教にゃんにゃこにゃん祖
昔、将来をどうしようかなんて悩んでいた時に、本気で教祖になろうと思って、ふざけて友人らに未来が予知できるなんて吹聴してまわっていた時期があったんですよ。
といっても事あるごとにおれには未来が予知できる。お前のビールが今から一瞬で消える。とか言って相手のビールを早呑みするみたいな本当にしょうもないことなんですけど、そうやって悪ふざけしていた時期があったんですね。
そうするとある日友人が、おれの知り合いの女の子にも未来が予知できるって子がいるぞとそんな話を持ってきたんですよ。
そうなるとみんな頭の悪い大学生ですから会えよ!対決しろよ!みたいな空気になってしまって、僕も、会うのは別に全然構わないけど君たちの好奇心のために僕の貴重な時間を奪うんだから、もし僕が彼女と対決して勝ったら、いきつけの焼き鳥屋でイカ鳶とコークハイを死ぬほど食べさせてくれよ、と判定は君たち基準でいいから、とこう条件を出してノリノリだったわけです。
そうしたらみんな別に構わないよ。とそういった感じであって、その時僕は彼らを笑かせることが出来たら僕の勝ちということになってうまい飯にありつけるだろうと短絡的にそう考えていたんです。
そして時が流れて実際会う日が訪れ、僕は事前の作戦通り、彼女と会って初めましてのその瞬間に彼女の顔をいきなりビンタしたんですよ。
なぜなら例えばもし本当に彼女に未来予知できる力があるんだったら、当然ビンタも予知してるはずで、僕のビンタなんか喰らうわけないじゃないですか、だからビンタを食らったということは未来が予知できていないということで私の勝ちになるとそういう寸法だった訳です。彼女をビンタした後僕は口の中にイカ鳶の味を感じながらドヤ顔で友人らの方を振り返ったんです。
そうしたら、友人らはドン引き、気づけばビンタされた彼女もギャン泣き。でぐちゃぐちゃになっちゃって、今思えば僕イカ鳶が食べたかったがために危うく暴行罪で普通に刑事告訴ですよ。
結局その後、彼女に2万もする4℃のネックレスを買ってことなきを得たんですけどこんな状況も予知できなかった私が偽物で最終的に欲しかったネックレスを手に入れた彼女の方が本物の未来予知者だった訳ですね。
それ以来もう教祖になるのはほとほと諦めました。