ネガティブな心の声との付き合いかた
ちょっと想像してみて下さい。
仕事を終わって帰ろうとしているときに、さいとーは上司に呼び止められました。
彼の心の中では、ネガティブな心の声が湧いてます。
「仕事終わったところなのに」「なに頼まれるのかな」とネガティブな反応をしてしまいました。
そして結局のところ、
「今日のプレゼン良かったよ。次もよろしく!」
なんて声を掛けられてあっけにとられてしまいました。
こんな時、あなたはどんなふうに考えるでしょうか?
「あー、なんてオレはネガティブな人間なんだ」と落ち込んだりしませんか?そう思うのも無理はありません。やはりネガティブ感情が湧いてくるその瞬間には、つい気になってしまいます。
しかし私は、「そんなあなたも大丈夫!」と声を掛けたいです。
「心の声」は、本能的「習慣」としてネガティブ
このことを心に留めておきたいものです。
人の心の中では、「やった、いいぞ」とか、「まずい」「ヤバい」などの感情がしばしば沸き上がります。その声は、明確な言葉になることもありますし、言葉にもならないほどの一瞬の直感だったりします。ある研究によると、そのような「心の声」は1日6万回ほどに上るそうです。そしてその70%は、ネガティブな声とのこと。ネガティブな声って、メチャメチャ多いですね。
つまり、1日に4万2千回ものネガティブワードが頭の中に湧いてくる、ということを意味しています。これだけ身近にネガティブワードがあふれていれば、自然にネガティブになるのは仕方がないことです。ですから、知らず知らずにネガティブ反応してしまうことは、私たちが生まれもった特性、言い換えれば本能と言っても良いでしょう。
本能としてのネガティブ反応
さて、こんなにもネガティブに考えてしまう私達ですが、これは本能的なものだ、と書きました。では、なぜ本能と言えるのでしょうか?その理由は人類の歴史を過去にさかのぼれば理解できるでしょう。
原始の人類は、自然の中で獣や疫病などの得体のしれない敵から身を守らないと生きて行けませんでした。強そうな生き物からは距離を取り、逃げるのが一番です。そして、それは決して臆病なのではなく、生きるための合理的な選択なのです。そうです、「怖い」という感情は命を守るための大切な本能なのです。
ですから、何かの事態に直面した時、「怖い」「やりたくない」と反応してしまうのは、自分を守るための本能だと言えます。
「心の声」はネガティブでもたいせつな自分の一部
ここまでご一緒していただき、ネガティブな「心の声」は自分の身を守るための本能だ、ということを学びました。私が思う事は、「このネガティブ反応もごく普通で自然なものなのだ」ということです。
まずは、ネガティブでもポジティブでも、勇気が持てても持てなくても、どっちも自分自身なので、どちらの自分も大切にしましょう。
そして、そんなネガティブだけど大切な自分としっかりと向き合って、感情を否定するより向き合うことがポジティブに生きる第一歩だと私は思います。