五輪直前の水際対策が結構すごかった話
つい先日、サンフランシスコへの出張から帰国した際に、五輪直前の水際対策を身を持って知ることになったため、今後入国される方、あるいは海外からの入国の水際対策を気にかけている方のために記録しておこうと思います。
1.着陸してもすぐには降りられない
無事に10時間半のフライトを終えたと思っても、着陸後すぐには降機できません。まずは国際線の乗り継ぎを行う乗客から順番に降りていき、日本が最終目的地になる乗客は最後となります。
2.降機後、人数確認が行われる
飛行機から降りると、ソーシャルディスタンスを保つ形で、乗客名簿を見ながら人数確認が行われます。乗客数が合っているかを何度か確認した後、誘導に従ってPCR検査場へと向かいます。
3.PCR検査を待つ間、書類の確認
PCR検査は同時に実施できる数が限られているため、写真のように椅子に座って待つことになります。この間、一人ひとり、誓約書の記載内容や陰性証明書(出発前72時間以内)の確認が行われます。
120人くらいの列が最終的に昇華されたのが30〜40分後。実はこのあたりからもう時差ボケも辛くて、結構フラフラでした。あと米軍関係者の方が近くにいたのですが、別の手続が案内されていて新鮮でした。
4.PCR検査の前に誓約書と証明書の確認
PCR検査を行う前に、正式に誓約書と陰性証明書を提出します。そして、30分以内に飲食をしていないかを確認されます(もし飲食をしていたら唾液ではなく、鼻の奥をグリグリされる鼻咽頭検査になります)。
ちなみに、オフィシャルな情報がそれほどないのですが、陰性証明書は電子データのPDFで問題ありませんでした。僕はiPadで提示しました。ただし、待機中にこのデータを厚労省の指定のメールアドレスに送付するように求められます。
5.PCR検査
PCR検査は、基本的に唾液です。簡単な仕切りのある個別のブースの中で、梅干しやレモンを見ながら一定量の唾液を採取します。ちなみに、口の広いロートを上に乗せる形式は初めてだったのですが、空気がうまく入っておらず、いつまでたっても唾液が下に落ちなかったので、とんでもない量の唾液を出してしまいました(ロートを傾けて空気を入れたらドバっと下に落ちた)。
6.PCR検査の結果待機中に自主隔離期間の滞在先等の確認
PCR検査の結果を待つ間、自主隔離期間にどこに滞在するのか、そこまでどのような交通手段で帰るのか(公共交通機関は禁止)を、かなり細かく確認されます。誓約書には滞在先の住所や連絡先も記載しますが、そこについてもどういう場所なのかなどを確認されます。
7.政府指定のアプリのインストールや使用方法、設定の確認
(本当にもうフラフラだったので、次に記載する「8.PCR検査の結果受領」とどちらが先立ったか記憶が曖昧ですが…)
政府が指定するアプリがCOCOA以外に2つあり(自主隔離期間中の位置情報報告アプリと厚労省からのビデオチャットを受けるアプリ)、それらのインストールの有無、使用方法、適切な設定などが1対1で確認されます。漏れがないようにチェックリストがあり、一つずつレ点を入れていくため、絶対に逃れようがありません。さらに、厚労省が連絡を入れるためのメールアドレスも一文字ずつ確認されて、テストメールの送信もその場で行われます。
ここまで細かく確認することも去ることながら、多国籍の多言語話者が多数いらっしゃり、どの外国人の方にも丁寧に対応していたのが大変感動的でした。
これらの確認が終わると、PCR検査の結果を待つための座席を割り当てられます。
8.PCR検査の結果受領
だいたいここからさらにに30〜45分くらい待つと、自分に割り当てられた番号が呼ばれ、PCR検査の結果を受領します。確かこの際に、厚労省へ事前に提出していた質問票のQRコードを提示しました。
無事に陰性でしたので、あとは入国管理局、税関を抜けて試合終了となりました。飛行機着陸後から3.5時間後に解放されました。
これから日本に入国される方は、ぜひ事前に厚労省指定のアプリをインストールし、質問票に答えておくことをおすすめします(詳しくはこちら)。僕自身はこれをしていたおかげで30分くらいは時間を短縮できたと思います。
東京オリンピック直前ということもあって、かなり丁寧に細かく様々な手続が進められていました。正直、アメリカ入国の際の簡易さに比べると、面倒くささも全然違いますが、水際対策に信頼感が生まれたことも事実です。滞在先に着くとすぐに倒れるように寝てしまいましたが、とにかく無事に帰国できて幸いでした。
なお、ここから自主隔離期間は、一日に数回、アプリ経由で厚労省に位置情報を共有し、また数日に1回程度厚労省の担当者とビデオチャットを行うことで、帰国者本人が自主隔離を行っていることを証明し続ける必要があります。すごいなー
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