本来の自分
"本来の自分を見つける、取り戻す"
ヨガやピラティスをする上でよく耳にする言葉。
日常を生きる事で、いろんなこと、もの、人に触れて心が色々と背負う。
歳を重ねることで、癖がつき、姿勢や体型が崩れて体が色々と背負う。
それをマットの上で落として、ニュートラルを取り戻し、本来の自分を見つける。
とっても気持ちいいことだし、ヨガやピラティスは生きる上で大切なものだと心からそう思う。
だから、ヨガやピラティスは良いものである。
ということを前提として。
私は30歳まで運動という運動は学生時代以来していなかった。12年ほどなにも。
自分の体や心にも食事にも日々の生活にも特に目を向けることなく、生きていた。
コンビニ、ジャンクフード、スナック菓子、お酒は弱いけど朝まで遊ぶこともあったし、食事よりタバコが好きだった。
高校生の頃からへそと耳に計6個のピアスを開けて、アクセサリーや洋服で着飾り、マツエクやネイルに定期的に通い、結構派手な格好を好んでしていた。好んで。
それが30歳でピラティス、32歳でヨガに出会って、それを仕事にしてから、運動の邪魔だからとアクセサリーを全て外し、化粧もあまりせず、毎日ヨガウェアで生活する、そんな日々に変化した。
その後、世の中が病に侵され、人とあまり会わなくなり、自分の時間が増えて、仕事のためにと運動学や栄養学を学んで、いつのまにかインストラクターっぽい自分になっていた。
流行りの病が落ち着き始めてからも、生活の9割が仕事の私は、インストラクターの自分が自分の9割を占めていることに、どこか違和感を感じ始めていたのかもしれない。
マスクを外した自分の姿がなんだか物足りない。マスクで隠していた薄化粧だけの問題ではなくて。
そんな時、ふと耳にしたロックバンドの音楽。
音楽やお洒落が大好きだった10代20代の頃の青い自分が蘇った。
あの時、純真な気持ちで好きだったもの、自分の意思で好んで選んでいたもの。。。
今の自分、インストラクターだからって、選んでいるものばかりじゃないかい…?
本来の自分を取り戻すはずのヨガやピラティスで、私は本来の自分を失いつつあったのかも…。
なんてことを思い、眠っていたアクセサリーを漁り、へそピアスこそ眠ったままにさせておいたが、身に付けて、化粧を少しだけ濃いめにして、大好きな古着を着た。
心が躍った。
母からもらった金のネックレスが綺麗だと、たくさんの人が褒めてくれた。
そのシャツ可愛いねと、たくさんの人が褒めてくれた。
赤く塗った口紅が似合うねと、たくさんの人が褒めてくれた。
心が躍った。
食生活や健康への意識は、もうこの歳なのでそこまで元には戻らない(とはいえ、コンビニ、カップ麺、スナック菓子は好きですし、そこまで気は元々使ってない)けど、失いかけてた何かを、また手に入れたような気分になった。
生活のほとんどを占める仕事がもたらす環境、歳を重ねて価値観が変わり大人になってく自分、SNSなどで情報が様々な溢れているこの時代、ちゃんと自分の好きなこと、好きなもの、好きな人、好きな場所をしっかりと本当しっかりと選択してかないと、見えてたはずのものが見えなくなったり、それにすら気付かないことがある。
でも、ま、総じて言うと、ヨガやピラティスのおかげで本来の自分を取り戻したのかも。
そんなことに気付けた2023年梅雨明け目前。
心はとってもすっきりしているけれど、残念ながら体は気圧の影響をもろに受けてて、毎日どんよりしている。
確実に重ねている年齢だけは、絶対元には戻らない。