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「生きる意味」なんて考えたことない人へ:「神は死んだ」時代の私たちの答えはどこにある?

はじめに


私は、最近「人生に価値があるのか」について疑問を持っています。「人生に価値はない!」と思っているわけではありません笑。ただし、「生きるために何をすればよいのか」というのは決まっておりません。しかし、生きていれば必ず死が来る。そして、死がくればそれまでなされた出来事やそれに付随した結果が無に帰します。そこで、私は思ったのです。「なぜ人間に生きる意味があるのだろうか」と。元来私たちはこの生や死を宗教という形而上的な概念を仲介として解釈し、そしてその矛盾を乗り越えてきた訳です。しかし、今ではその宗教の力は弱まり、人生そのものに価値を見出しづらく、何を以て人生となすかは人それぞれになりました。だからこそ、「何をすればよいのか」よりも「何をしたいのか」、集団主義より個人主義が強調される時代になったのかなと思っています。宗教より個人理念なのでしょう。
私はその疑問を解消すべく、虚無主義を中心に考えながら、存在主義(実存主義)、そして悲観主義と比較してみよう!となりました。
ここから、現代における「人生の価値」をこれらの概念と共に考えてみたくありませんか?

虚無主義(Nihilism)って?

「人生に価値があるのか」という命題に関して真剣に考えた哲学者ニーチェは「神は死んだ」と言います。これはよく言ったものだと思います。「神」と「死ぬ」がインパクト強すぎて、この名言?が一人歩きしていて勿体無いと思います。しかし、意味を十分に理解すれば、この言葉がニーチェ思想の核心であるニヒリズムを体現していると思っています。ニヒリズムの意味は以下のとおりです。

虚無主義
すべての事象の根底に虚無を見いだし、何物も真に存在せず、また認識もできないとする立場。
既存の価値体系や権威をすべて否定する思想や態度。ツルゲーネフニーチェカミュなどに代表される。
(出典元:https://kotobank.jp/word/にひりずむ-3162386)

ニヒリズム、虚無主義は「人生に対する虚無」というより、「形而下における物事や人間活動における意味に対する虚無」を表しているのではと感じます。言い換えれば、「形而上の概念や意味を見出せなければ、現実界の物事もどう説明できようか!」みたいな感じですかね…急に自信がなくなりましたが、私の解釈ではそんな感じです笑

また、ある記事を見て興味深い内容を見つけました。

しかし、「この世に絶対に正しいものはあると思いますか?」とか「絶対に良いと思うものは?」「絶対に悪いものは?」などの問いに対して、「そんなものは何もない」と答える人がいたとすれば、その人はすでにニーチェのニヒリズムを肯定していることになります。
(出典元:『東洋経済オンライン』2021/10/16「哲学者ニーチェが「道徳を最も嫌った」論理的理由 自分自身を誠実に打ち出すことこそが望ましい」https://toyokeizai.net/articles/-/461925?display=b
(最終閲覧日:2024年12月22日))

「お前ニヒリストじゃん笑」「その考え方虚無ってる」っていう人いますけど、私もその一人として、よく虚無虚無言っていましたが、もう全員ニヒリズムを肯定している訳です。

では、ニヒリズムに陥った人間全員、人生に意味はないと思っているのでしょうか?いえ、そうではないのです。ニヒリズムは人生に意味はないと定義したのではなく、「絶対的な人生の生き方など存在しない」と提唱しただけに止まっていると感じています。

ニヒリズムをもっと深く考えてみる

ニヒリズムのことについてより洞察を深めるために、「ニヒリズムに似ているけれども実は違う概念」についても調べました。邪道ながら申し訳ないのですが、chatGPTを使わせていただきました。
比較するにはchatGPTを一回挟むことは結構便利なんですよ(独り言)

chatGPTの結果で出た概念は、1. 存在主義 2. 悲観主義 3. アナキズム 4. 実存的虚無 5. ポストモダニズム 6. デタッチメント(無執着)でした。私が思うに、ニヒリズムの本質理解のために比較すると良さそうな概念は存在主義と悲観主義かと思いました。

存在主義(Existentialism)って?

存在主義は一般的に言えば、実存主義のことです。実存主義は以下の通りです。

実存主義とは、19世紀のヨーロッパにおいて誕生した、「生きる道を自分で切り開く、今ここにあるひとりの人間の現実存在(=実存)としての自分のあり方」を求める思想です。(中略)
彼らは、「すべての存在・事象は客観的な真理によって説明できる」とするそれまでの合理主義思想を批判して、すべての人間に普遍的にあてはまる本質を追究するのではなく、具体的で現実的な個々の人間のあり方を見つめるべきだとしました。
(出典元:https://kou.benesse.co.jp/nigate/social/a13n0509.html)

chatGPTではその概念の比較として、
ニヒリズムは「人生に本質的な意味はない」と結論づけ、無価値観や虚無感に重きを置きます。一方、存在主義は「人生には本質的な意味はないが、それを人間自身が作り出すべきだ」と主張します。具体的には、ジャン=ポール・サルトルやアルベール・カミュの思想がこれに該当します。
と回答していました。

なるほど、面白い…ニヒリズムは「人生に本質的な意味はない」に対して、「それでも生きる意味は自分が決めるんだよ!」っていう実存主義が実に心強いと言いますか。実存主義がかなり生に対する執着を感じます。おそらくニヒリズムは絶対的価値の否定に対して、エグジステンシャリズムは絶対的価値の転換に感じます。それらは「宗教的絶対性の価値の否定」と「個人的絶対性の価値の肯定」と捉えられるのかなと感じます。合ってるかな?

悲観主義(Pessimism)って?

一方ペシミズムは以下の通りです。

pessimism, an attitude of hopelessness toward life and toward existence, coupled with a vague general opinion that pain and evil predominate in the world.
(source: https://www.britannica.com/topic/pessimism)

翻訳すると、「苦痛や悪が世界に優位を占めるという曖昧な全般的な意見を伴った、人生や実存に対する絶望に関する態度」といったところでしょうか。わかりづらすぎる。哲学におけるペシミズムと一般的に言われるペシミズムは全然違うので混乱しました…わかりやすくすると、「この世界は苦しみや悪で満ちていて、生きることに希望がないと感じる」という感じでしょうか。

ただこのニヒリズムとペシミズムは、混同されやすいなと感じました。ただ面白いところは、ペシミズムは生を半ば否定しているのに対して、ニヒリズムは生を肯定も否定もしていないところです。

ニヒリズムは、「人生や世界における絶対的な意味や価値」を『否定する』のです。「神」は『死んだ』というのはこれをいっているわけです。また、実存主義はその絶対的な価値は「神」ではなく「個人自身」に内在していると定義したと感じます。ペシミズムはもう生に希望を持てないわけで、そういう行為すらもが「悪によって侵食された世界」においては希望すらも持てない、とも言えそうです。

結局人生に価値はあるの?

私は、「人生に価値があるのか」と考えた時に、みんなは虚無主義を抱えながら実存主義に希望を見出しているのだろうと感じています。しかし、私たちはこの2つの概念の矛盾に喘ぐのだろうと考えています。実存主義にも限界があります。突き詰めすぎると、虚無主義に陥り、自分が失敗したり失墜したりする度合いが大きければ、悲観主義者になり得るとも考えます。

私は、実存主義と虚無主義は表裏一体レベルで地続きの概念であり、それは日常からなんら遠くない、むしろ近すぎて認識するにも認識できない概念だと思います。ただ、みんなが各々で異なる概念を、個人の中で完結させて絶対視するには、個人的に相当の精神力が必要だなと感じました。これすらもが「意味がない」となれば、虚無主義になり得ます。では、「個人自身で人生の意味を与える」個人的絶対性の否定に陥れば、その人は永遠の虚無主義の奴隷となり得ます。その人は何のために生きれば良いのでしょうか。

現代社会で、私たちがどのように生きるべきなの?

私は、これからの個人主義が行き過ぎると、宗教の力が弱まり、今までの人間の生が弱まるのではと考えます。人間たる所以の要素をどこに見出せば良いかわからなくなるのではと、不安が隠せないです。ここまで来ると、AIというものに優越を奪われるのかもと感じるのです。我欲の奴隷で、種の保存すらも忘れてしまう非生物になり得るのではとすらも感じます。それでも私は希望を以て生きたいものです。

私には、生きる意味それ自体にないと考えています。種の保存という生殖以外で何か意味を問うてくださいと言われると困惑してしまいます。それはみんな、生きているという感覚を与えてくれるモノやコトが違うからです。楽しいことをしていると心地よい感じになり、「生きたい」という気持ちになれます。生という膨大な概念を忘れてしまいます。それならば、生を忘れるほど生きていることが重要なのではと感じます。しかし、それは生を虚無主義や実存主義を通してのメタ認知があることで可能だなと感じています。

おわりに

どうでしょうか?私の考える「人生、生きること」について話してみました。少々暗めで重すぎる内容になってしまって申し訳ないのですが、最近こんなことばっかり考えてしまうのですが、これを考えれば考えるほど楽しくなってしまいます。だから哲学が好きなのかもしれません笑
次からはもっと明るい内容書きます笑

おわり

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