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詩* 澱

哀しみは ゆっくりと流れ
寂しさは しんしんと積もる

遠ざかるはずの銀河は
失速して 時を淀ませ
立ち直るという目標も
曖昧なまま 春を拒んだ

あの日から
何度 季節が廻っても
本当の春は まだ来ない
本当の春は まだ遠い

一度手にした温もりは
いつも 記憶とリンクして
失うことに怯えては
心の底を 掻き回す

ふと舞い上がる 苦しみが
淡い光を遮って 優しい声も遮って
キミの言葉を 遠ざける
生きる意味さえ 問い質す

もう誰も信じない

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