エイジング問題
問題一覧
(2020.10.20大幅改編)
(2021.3.22加筆)
どうも、こんにちわ、ぼくを取り巻く数多の問題について、よりよい未来のために研究し、考察します。今回はデニム、だったのですが、もう少し間口を拡げて、デニム、革製品、その他、経年変化が発生し、その変化が「イイ」と思えるものについてリサーチしてみようと思います。
◆デニムについて
-これまでのデニム
2011年くらいから6年くらい、元旦に新しいジーンズをおろして、大晦日でお役御免にする、という儀式を続けていました。風水的にいいらしいですね。どういいかというと、モテるようになるらしい。ならなかったのでウソだと思いますけれど。
そして、ここ4回ばかりはAPCのプチニュースタンダード、という型を導入しておりました。
1年、ほぼ休みなく穿くとこんな感じになります。
1回目。襤褸着感。サイズが32インチのためか、ぼんやりした色落ちに。
糊がついた状態のまま穿き始めた方が、所謂ジーンズというかデニムというか、ヴィンテージ・デニム感が出るのではあるまいか、と思い、試してみること3回。なぜ上記で4回と書いていて3回なのかというと、4回目は諸事情あって中止となりましたのです、後述しますけど。
これが3回目。うーん。悪くはないと思うのですが、どうも狙っているというか、求めている感じとは違うのですよね。もっと鬼気迫る感じ、心を燃やし続けた結果な感じ、そういうのが欲しいのです。
ただ、この3回目のチャレンジは約2年続き、その間7回は洗濯したステータス。それにしても2年で7回しか洗ってないって不潔すぎですね。
わかっていることは以下。
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1)1回目、3回目ともに濃淡がそれほどくっきりしておらず、ぼやけた色落ちに堕している
2)1回目は32インチのステム部分を細くしたもの、3回目は30インチをそのまま着用
3)両方とも糊のついたリジッドの状態で穿き始めた。3回目の方、最初に洗ったのは穿き始めから9ヶ月後
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どちらかというと、3回目の方がいい雰囲気。サイズを下げたのが原因でしょうね。でもぼんやりしている。うーん、どうしたらいいんだ。この両方と違うことをやってみないと、新しい発見は無い。。。
デニムは全く洗わない方がいい、とか、ドライクリーニングだと大丈夫、とか諸説ありますね。全く洗わないと生地自体が痛んで破け易くなります。ただ、洗うと染料が抜けて退色してしまうので、濃淡を明確にしたい場合は洗濯とオンゴーイングがトレードオフになります。
そのため編み出した対策は
a案)11月-4月のそれほど汗をかかない期間をできるだけ長くとる
b案)もう1インチ下げてみる
この二つ。
実際、3回目の方を穿いていた期間としては
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1)2017.11.26から2018.11.8
2)2019.4.3から2019.6.02
3)2019.10.26から現在
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というもの。2018年こそ夏場は穿きましたが、去年は封印して涼しい時期に備えておりました。が、ダメ。では、と思い実施したb)プラン、途中で穿くのがしんどくなり、というのが、サイズが小さいため、股関節の可動域が狭すぎて、車の乗降時等、大変なので一旦終了、となっておりました。
かれこれ10年近く研究している、というか、ジーンズおよびデニムのエイジングについては、20年以上は気を使っているので、そろそろ確実な知識として定着させたいのですよ。で、ある日、ふと気づきました。糊のついたままのリジッドの状態が悪いのではないのだろうか、と。
デニムの表面がこんな感じだとすると、考えたのは以下のようなこと。
つまり、糊を落としてから穿いた方が、濃淡がつくのではなかろうか、と。また、糊がついている方がデニムに癖がつき易く濃淡が濃くなる、説もありますが、逆に糊で癖のつき方が弱くなるんではなかろうか、そして弱いまま全体的に退色するのではなかろうか、と思うに至りました。
ただ、この方のロジックとは真逆な気も。。。
それでもまぁ、早速試してみました。
-これからのデニム
しかし、所謂「若者の○○離れ」、ここにはクルマとかバイクとか酒とかタバコとか昭和っぽい概念やアクティビティが入り感嘆されるわけですが、ここには漏れなく「デニム」や「ジーンズ」も入りそう、というか入りますね。マジ流行ってない、というか、もはやカッコ悪いイメージの代名詞になるんじゃないか?というくらいのスピード感で廃れているような気がします。
今時、ジーンズ穿いてるのってよくて普通のオジさん、大抵は身形に無頓着なオジさんなわけですよね。そう考えると、ジーンズも封印しようかと思ったりしますが、まぁそこはもう少しやってみようと思います。
代官山で買ってきたばかりのデニムを塩茹でにします。ではなぜ塩茹でにするのか。それはやりたかったから、なのですが、なぜやりたかったのか。
・デニムが色落ちするのは、洗濯の際に、洗剤に含まれている漂白剤が染料を分解して色落ちする(らしい)
・塩に含まれるマグネシウムやカルシウムが染料と結合して安定した状態になり、色落ちしにくくなる(らしい)
らしい。古くから言われていた「なるべく洗うな」というのは、「なるべく(汗をかいたりして塩分をデニムに浸透させて色素が安定するまで)洗うな」と詳しく説明されると納得感はあります。
だったら最初から染料を安定させる成分多めでやった方がいいんじゃないかな、と。マグネシウムそのものやカルシウムそのもので茹でたほうが。。。まぁいいや。
煮だったあとは弱火でコトコト煮てから、一昼夜ほどおき、洗濯機にかけます。そして乾燥させます。
洗濯ジワをアイロンで取ってから着用開始しました。で、穿いてみると、リジッドの時よりもなんだか生地が伸びて穿きやすい感じがします。なので、2018.11.08からリジッドで3ヶ月ほど稼働したあと、冬眠していた29インチも同じように塩茹でしてから洗濯してみました。
前回、可動域問題がありましたが、糊が落ちたせいか、なんかイケるような、やっぱりダメなような。。。ただ、諦めた時より痩せたせいかイケる気が勝ったので、しばらくこちらで運用してみようと思います、まずは4月まで。
【随時更新】これからのデニム経過観察
-プチニュースタンダード29
約一ヶ月穿いてみました。身体の形になってきました。僕は脚を組む際、右脚を左に乗せるので、わずか一ヶ月ですが、左ひざがキテる気がします。
2020.3.28
気温が20℃を越えてきたので一旦運用停止します。気温が安定して20℃を下回る頃に再開します。
2020.12.19
運用再開しました。
-初代プチニュースタンダード30(2017.11月〜)
暖かくなったら、というかすでになりつつありますが、夏場はこちらをメインで穿くと思いますので、経過観察していきます。
3/29から再開して、4/20に洗濯しました。右は洗濯前。まぁ結構くたびれてますので、目立った変化はなし。でも左膝が毛羽立ってきました。
縦糸が切れ始めています。今年中に破損すると思います。
あれから一ヶ月経ちました。色味にはそれほどの変化はございませんようにも思えますが、案の定、左膝が崩壊。放置→むりくり縫い付ける、で凌いできましたが、流石に難しくなってまいりまして、当て布しました。今後どうなることでしょう。
2020.10月
・当て布のステッチを打ち直しました
2020.11.30
3年と少し経過です。洗濯直後ですので、まっすぐですね。室内灯の影響で黄ばんで見えます。色は兎も角として、穴が増えてきました。あて布を上方に移動しました。
2020.12.7
右膝もクラッシュしました。
2020.12.15
サカナを捌いていたところ返り血が結構酷くて不本意ながらお洗濯しました。
2020.12.18
アナの広がり方のペースが早いので、少し休憩させようと思います。
2021.6.18
3月頃から少し鍛えておきました。左ひざの重症度が増してきているような気が少しします。
-これからのデニム経過観察-リーバイスセカンド(2002.10月〜)
18年目に突入したセカンドレプリカです。袖口が破損し始め、最早ビンテージと呼んでもいい気もします。これも経過観察してみます。
-これからのデニム経過観察-sacai
つい欲しくなって導入してみました。サイドのジッパーで手が傷つきます。ビヨンデックス、というメーカーのデニムを使っているみたいですね。こちらも経過観察してみます。
◆皮革製品
-ダナーライト(2018.9月〜)
2018年に買って、2年ほど使用しました。主に寒い時期の船の上です。シーバスの血とかがゴアテックス部分にかかっても気にせず使っていました。そしてそろそろ寒くなってきましたので、玄関先に放置していたこちらを少しケアしようと思い明るいところで見ましたら汚いことこの上ないです。
まず、レザー部分の汚れをサフィールのクリーナーで落としました。
革製品全般に使えるので便利です。
その後、ベランダで、ゴアテックス部分を台所用洗剤で洗い、乾かしてみました。
2020.10月時点
潮を浴びまくっていたので、アイレットの緑青がすごいです。銅じゃなくてもこんなになるんだ、と関心しました。そしてシーバスのブラッドですが完全には落ちきっていません。
今年度はたまにはケアしようと思います。ていうか、沖上がりしたら水洗いしようと思います。その辺に転がってるブラシとかで。
-クロムハーツ1zipウォレット(2005.1月〜)
これは確か、2005年くらいに買って使い続けているものです。
10年程経過した状態。
フラップというか蓋というか、外周のステッチが死んでますね。なので修理です。一回目は購入から10年目の2015年です。
革が死んでる部分はパッチ補強、外周ステッチ打ち直し、って感じでした。工期は3ヶ月くらいだったかと思います。工賃は3万円くらいでした。キーホルダーなんかを引っ掛ける穴のグロメットとボタンが新品になって戻ってきたのでお得感があったように記憶しています。
クロムハーツの革製品、昔は無料で修理してくれたらしいのです。でも、どこぞのアホが、パッチ張って欲しさにわざとぶっ壊して修理を繰り返したら有料になったとか。ウワサですが。
時は流れ、2018年に2回目の修理。後述しますが、内側の補強。主にパッチでやってもらいました。前回同様、3ヶ月&3万円くらい。
が、しかし、いい加減ダメになっている気がします。革が死んでいる部分がいくつもあるというか、どんどん死んで行ってます。あるタイミングで身の回りのお年寄りがバタバタ死んでいくアレに似ています。
ごまかしが効く部分であればいいのですが、割と肝心な小銭入れ部分の革が完全崩壊しましたので、昨年だったか、今年の頭だったか修理に出しました。修理費用ですが、前回、前々回から倍増の6万円強と、3回分の修理費用を合計するともはや新品を買えるレベル感です。だがしかし、ずっと使っていたという記憶への配慮というか未練みたいな気持ちと、修理して使うことはカッコいい、的な店舗スタッフからのおべんちゃらが自縄自縛となってしぶしぶ修理することに。。。で、戻ってきました。
変化なし、というか今回は内側の修理がメイン。エンボス状に革が隆起しているのは二回目の修理の影響です。これは後述します。
緑部分が一回目、赤が二回目、紫が今回の修理の形跡です。二回目の複数のパッチがエンボス状の原因です。
今回は二枚で構成されている外側のパーツの内側の革が対象。
ビミョーな箇所にもパッチ処理の爪痕があります。
しかし、整形を繰り返して後には引き返せなくなっちゃった、的な不条理を感じますね、これ。完全に崩壊するまでは使ってみようと思います。
エイジングに必要な年月の考察
一般論としては成立しない気もするのですが、これまでの経験のエイジングと劣化について考えてみようと思います。
デニム:3ヶ月〜いつまでも
連続着用してると気付きにくいですが、3ヶ月もすると馴染んできますよね。ものによっては股ずれで崩壊してしまったりしますが、直して使用し続けることに楽しみを見出すと永遠にいけそうです。本稿で取り上げている APCのプチニュースタンダードですが、知人に貰ったハリウッドランチマーケットの襤褸着でまだ比較的強度を保っている部分を継いでます。オリジナルのデニムがそのうち消えうせようとも、他のデニムが転生することによって生き続けるような気がするのですが、そうなると最早別なものになっているような気も。。。修理しながら20年くらい穿くと相当いい感じになるか、衣類としての機能を完全に喪失しているかのどちらかになりそうですね。
レザーウェア:数年〜飽きるまで
油塗ったり、洗濯機で洗ったりして使うわけですが、敵は「飽きる」ということと、「それを着るような生活ではなくなる」という二点でしょうか。
まぁ10年も経てば飽きますよね。。。歳とると寒い時期に外に出なくなるし、着なくなるんですよねぇ。。。
靴:数年〜崩壊するまで
崩壊するまで、と書きましたが、崩壊しても履き続ける人もいるのですね。すごい。
自身を振り返ると、靴にはモノとしての寿命があるように思えます。オールソール(ソール交換)すれば履き続けられる、という主張をされる方もいますけれど、ソール交換にアッパーが耐えられなくなって崩壊するケースが多いように思えます。トリッカーズくらいのランクまではそうなりそう。トリッカーズは10年保てばいい方じゃないですかね。ぼくのは6年で引退となりました。
ただ、これは履き方にもよる気もします。限界の手前までは雑に扱ってもよいですが、限界を超えて雑に扱い続けるとぶっ壊れますね。なんでもそうですが。
一方、丁寧に扱って丁寧にケアすれば永遠に履き続けられるような気もします。オールデン、ウェストンあたりは、アッパーだけを見ると新品、とまでは言いいにくいとして、先月くらいに買った靴?という印象です。なるべく若いうちに手に入れて、ずっと履き続けるのがいいと思います。
時計:10年〜手放さないといけない状況が訪れるまで
ヴィンテージのロレックスなんかは稀にとてもよい雰囲気のものがあると思います。ただ、使っていればそのうちヴィンテージになるわけですから、多少無理しても若いうちに手に入れておいたほうがいいんじゃないですかね。
今後の観察予定対象
オールデン(2000年3月〜使用)