“ブランディング”って、まんま“戦略”

0→1で事業を推し進めてきた約8年。僕がやっていることはカッコいいスタートアップなどではなく、よく言えば地域に根差したいわゆるスモールビジネスで、ほんと地道に8年かけて少しずつ売上を増やし、5人は雇えるほどの規模になり、いろんな人の後押しもあって、県からの表彰をもらったり。この辺り詳しい話は“事業立ち上げからの約8年。(2020年12月30日追記)”に書いてあります。

うまくいってるかと言われれば、もちろん課題もたくさんある。それでも8年間継続的に事業拡大してきた中で、事業ミッションを掲げたタイミングから事業の在り方が大きく変わり、まさにターニングポイントとなったので戦略づくりとブランディングってめっちゃ関係あるなと実感している。立上げ当初は学生起業っぽく、事業計画書に“理念”の文字はあれど、“学生のやりたいことをやる場所”とまあ今思えば相当ゆるふわな感じだったのも懐かしい。

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ミッションをつくりなおすタイミングで意識したのは、①自分たちの持つ強み(企業・商品のSEED)と、②社会・顧客のNEEDSの2点。

①の強みに関して言うなら、立ち上げ当初は企業・商品とかっていうより、ほぼ僕自身の持つ強みの話が大半。学生さんと向き合うことを大事にしていたり、行動力があったりとか。個人事業からのスタートなんで、まあそんなもんです。

②の社会・顧客に関しては徹底的に市場の分析から。学生動向、県内の企業の採用状況を調べに調べてたどり着いた結論は、“学生の就労感を上げること”が何よりも大きな課題であるということでした。(“事業立ち上げからの約8年。(2020年12月30日追記)”にも書いた話ですが。)何も学生だけが変わればいいという話でもなく、焼畑農業のような採用活動からしっかりと次世代を育成しながら採用が行われていく環境が必要だなと。

この2点から、“沖縄の学生の志(自分軸)を共につくり、個々人がより活躍できる環境を創出する”という事業ミッションを掲げ沖縄県内の就活プラットフォームとして再出発したのが5年前。

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よく言われるような企業の成長曲線は上記の図にある感じ。僕たちはまあ地方の中小企業、スモールビジネスど真ん中の事業をコツコツと続けてきて、ちょうど成長期に差し掛かったくらい。クライアントの皆様、ユーザーとなってくれた学生の皆様には感謝しかございません。成長曲線内の番号を順を追って説明したいと思います。

①の時期はとにかく学生の皆さんにとにかく価値を提供すべく、利用者一人ひとりに面談を実施。偉そうに就労感を高めよう!ということではなく、一人ひとりに合わせた面談の形を模索し、少なくとも社会に出ることの楽しさを知ってもらうことが何よりも目的。面談の方法や、自己分析のツールは簡単に真似できるものではないので、これを何年もやってきたことが今やとんでもない価値になってきました。そんな面談を通じて少しずつファンを形成し、利用者が増えてきたタイミングで、今度はクライアント側へ。

②の時期がまさに今なんだけど、“学生の就労感が上がらない”一因は企業側にもあるということで、学生が参加して楽しいと思えるコンテンツや、いわゆる“会社説明”でなく“働くことの面白さ”を伝える機会の提供を通じて、企業と一緒に学生さんの“働くことへの意欲”を高めていくプラットフォームへと転換していくトライを積み重ねてきました。この点(学生さんを育成することにフォーカスしているところ)が他の採用系サービスとの異なる点だと自負しています。そんな時期にコロナでオンラインに全移行することになって、完全にアジャストしきれているわけではないのでいろいろ弊害は起きている感じではありますが。(色々とすみません。)もちろん、これからも改善改善の連続です。

③はちょうどスタートしたオンラインサービスを基軸に、業務全体の効率化を図り、新しいマネタイズのポイントを模索するフェーズへ。一人ひとり時間をかけて面談を行ってきたから、どこをどう業務効率化していくか、どんなメリットを学生側、企業側に提供すべきかもある程度“型”がある。“型”があるのでオンラインサービスへと移行しやすい点もあったという感じ。最近エンジニアチームを立ち上げて、僕が所属する株式会社パラドックスの自社プロダクトをつくることに携わらせてもらってるけど、改めて僕らみたいなサービスは最初から自社プロダクト持つ意味なんてあんまりなかったし、何よりこのタイミングで次のビジネスの芽に着手できたのはとても進捗を生みやすくなっているように思う(型があるのは偉大)。

とまあ結局まとめると、“沖縄の学生の志(自分軸)を共につくり、個々人がより活躍できる環境を創出する”というミッションを掲げたことで、まずわかりやすく学生のためになる面談をひたすら行い、利用してくれるファンを作っていくことからスタート。次に、企業側への価値提供も“学生を一緒に育成”する点に比重を置いて商品開発を進めてきました。“学生が就労感を高めることができる”を主軸におくことが何よりも大事だったなと改めて。(と書いてみて、そういえば山口周さんのお話を聞いて“描いた絵の通りに実装し切るところ”もまたすごく大事だなという気づきがあったのを思い出した。知行合一。これにいつも悩まされている。)

事業ミッションなどなくても事業拡大できるものはできる!のかもしれないけれど、僕みたいな経営初心者としては事業拡大のロードマップがしっかりと出来上がり、毎年のPLに注力すべき点がしっかりと反映されていくので、丁寧にミッションをつくったことが後々とても助けになりました。ブランディングをメインの商材として提供している株式会社パラドックスにてディレクターをしている身としても、ブランディングの正しい意味を再認識できたこの数年でもあったと思っています。何も企業をよく見せるための手段だけでなく、事業成長のロードマップをつくっていくこともブランディングの価値の一つであると。コロナの影響で、流動的な社会になった!とは言いつつ、ブレない判断基準を持つことはとても大事。来年もまたよりよいサービスつくりに邁進していきたいです。

▶︎記事中に出てきたリンクまとめ


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