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ダブリンの救急病院の待合室


珍患者がたくさん

18時間も同じ場所にいたので、おかげでいろんな人を見ることができました。
体調には波があり、出産のときみたいに、あ、今は少しラク、今はしんどい、そんな感じでした。
それと、久しぶりのシャバの空気に私はひそかに喜んでいました(4日間引きこもっていたから)
そのおかげか、呼吸できなくなるほどしんどくはなかったのです。

最初に驚いたのは、入り口を入ってすぐの通路(私の座っていたシートの後ろ)で男性がいきなり倒れたのです。
ばたーん!!!と大きな音がして、
そして(テレビで死んだ瞬間をみるのと同じ感覚で)…カクッって感じで動かなくなったのです。

!!!!!ええええええええ!!!ヽ(゚Д ゚;)ノ

私はびっくりして、「え、死んじゃったの?ここ救急だし」と思って駆け寄ろうとしましたが、他の人は動きません。え!?どうして?って思った瞬間、酒臭いにおいが。
あ、そっちか。と思ったら、屈強なガードマンとナースが駆け寄ってきてなんか話しかけます。
日本で想像する「大丈夫ですか?どうしましたか?」なんて感じじゃありません。
「立ちなさい。立てるんでしょ。まずあの受付で登録しなさい!」
そんな感じです。
ええええええ!!強いなー!
そのあとなんやかんやと口論が始まりました。
すると、さらに別の屈強なガードマンもやってきました。
いつ男が暴れ出しても大丈夫です。

男は大声を出し(リアルFuck you‼ Fucking‼を聞いた)
結局男は歩いて自分で外に出て行きました。
(ああ、大丈夫ですか?って駆け寄らなくてよかった)
というような大声をあげ、ガードマンと言い争っている男性と
その後、3人遭遇しました。すごいぞアイルランド😅。

次に見たのは囚人です。もちろんリアルな世界の囚人です。
おでこに大きな冷えピタみたいなものを付けた男の両腕は手錠で繋がれ
大きなチェーンで両隣の警察官と繋がれていました。

「えええ!!囚人?まぁでもそりゃ風邪くらい引くよね……ってかここで一緒に並ぶんだ!!!」って感じです。
私は日本で日本人の囚人を見たことありません。
ちなみにそのアイルランドの囚人はスウェット姿でとても寒そうでしたが、
私同様、ずっと数十時間待っていました。両サイドの警官は途中で入れ替わったりしているのか全然知りませんが、これまた大変な仕事だなーと思いながら見てました。

その次は大声をあげていた車いすの若者です。
威嚇してみたもののガードマンに歯が立たなかったのか、
気づいたら今度は座っていたギャルをナンパしだしたのです。(※注:ここは病院です)
また数時間が経っていたころ、ふと見ると
まさかのカップル成立!!!
2人でラブラブイチャイチャ。(※注:ここは待合室です)
車いす君、ご満悦です。

とまぁアイルランドの病院の救急待合室、すごいです。

私はというと、いろいろな人と話しました。
ジェントルマン、優しいマダム、オペラ音楽の先生などなど。
学校以上に勉強になります。
だってみんなネイティブですから。
しかも私はたった一人の英語しゃべれない外国人。
みんな暇。
おしゃべりしたりもしたし、聞き耳たててリスニングの勉強にもなりました。

待ってる間の食事

ですが、いつ呼ばれるかさっぱりわからないのでご飯も食べていません。
世間話をしていたマダムにその話をすると、
「もし、あなたの名前がもし呼ばれたら私があのスタッフに話すから
今のうちに行っておいで」と言ってくれたのです。
私はお礼をいって、カフェか売店を探すことにしました。
そばにいた人に「ここで一番近くで何か食べれるものを売っているところはどこですか?」と尋ねると、「こーいって、あーいって、そーいったところにマクドナルドがあるよ」

なんでマクドナルドやねん!!

「あのー、私、今、高熱がある病人なんですけどー(笑)」
と言って、2人で大爆笑!これがアイルランドのいいところ!
コンビニみたいなところに行って無事に軽い食事を終え、また待ち続けます。

このコンビニでフルーツ買ったらくそまずかった

18時間待って、ついに診察室へ

そして、最後はというと無事に自分の名前が呼ばれたわけではありません。
たびたび、みんな自分はいつ呼ばれるのかスタッフに聞いています。
「まだです」という回答しかないのですが。
私は今日の午前2時から10時間待っているというと、
さっきドクターのところに行けた人は、昨日の夕方5時から待っている人だとか言われてしまうのです。
本当におそろしいほど待たされる。
でもこれがダブリンでは当たり前なのです。
私も「今呼ばれた人は何時から待っている人ですか?」と何度も聞きに行って確認しました。
その中で「私の友人はとても体調がものすごく悪いから先にいれてほしい」と交渉をして入れてもらっている人をたびたび見かけました。
そういう人がいる分、こちらの待ち時間は長くなっているのです(たぶんね)

熱のせいか、待ち時間が長すぎるせいか、もうわかりません。
いつになったらドクターに会えるんだよー!って感じです。
私は午前2時間からかれこれ18時間も待っているというのを必死で伝えているときにもう立っていられなくなり、私はダウン。
ナースに支えられながら、ついに待合室から診察室に入ることができたのです。
そのときはもう必死に説明をしているから、
ウワンウワン泣きながらのボロボロ状態でした。

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