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ドラフト考察 ヤクルト編

こんにちは、トンコツです。

今回は、過去10年の指名傾向や年齢表をもとにヤクルトスワローズの24年ドラフトの考察を行いと思います。

1.ドラフトの傾向

・指名人数は5、6人程度
・大社投手は六大、東都中心
・ほぼ毎年高卒投手獲得(昨年は育成で指名)
・高卒の投手、内野手、外野手は少なめ(捕手の人数は平均よりも多い)
・大卒捕手の指名なし(支配下)
・育成での独立選手の指名は多い

ヤクルトの指名人数はリーグ平均と比べてもそこまで多くありません。直近3年間の支配下指名はすべて5人であり、二軍の本拠地である戸田が移転するまではこの傾向が続くでしょう。

続いて投手ですが、大卒・社会人の選手は六大、東都出身の選手中心です。これは指名した選手を見ても顕著に出ており、昨年指名した西舘、松本、石原は皆そうですし、ずっとそういった指名をしています。これはよく言われていることですが、神宮のマウンドは他のマウンド少し違い、投げ慣れていない投手は苦戦することからこういった指名をしているのだと考えられます。

そして高卒選手ですが、ほぼ毎年1人以上の指名をしています。昨年は支配下での指名はなかったですが、育成で高橋(登録名:翔聖)を指名しており2014年以外(1位入札は安樂)は毎年高卒投手を指名しています。ただトータルでは12球団平均よりも少なく毎年獲得するが多くても2人といった感じになっています。

一方で野手の方は、捕手を除く野手の高卒指名は平均よりも少なく支配下での大学生捕手の指名は過去10年なし(2022年育成1位:橋本)、育成での独立選手の指名は多い傾向にあります。

2.補強のポイント

 ◎ローテを任せられる先発投手
 ◎チームの顔となる野手
 〇二遊間
 △即戦力の捕手

ヤクルト年齢表

基本的にドラフトで獲得したからと言って、近年は1年目から活躍できる選手はほとんどいません。そのため2,3年先を見越した補強が大切になってくると思います。

まず投手。ここは長年の課題ですね。正直神宮球場を本拠地としているチームが投手力を武器にできるとは到底考えられないのですが、最低でも5回を投げ切るローテと6回3失点できるエースをそろえたいところです。

そしてヤクルトのドラフトの鍵となってくるのが今年が2024年だということです。察しのいい方ならご存じかと思いますが、

2017年村上宗隆→2010年山田哲人→2003年青木宣親→
1996年岩村明憲→1989年古田敦也

と7年周期でチームの顔となる選手が出てきています。青木の引退。近年の山田の不調。村上の海外移籍とこの法則に則れば、今年もそういったチームの核となる選手をドラフトで獲得していくことは大いに考えられます。

そして二遊間。今年長岡の打撃が開花し、タイトル争いを繰り広げるなどシーズンハイの成績を残してショートのレギュラーを掴みました。守備指標がマイナスに転じている点は若干気がかりなところですが、プレーを見ていてもそこまで悪いイメージはなく一時的な下振れと考えれば問題はないでしょう。問題は二塁の方です。山田が年齢の影響からフルシーズンで試合に出続けることが難しくなり、代わりの選手が入ることが多くなったものの打撃でプラスを見込むことが厳しくなっているのが現状です。二軍では北村恵が率を残しており守備も微マイナス程度で守れているため楽しみですが、来年すぐにその穴を埋められるとは言い難く、来年も課題になってくると思います。

あとは捕手です。長年レギュラーとしてチームを支えていた中村も来年35歳を迎え、今季代わりに入ることの多かった松本直も30歳を超えているため、早急ではないにしろ補強は必要なところでしょう。

3.指名のイメージ

ここまでは過去の指名傾向や補強ポイントを見てきましたが、ここからは具体的に実際の指名イメージについて考えていきたいと思います。

【指名イメージ①】
1位 西川史礁(外野手、青山学院大)右右
2位 寺西成騎(投手、日本体育大)右右
3位 増居翔太(投手、トヨタ自動車)左左
4位 石田充冴(投手、北星学園大付)右右
5位 水島滉陽(内野手、NTT西日本)右左

ドラフト1位はやはり西川史礁ではないでしょうか。3月に行われた欧州代表との壮行試合に大学生ながらトップチームに召集され、3安打を放つ活躍を見せるなどスター性は充分。先日から始まったリーグ戦でもホームランを放つなど幸先の良いスタートを切っています。塩見が怪我がちでその穴を西川遥や岩田などが埋めていますが、どうしても打力は落ちてしまうところなので、やはり入札は神宮球場を主戦場としている西川史礁しかいないでしょう。

西川史礁

2位3位は即戦力投手(名目上)。過去10年で上位3位までに投手を2人以上指名した年は9回(2022年は吉村、西村、澤井)であり、大学時代神宮で投げていた増居と、寺西は神宮大会で登板していたため過去の傾向と一致しています。増居は慶大出身で年代を問わず左腕はほぼ毎年指名しているためチェックはしているでしょうし、寺西は星稜出身で1学年上が奥川、同期に内山がいるため指名は十分考えられます。

寺西成騎

今年の市場は高身長の高卒右腕が多く、誰を指名するのか予想するのが非常に難しいです。その中で高卒投手枠は北星学園大付の石田充冴(じゅうざ)。名前の由来は北斗の拳のキャラクター「ジュウザ」からで、夏の大会前に怪我をしてしまい不本意な結果に終わってしまいましたが、その後のサマーキャンプで好投。ヤクルトは長身右腕を好む傾向があり、石田は身長が191cmと非常に高いため注目しているでしょう。

課題の二遊間はNTT西日本の水島。大学時代からリーグ戦で三冠を獲得するほど打撃が長所の選手でしたが、NTT西日本に入社後は1年目からセカンドのレギュラーとしてプレーし、昨年巨人から指名された泉口の後を引き継ぎ、今年からNTT西日本のショートのレギュラーになりました。打撃はやはり魅力的ですし守備走塁も一定レベル以上あると思います。1年目から一軍の舞台で一定のプレイ時間はもらえるでしょう。

【指名イメージ②】
1位 西川史礁(外野手、青山学院大)右右
外れ 佐々木泰(内野手、青山学院大)右右
2位 寺西成騎(投手、日本体育大)右右
3位 野口泰司(捕手、NTT東日本)右右
4位 中島悠貴(投手、茨城トヨペット)左左
5位 石田充冴(投手、北星学園大付)右右
6位 中尾勇介(外野手、東京ガス) 右右

佐々木泰

次は1位を外したパターン。投打にバランスの取れたチョイスで考えてみました。外れ1位の佐々木は来年即一軍という訳にはいかないでしょうが、パワーはピカイチ。コンタクト面に課題を残していますが、村上の後釜として期待したい選手です。

そして先程の選手たちに加え、社会人捕手を追加。野口は名城大時代から注目されていたものの惜しくも指名漏れ。大学社会人の捕手は近年厳しい評価ですが、編成が捕手を補強ポイントに入れていれば指名されることは十分にあり得ると思います。

大学、社会人中心の指名にはなりますが、中島や中尾などポテンシャルの高い選手ばかりですので、獲得できれば来年はAクラス争い、3年後にはリーグ優勝も狙える選手層になっているでしょう。

【指名イメージ③】
1位 石塚裕惺(内野手、花咲徳栄)右右
2位 清水大暉(投手、前橋商)右右
3位 竹内翔汰(外野手、立命館大)右左
4位 昆野太晴(投手、白鴎大足利)右右
5位 藤井優矢(投手、東日本国際大)右右

3つ目は全くの別パターン。

今季のファームの二遊間は基本的に伊藤と小森が守り、来年以降を考えると少々寂しいところです。そこで高校生の中でも評価が非常に高い石塚を獲得し、ファームの選手層を厚くし長期的な視点を持ちつつ、投手も高校生2人と大学生でファームを強化することを目的としたポイントで考えてみました。さすがにここまで振り切ったことはしないと思いますが、長い目で見た時にこういった指名も良いのではないでしょうか。

藤井優矢

4.まとめ

いかがだったでしょうか。ここ最近は年によってチーム状況が大きく変わりなかなか安定してAクラス入りすることが出来ていない状況ですが、今年は長岡のレギュラー定着や澤井のプロ初ホームランなど若手は確実に出てきているといった印象です。投手陣は昨年獲得した西舘はTJになってしまいましたが、パワーアップして帰ってきてほしいところですし、2年目の吉村がチームのエースとして奮闘しています。怪我人が多く、ドラフトだけではどうしようもないのが現状ですが、チームがそろった時の破壊力は12球団1だと思っているので、怪我には気を付けて来年も頑張ってほしいですね。

*写真はすべて筆者撮影

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