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海外で初めてのバイト
ダブリンについて2週間、学校での生活に少し慣れたころ、アイルランドに住む日本人の情報交流のライングループで求人募集のお知らせがありました。それはこれから新規オープンする予定の日本食レストランでのスタッフ募集でした。「ダメ元で応募してみようか?」と友達と早速連絡をすることにしました。すっかり日本語脳に戻ってしまっていたので、3か月くらいは学校の勉強を専念しようと思ったのですが、バイト先がすぐに決まることはおそらくないだろうと予測してとりあえず応募を。
ダブリンのバイト事情
ダブリンにはたくさんの日本食レストランがあります。それはどこも中国人オーナーのなんちゃって日本食レストランです。たくさんの中国人と各国のアジア人(日本人も含む)が働いています。日本人がオーナーの日本食レストランはいまのところ見たことがありません。だから、ラーメンにブロッコリーや椎茸が入っていたり、豆腐やトマト、照り焼きも入っています…。
ラーメンはチキンラーメン(日清のチキンラーメンではない。鳥白湯だと思おう)、ポークラーメン(豚骨ラーメンってことかな?)、ビーフラーメン(これはよくわからない)、シーフードラーメン(塩ラーメンっぽい)という感じです。それでもラーメンは大人気。前に、うどんというメニューがあったので頼んだら、焼きそば風なものが出てきたことがあります。それでもジャパニーズレストランというだけでどこの店も人気があり、値段が高くても繁盛しています。日本人からすると突っ込みどころ満載のメニューばかりですが、これぞ海外のジャパニーズレストランって感じです。正しい日本食と言えるのは1割くらいかな。
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そして日本人はそんな日本食レストランで働くのですが、これがまたなかなか仕事が決まらないのです。特に学生は働ける時間に制限があるし、私のように英語が下手くそな人はトライアルで不採用になったりしています。だから日本人というだけで即採用といくほど世の中そんなに甘くはないのです。
CV(履歴書)を持っていく
そんな中、ラッキーなことに、連絡をしたらすぐ面接(インタビュー)に来てくださいと連絡がありました。他の日本人はいろんな日本食レストランに飛び込んで、履歴書を配り歩いています。30枚・40枚配っている人もたくさんいます。それでも返事が来るのはごく一部。そんな中、運よく私はたった2つ目のレストランで面接にこぎつけることができました。
面接の日、やっぱり待っていたのは中国人オーナー。しかも若そう。おそらく30代半ば。どのくらい働けるのか、どの仕事がしたいのか聞かれました。そして私は日本にいるときにラーメン屋さんを立ち上げたことがある!という話をしました。そこで立ち上げるためにどんなことをしたのかをカタコトの英語で必死に伝えました。するとオーナーから「I will hire you!君を雇う!明日から来てくれ!」とその場で採用が決まり、オープン前から働くことになりました。
いきなりの採用
まさか日本で担々麺屋さんを作ったキャリアがいとも簡単にうまくいくと思いませんでした。これは超ラッキー。完璧にタイミングがよかったなーと思います。
あとで思ったのですが、私以外に採用になっていた人は私より数分前に連絡をしたワーホリ男子。私のあとに応募してた日本人はどんなキャリアがあるかわからないけど、みんな不採用になってました。要は早いもの順だということです。だから能力も必要かもしれないけど、それよりも大事なのはタイミング(運!)、求人を見つけたらとにかく早く応募することが大切なんだなと思いました。
アイルランドで中国人と働く
これまで中国人と会うことはあまりありませんでした。世界中にいるといわれている中国人もコロナ禍の語学学校では全く見かけませんでした。唯一、語学学校で一人だけ見たのは、上海出身の超金持ちマダムだけでした。その人は中国に会社を4つ持っているらしく「私は十分な金を持っている、わははははー」「あなたはラクダを持っているか?私はラクダは高いからもっていないけど白馬を3頭持っている。なぜなら白馬は美しい」という中国アクセントが強い上に、強烈なキャラクターの人でした。私の中国人のイメージはそんな感じ。
そんな中国人が日本食レストランの裏方に行くと、わんさかいるのです。日本食レストランには日本語は聞こえず中国語ばかりが飛び交っています。さっぱり何を言っているのかわかりませんが、こうして、今まで出会ってこなかった中国人とたくさん過ごすようになりました。
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とはいえ、私が行った頃はもうすでに9割は出来上がっていて、私が立ち上げ経験者とはいえ、役に立てたことは大してありませんでした。1週間ほど開店のサポートをして、無事オープン。開店してからはウエイトレスをすることになりました。
思ったのは、やはり中国人オーナーはお金を持っていますね。コストは大事だと言いながらも、ビールを含むドリンクはじゃんじゃんくれる(許可はいるけど)。賄いもチップも弾む。私は働き始めてから賄いを食べるようになったので、自炊の数が一気に減りました。日本の飲食店で働くのとはなんだか感覚が全然違うような気がします。
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ここはアイルランド?日本?中国?
私の職場のレストランは中国人10人位、メキシコ人1人、日本人(助っ人2人を含む)8人と、珍しく日本人の多い職場です。ここまで日本人が多いお店はなかなかありません。だから日本人のお客さんがたくさん来てくれます(と言っても3割くらい)。思わずここがダブリンだというのを忘れてしまいそうになる時もあります。
基本、仕事は英語だけど、たくさんの日本語と中国語が飛び交っています。私が知っていた中国語は「ニーハオ」と「シェイシェイ」だけでしたが、「ハオチー(おいしい)」と「カンペー(乾杯)」「シンクーニー(お疲れ様)」「ミンバイラ(わかりました)」「バイトーラー(お願いします)」,「ワイニー(ハンサム)」を教えてもらいました。私はこれからどんどん中国語をたくさん覚えていくことになりそうです。