さっきあったこと。
視力0.1にも満たない私は、代わりのレンズがないと目の前の人すら捉えることが出来ない。たった1m先、手を伸ばせば触れられるような人でも何かを頼らないといけない。そんなコンプレックスだらけの身体。風呂場のモヤで写した写真が私の目よりも優秀だということを認めたくない。技術に負ける人間にはなりたくない。そんなことを思っていたけど、周りを見ると技術だらけ。自転車、電車、新幹線。人に逢いに行くため、憧れを見に行くため、やりたいことをするため、そのために技術を頼ってしまっているのが真実だった。調べたいことも文字を打てば大抵出てきてしまう世の中、活字を読む人も少なくなってきたそんな時代で私は何をしているのかと考え悲しくなってしまったのが今日の、私の嫌いな風呂の時間のハイライト。横文字が嫌い、英語も嫌い、そんな私の脳が狂うほどの冷水、冷やかし。モヤがかかった私の視界に飛び込むのは残り10パーセントの充電通知、文明の利器。前は暗い布団の中で没収されないようにDSをいじるだけの時間。あれは片手で操作できないから良かった。暇を持て余す体がなかった。時間を操作して、普段できないイベントに参加して、雑草だらけになった村もあった。壊すボタンひとつで壊れてしまう私の世界が嫌いだった。コーヒーをこぼされて壊れたこともあった。それぐらい弱いものに保存している私の世界がちっぽけに感じた。
これからも私の世界は周りの世界によって壊されてしまうのかと少し怖い。
いくら作り上げたとしても、誰か知らない人の一言で壊されてしまうかもしれない、脆い、拙い、この世界が私は本当に嫌いなのかもしれない。
そんなこんなで残り充電4パーセント。
そっと冷えきった湯船に携帯を滑り落とした私の小さな反抗期。
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