長男の発達障害と就労。特例子会社だけじゃないけれど、自立に不可欠な障害者年金 #1
来月いよいよ20歳になる長男は、自閉症スペクトラムであり、ADHDの要素もありつつ、軽度の知的障害もあります。また、発達性協調運動障害、トゥレット症候群もあります。そんな長男は、去年コロナ禍のなか、無事に就職できました!手帳を使った一般企業への就労です。
まずは息子の障害について書きますね。
自閉症スペクトラムもADHDもいわゆる「発達障害」で、最近はよく知られるようになってきたと思います。長男に関していえば、人の気持ちを想像するのが苦手、言葉以外の情報から人の気持ちや、状況を把握するのが苦手なので、コミュニケーションをスムーズに行うのは困難が伴います。しかし、困ったことなどはLINEを使って文字で伝えてくれるようになりました。文字でのやりとりの方がスムーズなのかもしれません。対人関係以外だと、整理整頓ができない、突然の予定変更や新しい環境は苦手です。
こだわりも強く、息子のこだわりは「ルーティン」という形で現れています。
1日の予定は常に一定で、時間通りに自分の決めたルールで行います。なのでその予定通りに進まないとイライラすることがあります。でも、これは大きくなるに連れて切替ができるようになり、気分転換したりしてうまく乗り越えられるようになってきました。
小さい頃は、このスケジュールのない時間、いわゆる「自由な時間」にストレスがありました。余暇時間の使い方について随分悩んだ記憶があります。しかし、そんな心配はどこ吹く風。。。今は、民族ハッピー組というアイドルグループを追いかけております。コロナ禍でライブに行けない今は、ツイキャスとか、動画配信を日々の楽しみにお仕事頑張っています。
音に対する過敏や、触覚の過敏もあり、小さいころは運動会のピストルの音や、大きな音楽が苦手で、ずっと耳を塞いで過ごしたり、耳栓をしていました。最近はあまり耳を塞ぐ姿は見られなくなりました。触覚過敏は未だにあり、下着や服のタグは必ず切りますし、気に入った素材の服しか着ません。特に「これ」というのはないですが、着てみて着心地がいい、と思う数少ない服を着回しています。買ってきても着心地が悪いと一切着ないので、ほぼ新品の服が何枚もタンスの肥やしになっています。涙
ちなみに、発達障害児によくみられる偏食は息子には一切なく、多少の好き嫌いはあるものの、ありがたいことに何でもよく食べます。
また、発達性協調運動障害というのは、簡単にいえば、極度の不器用、運動音痴、というところでしょうか。。字が汚い、綺麗に折り紙を折れない、靴紐を結ぶのにかなり時間がかかる、縄跳びもなかなか飛べませんでした。縄跳びって、腕や手首の関節、膝や爪先の絶妙な協調運動なんだな〜と、小学生だった長男と一緒に縄跳びの練習をしていて思いました。それから、姿勢の保持も大変です。自分の部屋では100%ベッドで横になってゴロゴロしています。
軽度知的障害。私が住んでいる横浜市では「愛の手帳」と言いますが、いわゆる療育手帳ですね。横浜市の愛の手帳だと、B2というレベルです。18歳の最後の手帳の更新の際の田中ビネー式のIQは、54でした。将来的には一人で暮らすのは難しいです。料理や洗濯はできても、お金の管理や様々な契約処理は難しいと思います。将来的にはグループホームに入居できればな〜と考えています。
それからトゥレット症候群。初耳の方には、「何だそれ?」という変わった名前のものですが。チックというのはご存知でしょうか。チックは、自分の意図とは関係なく体が動いてしまうものです。そして、チックには2種類あり、音声チック、運動チックがあります。音声チックは、自分の意図とは関係なく、声が出てしまったり、自分の意図していない言葉を発音してしまったりします。運動チックは、自分の意図と関係なく体が動いてしまいます。大体は、どちらか1種類なのですが、息子の場合は、音声、運動の2種類のチックがあり、そして、これが長い間続いている場合、トゥレット症候群と呼ばれるそうです。息子の場合は、中学生の頃に発症しました。
一般的には緊張している時や、緊張が終わった後に出やすいものらしいですが、息子の場合は、自室でリラックスしているときによく出ます。音声の方だと、まず、咳が出ます。咳は息子の最初の症状でした。それから、「あー、あー、あー」とか、「きゃっきゃっ」とか、高音の雄叫び?のようなもの。。鼻を鳴らす、たまに新種のものもあったりします。
謎です。
運動の方だと、まばたきが多い。家ではベッドでゴロゴロしている時がほとんどですが、急にピーんと体を伸ばしたり、頭を振ったり、何かを叩いたりします。
我が家では生活音の一部と化していますが、慣れは必要ですね。
完治するのは難しいようですが、とりあえずはお薬を処方されています。
本人曰く、薬を飲むと、「止めよう、と思った時に止めやすくなる」らしいです。ただ、完全には止められないのが現実のようです。症状によっては周りの理解が必要だと思います。ただ、周りも頭では理解はできても、状況によっては大変だと思います。
さて、このような息子ですが、細かい成長の過程についてはまた別で書くとして、ざっと生い立ちを説明しますと、生まれて6ヶ月後から保育園に通い、公立の小学校の通常級に通い、その途中の3年生の時に正式に診断され、その後は、発達障害児に大変理解のある(むしろ専門)横浜ではその道の方には割と有名な私立の中高一貫校を卒業しました。そして、2年制の全寮制の職業訓練校で訓練を終える予定でしたが、2年生の途中で就労が決まり、就職先の日程の都合もあり、途中で退校し、今は月曜から金曜までの週5日、10時〜16時までのパートタイム社員として働いています。
働き始めてちょうど3ヶ月経ちましたが、先月、初めて息子から自分のスマホ代を頂きました。とても感慨深いものがありました。
自分のスマホ代だけじゃなく、年金や税金もちゃんと払っている、あの子が社会の一員として、しっかり義務を果たしていると思うと、障害がわかったころ、息子の将来が不安で、どうやって社会に送り出していくのだろう、社会のお荷物になるのだろうか、とか色々悩みましたが、本当に成長してくれたんだな〜と思いました。
息子の障害の話でこんなに長くなってしまいました。。。
どんな会社に就職したのか、それから障害者年金の話は長くなるので、次の投稿で書きたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございます。