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『偽完治』のお墨付き

1日に炭水化物160〜200g

私は糖質を計算する事はないのだが、1日に炭水化物を160〜200g超える位、しっかり摂っている。
炭水化物とは「糖質+食物繊維」
なので糖質と食物繊維を1日200g前後食べているという事だ。(1日1510kcal を健康アプリで設定。その辺りを毎日食べている)

2、3年前だろうか。テレビや雑誌、本、ネットに急速に広がった糖質制限。その言葉を検索すると、実行した人がどの様になったかレポートされているので、とても興味深い。
糖尿病患者の集まりでは、高血糖になるのを恐れるばかりに糖質制限を始めて、身体の不調に陥る人がとても多くて驚くばかりだ。
あまつさえ、「完治した」と表明する者が居たりする。
それは HbA1c や随時血糖値が正常値になった血液検査の結果をもって医師から告げられたのだろう。
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糖尿病の流れ

1)HbA1c(最近1〜2ヶ月の平均血糖値の様な項目)と随時血糖値(常に変動するので採血時に食後何時間なのか記録)の異常値。

2)HbA1c、血糖値から糖尿病と診断される。
正常値より数値が上だけど糖尿病までには至らない範囲の人は、境界型糖尿病(糖尿病予備軍)と呼ばれる。糖尿病なりかけの人は、適切な食事と運動で健康に戻れる場合がある。(逆もしかり)

3)行動を起こす。

4)血液検査、HbA1c、随時血糖値が正常値。

5)医師が完治したと糖尿病患者に告げる。

この過程の「行動」を間違うと、内臓を傷める事になる。もちろん糖尿病は悪化する。

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「間違った行動」とは?

人間の身体に食事で取り込まれた食物(栄養素)は、色んな物質を介して処理され体に使われる。
逆に身体で役目を果たした物は色んな物質を介して処理されて体外に排出される。分解されて肝臓で処理されたり、腎臓で濾過されて尿になったり、汗、大便になっていらなくなった老廃物は『適切に』処理される。

だが極端な糖質制限、タンパク質摂取、脂質の過剰摂取は、健康な人が当たり前にしているそれらの処理が出来ない。大きくバランスを欠いた食事では栄養素を身体に使うにも、また排出するにも、使われる色々な必要な物質が欠乏していて、正常には機能しない。
また、大量の脂肪が内臓に行き着くと内臓脂肪になり、その機能を下げて体調を崩す。

それを正さないと糖尿病に関する機能は改善しない。

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糖尿病患者を作り出す悲しいムーブメント

そして2型糖尿病患者になって、この病気を調べ始めて1番私が悲しかった事は…
元々健康だった人がダイエット目的で糖質制限を始めて『糖尿病』になったケースを散見した事。

教育入院で見た合併症のビデオ、それは真剣に病気と向き合わないと『失明』『人工透析』『下肢切断』するのだそ!と脳内に深く刻まれた。
体質、生活習慣、妊娠、薬剤、あるいは不明、様々な理由で糖尿病になる。
糖尿病患者になった私でも合併症…その怖さに心暗くなる。
なのにその状態に『健康な人』が陥るというのが、とても悲しくて酷いと思う。

センセーショナルなダイエット方法を煽ったマスコミに、憤りを感じずにはいられない。

2型糖尿病患者にしても、インスリンの出方あるいは糖分の取り込み方(耐糖能)を改善すれば快方に向かうチャンスはある。(全ての患者が、ではないが)
インスリンを介さない糖分の取り込み方も調べれば説明がある。
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偽完治の作り方

確かにHbA1cと随時血糖値は、糖尿病なのかどうかを察る指標ではある。では逆にどちらも正常値なら完治したのか?

『糖尿病』を理解していない人なら、「完治した!」と言いたくなる状況だよね、これって。

まず、HbA1cや随時血糖値が何故異常値になって糖尿病になったのか、医師と患者双方が理解していないと『偽完治』宣言されてしまう。

耐糖能を悪化させて、より糖尿病が進んだ身体であっても、血液検査にそれが反映されない食生活をしたならどうだろうか?

検査結果はまるで【健康な人の(ような)数値】になる。

『偽完治』はこうして出来上がる。

糖尿病の検査とは、普通の食事を摂って、どのように糖分が処理出来たか『耐糖能』を調べる筈なのに。

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私は殆ど尿糖+になる事がないので『糖尿病』を『糖代謝異常症』と改名して欲しい。
世間の人や患者、そして医療者の誤解が無くなる身も蓋もない良い病名だと思うんだけど。

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近くに糖尿病専門医が居なくて一般内科医に掛かっている人も多くいるだろう。

糖尿病に詳しくない医師にあたる時もあるから、方向性を間違えるのを防ぐ為には、まず自分が糖尿病を知るしかない。糖代謝機能を悪化させたり、間違って完治診断されるのを自衛する為に。

真面目ではあっても、新しい論文、治療を知らない医師も中にはいるだろう。1人も居ないとは誰も言い切れない。

また最近は専門医とオンライン診察出来たりもするから、必要な人には価値のある仕組みだと思う。

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私の状態

2019.09 糖尿病発覚時
HbA1c 13.4 随時血糖値482 指先穿刺617

2019.10 教育入院から退院時
HbA1c 10.5 随時血糖値100

2019.11
HbA1c 7.0 随時血糖値86

2020.01
HbA1c 5.7 随時血糖値96

2020.03
HbA1c 5.5 随時血糖値109
この月の眼底検査で網膜症初期と診断される。
※急激に血糖値を下げると、それが合併症を招く事があるので注意!(ゆっくり改善していくのがベスト)

この後HbA1cは5.7- 5.6 - 5.3 と推移。

2020.12
HbA1c 5.0 空腹血糖値(検診なので絶食)82

検査結果を見るとまるで健康体のようにも思える。
だが糖尿病専門医の主治医に、この2つの糖尿病項目が正常値であっても、特にHbA1cは1〜2ヶ月の平均値的な血糖値であるから、食後の血糖値スパイクを反映していない=急激な血糖の異常髙値(血糖値スパイク)を見逃す危険性を示唆された。
糖尿病に慣れていない医師なら「完治しました」宣言をしてもおかしくはない状況なのに。

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この主治医の指摘を受けて、食後は2時間値しか測っていなかったのを1時間値も併せて計測する様にしてみた。
何を食べて、私の身体は糖を取り込めて(耐糖能)いるのか。
何を食べたら糖分を取り込めずに血糖値140以上(主治医からの指標)になるのか。

普段の食事はもとより、時折冒険的な食事やおやつ、またはご褒美的な機会もある。クリスマスも正月も、病気と自分の身体の兼ね合いで考えながら、それなりに楽しんだ。
そういうイレギュラーな食べ方は、恰好のデータ取得チャンス!
あー、上がった💦と焦ったり落ち込んだりだけで済ますのはもったいないよ!
今の自分の状態を把握していくのに利用すれば、その経験も無駄ではない。(無茶苦茶を続けると、さすがに病気が悪化しますが…)

時には糖分を意識的に摂り、
空腹時
30分後
60分後
90分後
120分後
と、きめ細やかに計測してみた。

私は2型糖尿病でインスリンを利用していない事から、持続してグルコース観察出来るリブレ◯丸センサーは全額自己負担。なのであまり付ける事は出来ない。
けれども、空腹時と食後4回血糖値を計測すると自分の身体のクセが読み取れてくる。

私の場合血液のCペプチドが基準値以上の髙値だったので、インスリンが沢山分泌されているのが分かっている。
残るは取り込む側の改善が課題なのだ。
糖分の1番大きな取り込み先は筋肉なので、筋トレが有効。それと正しい食事。私はDASH食を食べている。

#糖尿病  

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