【翻訳部辞書:C】chant
こんにちは。レビューアーの佐藤です。以前の記事でサッカーの話題に少し触れましたが、実はサッカー観戦、特にJリーグ観戦は私の趣味の1つです。そこでサッカー応援でよく聞かれるあの歌声、「チャント(chant)」について書いてみようと思います。
教会かサッカー界隈でしか聞かない言葉かも?
テレビなどでサッカー日本代表の試合を見て、観客が声を揃えて繰り返し歌う「オー、バモ、ニッポーン!」という節回しを聞いたことがある方も多いかと思います。あのような応援の歌を、サッカー界隈では「チャント」と呼びます。
一般的には「グレゴリオ聖歌(Gregorian Chant)」などの典礼聖歌、詠唱、唱歌を指す言葉ですが、同じようなフレーズを繰り返し歌うことから、サッカーの応援歌を「チャント」と呼ぶようになったのではないかと想像します。サッカーもある意味宗教のようなものなので、もともとは典礼聖歌の意味だよ、と言われてもあまり違和感がない気がします。
チャントは基本的に各チームの主要なサポーター団体が作成し、それが他の多くのサポーターにも広まって、いずれスタジアム全体で歌われるようになります(日本代表チームの場合は、代表の試合を専門とする応援団体があるので、そこが発信源になります)。チーム全体を応援するチャントもあれば、選手個人のチャントもあります。また、戦況に合ったチャントを使い分ける場合もあり(チャンスのとき、ピンチのとき、あと少しで試合に勝てるとき、試合に勝ったときなど……)、全部を合計するとかなりの数になります。私はサポーター団体に属しているわけではないので端から見ているだけですが、あれだけの数を考え、使い分けるのは大変だろうなと思います。
チャントを歌わなくてもスタジアム観戦はできる
サッカー観戦が趣味と言うと、テレビで見る印象が強いのか、「90分立ったまま、歌ったり飛び跳ねたりしてるの?」という反応が返ってくることがあります。しかし、そんなことはありません。特にJリーグの場合は、よほど熱狂的なサポーターが多いチームでもなければ、スタジアムの観客の大部分は座って観戦しています。座ったままチャントを歌う人もいれば、そうでない人もいます(私は前者)。嫌いなチャントは歌わない、なんて人もいます。※もちろん今は、感染症対策として、スタジアムでの声出し応援は禁止されています(★2022年8月9日時点では、Jリーグおよび日本サッカー協会の規定の下、一部の試合やスタジアムで声出しが解禁されています★)。
もしも、飛び跳ねてチャントを歌えないとスタジアム観戦はできない、と思われている方がいるとしたら、それは誤解ですよとお伝えしたいです。チャントを歌うのも、歌わないのも、一人ひとりの自由です。それぞれの好みに合った応援スタイルがあり、そのスタイルに適した座席エリアがあるので、そこの選択さえ間違えなければ、のんびりした観戦も可能です。行ってみたいけど勝手がわからない……という方は、お近くのJリーグサポに相談してみるとよいでしょう。
チャントあるある
記事の締め方が思いつかないので、最後にJリーグのチャントあるあるを挙げておきます。
ではまた次回の記事でお目にかかりましょう。