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自ら考え、発想し、実験し、評価する
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常識を疑い 自分で考える
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『5と3/4時間目の授業』は、高橋源一郎がきのくに国際高等専修学校で行った特別授業をまとめた本で、学生たちに「常識を疑うこと」や「自分で考えること」の重要性を教える授業だ。
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授業の概要は、
1日目: たぶん、読んじゃいなよ!
テーマ: 読書の重要性と想像力の育成
哲学の例などを通じて、「自殺をしてもいいのか?」という問いへの回答など、学生たちに自分で考える力を養うことを目指している。
2日目: なんとなく、書いちゃいなよ!
テーマ: 自由な発想で文章を書くこと
木村センさんの遺書を例に、自分の内面を言葉にすることの大切さを伝えている。
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この本を通じて、高橋源一郎の柔軟な思考と独特の教育スタイルに感銘を受ける。特に、学生たちが自由に発想し、自分の考えを表現することの大切さを学ぶ姿勢が評価され、授業の中で取り上げられる具体的なエピソードや問いかけが、読者に深い考察を促す内容となっている。
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◎ 著者の高橋源一郎(たかはし げんいちろう)は、日本の小説家であり文芸評論家。1951年に広島県尾道市で生まれ、ポストモダン文学を代表する作家の一人として知られている。
1981年に『さようなら、ギャングたち』でデビューし、第4回群像新人長篇小説賞優秀作を受賞。代表作として『優雅で感傷的な日本野球』(1988年)、『日本文学盛衰史』(2001年)などがあり、 三島由紀夫賞(1988年)、伊藤整文学賞(2002年)、谷崎潤一郎賞(2012年)などを受賞している。また、教育者として 明治学院大学の名誉教授として、学生たちに「常識を疑うこと」や「自分で考えること」の重要性を教えている。
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◆ 授業の舞台となった、「きのくに国際高等専修学校」は、和歌山県橋本市にある私立の高等専修学校で、1998年に設立され、国際的な視野を持ち、自分自身と社会について深く考えたい学生のための教育を提供している。
その特徴は、少人数制: 学生一人ひとりに対してきめ細やかな指導が行われ、 社会問題、国際問題、英語、芸術など、多彩な授業が提供される。
また、教科書だけでなく、実際の活動やプロジェクトを通じて学ぶことが重視され、教育方針として 学生が自ら考え、発想し、実験し、評価する自己決定を大切にしている。また、画一的な授業を避け、個人活動や小グループ活動を柔軟に組み合わせ個性化に対応している さらに、実際の活動や教材を通じて、幅広く深い知識や技術を身につけることを目指している。
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★ 授業の中では、アドラー心理学の 「課題の分離」や「他者受容」などの実例が散見され、目から鱗の読み物であったように 私は感じた。
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時代の変化を捉え
これからの生き方を
考えてみよう!
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◎高橋源一郎
◎きのくに国際高等専修学校
◎アドラー心理学
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