ニンゲンガンモドキ
──変な奴らが跋扈してるぜ
どんな?
──ニンゲンガンモドキだ
ちょ、ちょまてヨ
──ニンゲンに化けたガンモだ
ガンモって、そりゃ、ちょっと
まんまじゃ
ば、化けてないじゃ・・
いや、ま、待てよ
落ち着け
こいつはトラップだ
なるほど、そーか
あの昆布の( が眉毛でっと
ゴマの 、 が目玉だな
さしずめニンジンの赤い ● が鼻のつもりか
ははは、見破ったぞー
ちょこざいな小僧め、名を名乗れ!
はたしてお前は人間だな~
それともアンパンマンか!?
てか、これじゃガンモに化けた人間じゃないか
ガンメンニンモドキたぁ、このこった
ウわっはっはっは💦
しかしところで
いったい、おまえがガンモに化けて
どんなご利益があるってんだい?
ガンモ界で暗躍かい?
まあおでん業界ではそこそこ知名度あるからなあ
隣の白いはんぺん姐さんなんぞに手を出すなよ
けっこー取り合いになって競争率高いから言っとくわ
中身が人間じゃ、油断も隙もあったもんじゃないからな
あの娘は、熱くなって怒ると怖いぞ~
約半片くらいは膨らんでお前さんなんぞ圧死だわ
あれだろ
あれ
実は、控えめに末席にいるシラタキ嬢狙ってないか?
あの娘はちょっと気ぐらい高いぞ
ハラハラっとバラけるのがたまらんがな
で、、、
──(冷)
え? どした?
──それって僕の今夜の酒のあてなんだけど
だよなだよな
なんか変かなって💦
ホンモノかあ
──つーか、後ろ
😅う、し、ろったってーきみー
(ドックンドックン)
(ドッキドッキ)
(ドッキュンドッキュン)
(GAKUBURUGAKUBURU)
うぎゃー!!
人間に入れ替わったもどきっぽい人間のフリしたガンモだ~!!
──?
──え? いま何て言った? 難解過ぎてわかんなかったけど
だから、いいかい、落ち着いて聞けよ、、、
てか、やばい、説明してる場合じゃないじゃないか!
《タタタタタ》
──はやく、こっちこっち
《タタタタタ》《バタン!》
──クローゼットのなかだからひとまず大丈夫 ところで、あいつらのことさっき何て言ってた?
だから、あいつらド~見てもニンゲンだろ?
ニンゲンが、全身にタイツを纏って「人間もどき」の格好をしてるわけじゃん
──君はどーしてそう夢のない見方をするんかな~
ちょい待ってよ
まあ、それだけなら「よ、頑張ってるな」とか「寒い中たいへんだね」とか声かけぐらいするわな
──あのね、学芸会やかくし芸じゃないんだから、どーして「人間もどき」が人間の振りをするんじゃなくって、人間が「人間もどき」の振りをする必要がある?
でも君さっき言ったろ?
奴らの正体はガンモだって
つーことは、一見正体は人間であったっていう態を装って、実はガンモだってところが怖いじゃないか?
──君は、よくそんな複雑な脳の回路を通して、一瞬で「怖い」という感覚に見舞われたもんだ
第一、ガンモってのはジョークだよ
僕が小学生のころに観てたTVドラマで、人間もどきが出てきてさ
それをこどもだから「ニンゲンガンモドキ」って覚えちゃったまでだよ
それを先に言ってよ
じゃ、さっきの人間のあいつらはどーした?
──たぶん、君に見透かされて恥ずかしくなって逃げちゃったと思う
まさか、人間の貌をビリビリって破いて、
「ちわ、ガンモちゃんです」はやんないだろし
それはそれで怖いけど
それより、君にちょっと見せたいものがある
ひと先ずここを出よう
《ギ―》
《とある喫茶店から臨む窓外風景》
なに、普通の人混みじゃん
──そうなんだ
じゃ、君はあのなかにさっきの奴のホンモノバージョンが何人いると思う?
いるもいないも、そんなのいるの?
──うん、残念ながら6パーセントはあいつらなんだ
ロク?
ロクってーと、100人に6人、50人に3人、、
ニン、ニン、、、
──いわゆる社会不適合者とかサイコパスとか含めるともっと
ガ、ガンモより怖いんだけど
──いや、政財界や金融関連が圧倒的に密度高くて、実際には一般の人々はごく稀だから安心していいよ
つい最近亡くなった大物フィクサーもそうさ
てこたあ、人間もどきの話ってのは実話に近いってこと?
──いや~、そんなのフィクションだよ、フィクション
うーん、もっと言やあフィクションもどきかもしんないけどね・・・。
東洋哲学に触れて40余年。すべては同じという価値観で、関心の対象が多岐にわたるため「なんだかよくわからない」人。だから「どこにものアナグラムMonikodo」です。現在、いかなる団体にも所属しない「独立個人」の爺さんです。ユーモアとアイロニーは現実とあの世の虹の架け橋。よろしく。