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raizou
元ネタとリメイクを見比べてみての感想
少し前になりますが、
新宿武蔵野館で公開してた『苦い涙』と
それを機にリバイバル上映された元ネタとなる映画
『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』を観てきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1691480560796-b9FgvsK1l0.jpg?width=1200)
主人公の名前が元ネタはPetra Von KANT、
リメイクはPETER VON KANT。
自由に翻案したとは言え寄せてる所はキッチリ寄せてきてて
これはどうしても見比べてみたくなる作品でした。
1棟のアパルトマンで展開する同性愛者のドラマで
若い愛人が中年のクリエーターの心を掻き乱すという展開は
どちらも同じですが性別が女性から男性に変わった事で
見え方も若干変わってきます。
どちらも演劇的な芝居という印象だけど
『苦い涙』はどことなくTVっぽい感じがあり、
『ペトラ〜』はアングラ的というか小劇場っぽい芝居という印象だった。
カメラの構図には大きな違いがあり『苦い涙』はよく動くなという印象に対して
『ペトラ〜』は動きは少ないが凝った構図が多かった。
『苦い涙』も主人公のキャラクター造形や美術にセンスを感じたけど
個人的には『ペトラ〜』の方が好きなセンスでした。
『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』はファスビンダー作品の編集者であった
ユリアーネ・ローレンツをインスピレーションの源泉にしているらしいが、
主人公は女性になってるとは言えファスビンダーそのものという印象が拭えないので
見比べてみると『苦い涙』の方が鮮烈(というか苛烈)なラストでした。
「ここで終わってくれたら最高だな」というところで終わるので
ラストは「苦い涙」の方が好きな感じ。
『ペトラ〜』はどこか形式的な雰囲気のあるラストでした。
という感じで元ネタとリメイクを見比べてみての感想でした。