詩* カサブタ
カサブタが許せなくて
ついつい 剥ぎ取ってしまう
細胞から滲み出る
涙が濁って固まって
歪な私の本性を
見せつけられているようで
古びた恋の傷跡に
張り付いた カサブタも
どうしてもっと カッコよく
忘れることが出来ないんだろう
どうしてもっと あっさりと
次へ進めないんだろう
自然にとれて落ちるまで
触ってはいけないと
おばあちゃんにも叱られた
それでもついつい手が伸びて
時には 流血してしまう
絆創膏を貼りながら
胸の奥まで ヒリヒリさせて
何の得にもならないような
小さな癖ほど直せない