もうすぐ雪がやってくる。 ドライブには不向きな季節だ。 だから、その前に くらげに会いたくて 海沿いの小さな水族館に 行ってきた。 すると、 素敵なメッセージに出会えました。
空はいつも そこにあるのに 雲はいつも そこにはいない 笑顔はいつも 温かいのに 微笑みは時に 冷たくて 幸せはいつも 形を変えて 見えないものに 隠れてる 信じる力が足りなくて 私はいつもカラになる 心と体は彷徨い続け 水と風とを受け流す それでも私は ここにいる 生きることに貪欲で 感じることに貪欲な 抜け殻だけが ここにいる 時の流れに抗いながら 銀河の渦の片隅で いつか消え去るその日まで 星とひとつになれるまで
灯台の光が またひとつ消えた 子どもの頃から そこにあった いつも遠くを 照らしていて いつも明るく 温かかった 誰かを拒むことも 見下ろすことも 見下すことも なかった あなたが居なくなって この世界は暗くなった わたしは何をたよりに 歩けばいいのだろう あなたになれるとは 思わなかったけれど あなたの様に なりたかった たくさんの人に 届く光を 作れる人に なりたかった 今夜は月が きれいです 夜空は暗く 静かです だけど言葉が 出てこない 悲しくて
真実はどこにある 人の中 風の中 現実は見た人の 記憶の中に残るだけ 真実は誰のもの 正義とは誰のため 人によって違うもの 時間とともに変わるもの 人々の中で作りあげられ 時代の波に流されるもの 解き明かすことで 見えてくるのは 哀れなるかな 人間のサガ 解き明かさずに 勝てば正義と 拳をあげる 人類の性 死人に口なし 生き証人の 語る話を 疑う者 無し
深く暮れゆく秋空に 爪あとを残すように 飛行機雲が燃えている 偏西風に流されて 大きく波打つ姿が 龍のように見える 秋よ 秋 短い秋よ どうかもう少し ここに居てくれないか 私は懺悔がしたいのだ 春の独りよがりと 夏の小さな過ちを 真っ赤な夕日の中で 燃やし尽くしてしまいたい きれいさっぱり 身軽になって 冬の準備がしたいのだ ゴメンナサイを 隠したままで 冬を越すのは辛すぎる 秋にじっくり 浄化されずに いきなり冬は辛すぎる
こんな田舎町にも イルミネーションが点る 普段は人のいない 小さな公園も この季節だけは キラキラする 恋人たちも 家族連れも ささやかな幸せを 願いながら 手をつなぐ 車の窓から ひとり見つめる ボクの手にも あの頃の ドキドキや温かさが 鮮やかに甦る 雪もないのに もう冬なんだ コートもないけど もう冬なんだ 温め合う人も いないけど もう冬なんだ
乾杯しよう 満月前夜 今夜が一番美しい 夢だって恋だって もうすぐ叶うちょっと前 わくわくどきどきする時が 一番しあわせだったから この瞬間を胸に刻もう 満たされてしまったら あとは欠けてゆくだけ
ボクはボク 他の誰にも似ていない ボクはボク 生まれた時からずっと それなのに 名前にモドキと付いている 全然違うし 似ていないのに ウメモドキと 人は言う 花も実も 全然違う ホントのボクを 見て欲しい 枝も葉も 全然違う ホントのボクを 知って欲しい 虫たちは 知っているのに 動物たちも 知っているのに 人間だけが 決めつけて 差別と争いを 生んでいる
入浴剤を選ぶ時間が好き 今日の自分を労わったり 明日の自分を思いやったり 夜という時間を どんな風に過ごそうか いろいろ思い巡らせて 香りと色と効能をチラリ 素敵な夜になりますように やさしい夢が見れますように
あなたの唇が 私に 言いたくないことまで 言わせるから 私は あなたに 恥じらいを 覚えてしまった あなたの唇が 私に 訊きたくないことまで 訊かせたせいで 私は 今でも あなたの答えを 待っている どうすれば 終わらせることができるのだろう どうすれば 離れることができるのだろう ただの友だちという距離感は どこまでも続く線路のように せめて答えが聞けたなら きっと 私は自由になれる あなたの優しい唇から やっと 自由になれるのに
青が好き なぜだろう 遠いところを 想うから 遠い景色を 想うから 青が好き なんとなく 遠いむかしに つつまれた 遠いあなたに 似てるから 青はやさしく温かく 闇も炎も吸い込んで 青は静かに怖ろしく 光と水を吐き出して ぐるぐると渦になり ぎゅうぎゅうに固まった きっと命の帰る場所 すべての命が宿る場所
月光は 響く 澄みきった秋の夜空に ひっそりと 満遍なく 凛とした音色で 静かに流れる薄雲に 七色の光を放ちながら 強く やさしく 遠く ごく個人的な感情に 振り回されて生きる事も 読めない空気に抗えず 流されてゆく虚しさも 受け止めきれない不運さえ グラスに溶かして飲み干して 弱く 小さく 息づく さらさらと鳴る草の葉も 儚い恋を詠う虫も 膝の上で眠るあなたの 寝息でさえ 愛おしいのに 寄り添って見上げた月と 温もりに酔えば 寂しい
クラゲは回る ぐるぐる回る 大きな 丸い水槽で クラゲは回る ゆっくり回る 色とりどりに 染められて 空気と数字を 読み過ぎて 呼吸を忘れた 私など お構い無しに それぞれの リズムで 生と死を刻む ぱた ぱた と ぱた ぱた と 薄暗い 静かな部屋で ガラスの中の キミに問う 聴く耳も 答える口も 持たないことを 知りながら 人間らしく 生きるには もっと上手に 生きるには 流されて 晒されて その中で キミは潔く 半透明の 体の中に 性も死も 見せつける ぱた
真夜中のリビングで 毛布を被って 丸まった 日々当たり前に過ぎる暮らしを 守るためだけに磨り減って 誰のために 頑張って 何のために 耐えるのか 生きがいの前に 死にがいを 運命の前に 宿命を 未来の前に 前世の謎を 解き明かすために疲れ果て 占いも 哲学も 宗教でさえ 満たせない 幸せの 意味と形を 守るべき者に 期待した 温かな言葉があれば あっさり乗り越えられるのに 世界の平和を 希いながら 他人の平和を 批判する 闇の隅っこで 光り輝く テレビに向かって 毒
100%に満たない私と 未完で未熟な この世界 広がり続ける宇宙の中で 彷徨って 漂って 満たされるために生きるのか 繋がるために生きるのか 組織のための効率化 他人のための自己評価 どんな努力が必要でしょうか どんな進化がお望みでしょうか どんな数字と どんな技術が 私を満たしてくれるでしょうか 残り 3.5%が 欠けたままでも構わない あなたのキスがあればいい あなたの笑顔があればいい
愛を解く 哲学者のように あなたの言葉は やさしく響き 道を説く 聖職者のように 涙に濡れる わたしを包む 人生と 生命と 運命の謎を 語る唇は 答など無いと 知りながら 生きる理由の 翳を縁取る 欲望なのか 本能なのか 重ね合わせる 温もりを 微かな証と 信じては 未だ 確かめる術もなく ただ眼の前には あなただけ 気がつけば 対等な 恋の舞台に 立つ前に もう わたしは溺れてしまった あなたの声に 溺れてしまった 伸ばした指で 掴んだものは 藁でもなく あなたで