現実逃避とカタツムリ
出不精に拍車がかかり、特に用事がないと外出をしなくなった。ここ最近は実家のゴミ屋敷に顔を出すことも少なくなってしまった。外出は月に数回、たまに映画を観に車を数分走らせるくらいだ。
ときどきそれを心配した仲間が誘ってくれるのだが、約束をしても当日になると行きたくなくなってしまい、自分の中で駄々をこねる。心の中では「出かけたい」思うのだけれど、いざそこを突かれると引っ込んでしまう。
食事を作るのも、食べるのもめんどくさがり、缶ジュースでお菓子を流し込み空腹をごまかす。筋トレもかれこれ数ヶ月もサボってしまい、お腹がポコリと膨らんでしまった。
ぐうたらと過ごしているせいなのか、一ヶ月くらい前から腕に痛みが走るようになった。
五十肩と言われるやつなのだろう。
五十肩とは腕が上に挙がらなくなる程度の認識しかなかったが、実際は違った。腕を挙げなくても痛いのが五十肩だった。
今では両腕に痛みが走るようになってしまった。とくに腕を変な角度に持っていくと痛みが走るのだ。シャツやジャケットなどの着替えが、とても煩わしい。
腕の痛みで、何より困るのは「痒み」だ。背中に手を回すと腕が痛くて、背中が掻けない。そうなると不思議なもので無性に背中が痒くなる。
背中ってこんなに痒かったっけ?
と思うくらい背中が痒くなるのだ。椅子などの背もたれに背中を擦りつけるのだが、それで痒みは治まらない。腕の痛みを我慢して、背中を掻くがまたすぐに痒くなる。お腹なんか全然、痒くならないのに、なぜだか背中が無性に痒くなる。
今日、初めて「孫の手」を買ってしまった。
これはとても良い。昔、子供の頃に家で「孫の手」を見たことがあるが、テレビのスイッチを入れるのに使った程度の記憶しかなく、まさかこんなにも便利な代物とは気が付かなかった。まだ孫は居ない歳なのに、孫の手が必要になるとは思わなかったが、これは素晴らしい商品だ。
劣化と老化を顕著に感じ、過ぎ去りし日に想いを馳せる
家で映画を観ていても、少し前の作品だと出演者の方で亡くなっている方がいるもので、そうなるとウィキペディアでその方を調べてしまう。そしてそのまま亡くなった方へ、亡くなった方へと飛んでいき、挙句の果てに想いを過去に飛ばして
「所詮、人は死んでしまうのだ」
と更に気持ちを滅入らし、出不精に拍車をかけてしまう。
あすなろ あすなろ 檜になろう
あすは、檜にならないといけない。