老婦人が食事の面倒をみてくれた。子守りも彼女の役目だ。
幼稚園での歓迎会では、園児たちが可愛い仕草で演技をしてくれた。男の子は赤い口紅を塗っていたが、これもきっと中国風なんだろうと、勝手に納得した。