『スト6』"マスターは誰でもなれる論"は本当だ!〜なれる人、なれない人の違い〜
『スト6』は誰でもマスターになれる。
SNSでそんな言説をよく目にする。それに対し「誰でもなれるものではない」という意見もよく見かける。
「頑張ってマスターになりたくてもなれない人がかわいそう!」というようなかばいながら非難する声や、「マスターの価値はそんなに低くない。マスターになれた人は誇りを持って!」というMRが下がった人を勇気付ける意図のものまでさまざま。
なかなかマスターに上がれない人はかわいそうだし、マスターになれた人はMRなんて関係なしに胸を張って良いと思う。が、私はあえて声を大にして言いたい。「マスターは誰でもなれる」と。
マスターになれる人の特徴
マスターになれる人は次の2パターンだ。
考えながらプレイできる人
駆け引きの構造・仕組みを知ることが面白いと思える人や勝ちに貪欲な人は、自然と考えながらプレイしていることが多い。他のジャンル出身のプロゲーマーやストリーマーの上達が速いのは「なぜこの行動は負けるのか」、「どうしたら相手の行動に勝てるのか」と考える癖が付いているからだ。
では、考えるとは一体何について考えれば良いのか。
自分に何が欠けているのか、何が必要なのか
そのために何をすれば良いか
それを適した場面で行えるか
分かりやすい具体的な例でいえば「コンボができていない、トレーニングモードでコンボ練習をする、実践でコンボを成功させる」といった具合だ。もし何が欠けているのか分からないなら「何が欠けているか知ることが必要、そのためにリプレイを見る」というのが必要なことになる。ひと昔前と異なり、ネットで調べてしまっても良い。
反省して課題を見付けて、それを改善するために練習して、それを実戦で行う。言うだけなら当たり前かつ至極簡単なことだが、たかがゲーム、されどゲームに常にこんな真面目に取り組める人は多くないだろう。逆に、意識せずとも考えながらプレイする人は『スト6』や格ゲーに限らずあらゆるゲームに向いているし、才能がある。というか、何をやっても上手くいく。
とにかくプレイしまくる人
「娯楽に頭を使いたくない!ワイはストレス解消のためにゲームをしたいんや!」そんな人でも、ひたすら経験や実践を積んでいけば、あまり考えなくても自ずと少しずつ上達していくものだ。操作に慣れたり、ドライブインパクトに反応できるようになったり、何となく反撃確定の状況が分かってきたり……。
考えてプレイする人と比べれば上達のペースは遅いが、それでもゆっくりと上手くなっていくはずだ。また、ずっとプレイしていれば自然と考えてしまうようになる人も多い。ずっと負けっぱなしではつまらないし、何より悔しい。「ケンの迅雷脚にやられた!ハメだ!ズルい!」そう思い続けていれば、ずっと迅雷脚で負けているのがバカバカしくなってくる。そこでごく短い間だけ"考えながらプレイする人"になるのだ。
端的に言えば、負けず嫌いの気質が強い人はこのタイプ。
マスターになれない人の特徴
マスターになれない人は一言で言い表せる。心が折れてしまう人だ。
考えながらプレイするほどの意欲はなく、ひたすらプレイしているうちに『スト6』をプレイすることに価値を感じなくなってしまうのだ。
「負けて面白くないならやる意味がない」、「勝つために練習したり知識を入れたりする必要があるなんて面倒臭い」、その言い分はどれも間違いはない。「諦めずに続けたらもっと楽しくなるよ!」なんて声を掛けるのはナンセンス。当人の感情、面白いと感じるか、プレイすることに価値を感じるかだけが重要なのだ。
要は悔しさ、面倒臭さに劣らないくらいのやる気か、負けず嫌いの気質があれば良いのだ。はっきり言って、それくらいの気質がなければ『スト6』でマスターになるのは無理だ。というか、格闘ゲームに向いていない。そういう人は、チーム戦で慰めあったり人のせいにしたりできるゲームや、必ず成長が感じられたりご褒美要素がもらたりするようなゲームをプレイした方が良い。
ただ、『スト6』を含む格闘ゲームの楽しみ方は対人戦だけではないということは強調しておきたい。キャラクター、音楽、ストーリー、観戦など、様々な魅力にあふれている。対戦はしないがイベントでコスプレをするような人や、未プレイでもプロゲーマーを応援するという人も実在する。好きな気持ちを対戦の実力以外の方法で表現する方法はあるし、別に表現しなくたって良いのだ。
さておき、"プレイし続けさえすれば"という枕詞は必要になるが、『スト6』のマスターは誰でもなれる。
マスターになれ!
かく言う私はマスターになるまで2500戦、月日にして発売から丁度1か月かかった。『スパ4』から格闘ゲームをやり込み始めて十余年何かしらの格闘ゲームに触れ続けてきたのだが、新規プレイヤーでも私より早くマスターに到達した人はたくさんいる。他のゲームで私よりポイントが低かった知人でも私より早くマスターになっていたし、早い人は1000戦以下、500戦以下しかかからなかったりした。
私は考えずにひたすらプレイしまくるタイプだが、どこかで「こんな奴に負けたのは運が悪かっただけ」と過信し、負けてられないと続けた結果だと思っている。
心が折れそうな自覚がある人はきっぱりやめてもしまっても良いが、別に『スト6』は義務ではないのだから別のゲームをやったり、仲間を作ったりしながら続けてみたらいかがだろうか。今少しでもそう思えたなら、あたなは負けず嫌いなのかもしれない。愚痴や文句を垂れながらでも続けてみたら良い。もし「負けてストレスを抱えながらやるのはバカバカしい」と思うなら、別のゲームを楽しもう。そうしよう。ね。