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いつかヤングカンヌを獲る、まだ営業の君へ

2014年に広告代理店に入社した。

配属は営業。話が違うと思った。

若い営業なんて、ボロ雑巾にも等しい。個人の尊厳など、社内はもちろん、社外からだって尊重にされない存在。そんなイメージを持っていたから。

まあ流石にそこまでヒドくはなかったけど(いやヒドいこともたくさんあったけど)、100本以上のHDCAMを整理したり、掲載紙にひたすらしおりを挟んだり、地方の店舗に行き什器を回収したり。若手ゆえの業務は、自分への投資の時間を着実に蝕まれる。

クライアントのことが好きになるほど、もっと細かいところまで、もっと時間をかけて、もっと驚いて喜んでもらえるように、仕事を頑張りたくなってしまう。そんな営業という性と、自身のクリエイティビティ成長の両立は、能率の悪い僕にはとても難しかった。

それでも、ヤングカンヌに6年間ずっと挑戦をつづけた。そしてまだ国内だけどゴールドを獲れた。多分な運と、いろんな方の協力と、自分なりの経験則をもとにして。

このnoteは、希望の部署に配属されず、クリエイティブやプランニングに関われないことに苛つきながら、苦しみながら、もがきつづける、若い営業の君が、いつかヤングカンヌを獲る日のために書く。


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『いやヤングカンヌってなんだよ』と思ってたらほんとに申し訳ない。

たぶん一言であらわすと世界大会への出場権をかけたアイデアコンペティション。詳しくはサイトを見たほうが早い。

ヤングカンヌ日本予選を勝つと、フランスのカンヌで行われるヤングカンヌ本戦に出場できるわけだ。そして世界中のクリエイターやプランナーと戦える機会を得る、日の丸を背負って。

これはアガる。そして日本代表という肩書きは、1年間だけ使える、最高の名刺になる(と、とある元日本代表の方から教わった)。つまり獲れば官軍だ

しかしながら、この国内予選が難関である。なんと言っても参加者数が多い、しかも電通や博報堂のような、選ばれし会社の選ばれしクリエイティブやプランナーがワラワラ出てきやがる。せめて各社から代表ペアだけが参加ならまだしも、無制限に出てくるせいで、例年ヤングカンヌの上位は電通と博報堂が席巻している。(そもそも広告代理店は上の会社ほど人数が多い)

さらに英語が必須とされ、どの部門も最低限の資料制作能力が求められる。この最低限というのがまったく最低限ではなく、100組以上の企画書を見比べたときに「なんか汚くて見たくない」と思われない程度のビジュアルの綺麗さが必要となる。つまりadobeのIllustlatorやPhotoshopが多少いじれなければ厳しい。

『いや企画の中身じゃなくてガワかよ』と思うかもしれない。でも、正しくはガワも企画の一部なのだ。審査員をやると分かるが、どんなにやる気をもって見ても、人なので疲れる。そして疲れた人の脳に、汚い情報は入らない。営業がつくるようなパワポレベルの資料でファイナリストに残れても、ゴールドを獲ったことはこの6年間で一度もない。ヤングカンヌオタクの僕が保証する。

ということで僕の考えるヤングカンヌゴールド(国内)を獲る確率が上がる条件はこの7つだ。

①英語力に優れている(ペアの片方でいい)

②シンプルな企画書&アイデアを1枚絵で伝えられるだけの制作能力を持つ (ペアの片方でいい)

③カンヌ事例(オトナ&ヤング)に精通している(ペアの両方とも)

④CSRとCSV(Creating Shared Value)に理解がある(ペアの片方でいい)

⑤定期的にアイデアコンペに挑戦する機会を持っている(ペアの両方とも)

⑥ヤングカンヌを獲った人からフィードバックをもらえる

⑦最高のペアを見つけている

今夜もクライアントの接待や、CM素材の割付進行で忙しい君は、もうここまでだけでいい。読んでくれてありがとう、明日も仕事を頑張ってください。身体には気をつけて。

クライアントからの戻し待ちで時間を持て余しているならぜひこのまま読み進めてほしい。それぞれの条件について、だらだらと紐解かせてもらう。


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言わずもがなだけど、ヤングカンヌ本戦では英語でオリエンがあり、英語でプレゼンをする。そのため国内予選も英語でブリーフが配信され、英語で資料を作成&提出、最終審査(二次審査)も英語でプレゼンとなる。

余談だが、この6年で大きく変わったこととして

・ブリーフが部門別から、全部門共通になった(これはびっくりした)

・予選期間が部門別に土日2日間実施から、全部門同時9日間実施になった

・メディア部門が『英語オリエン、日本語資料、日本語プレゼン』から『英語オリエン、英語資料、英語プレゼン(ただし質疑応答は日本語)』になった

といったことがあった。全部門同時実施は、センター試験のような感じがして面白いし、他部門の人とも会話が弾むので良いと思う。

余談はさておき、とにかく英語が必要だ。とくに『企画を表す英語キャッチコピーづくり』『プレゼンにおける原稿づくり』において、高い英語力が求められる。

この高い英語力とはペラペラであるだけでは足りない。企画書においては少ない文字数かつ簡単な英単語で説明できる力。プレゼンにおいては喋りやすく聞き取りやすい英語フレーズ選びができる力を必要とする。審査員もネイティブレベルとは限らないからだ。

僕は英語ができない(TOEIC550点)。しかし相方が上記の通りの高い英語力を持っていてくれたおかげで、僕でも理解できる英語選びで企画書を翻訳してくれ、プレゼン原稿は僕でも覚えられるレベルの言い回しを考えてくれた。

英語が苦手な人は呪文を覚えるがごとく英文を暗記することになる。これはとてもリスキーで、1ワード飛ぶとそのあと全てが記憶から抜け落ちる。けっして脅しではなく、僕の実体験だ。別部門の最終審査で、僕は開始早々セリフがとび、人生で最高の静寂を10秒ほど手に入れたことがあった。立派な放送事故だった。僕と同じ轍を踏まないために、『プレゼンスクリプトは簡単な英語で構成する』『なるべく相方と交互で喋るように構成する』この2つはぜひ参考にしてほしい。


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僕がもっとも苦労したのがここだった。

なにせ僕と相方はどちらも私立文系を卒業して営業として入社しており、制作能力なんてカケラも持ち合わせていない。上述の通り相方は英語力が入社時から高かったので、制作担当のお鉢はとうぜん僕に回ってきた。

とりあえずIllustratorとPhotoshopを触れるようになろうと、これらの本で勉強を始めた。

この二冊、買って損はない。なぜならツールでなにができるかではなく、やりたいことをツールでどう叶えるかという、逆引きシステムの本だから。つまりGoogleで「Photoshop 切り抜き 綺麗に」とググった結果と同じようなことが書かれている。

しかしながらヤングカンヌに挑戦を始めた頃はアイデアが伝わるデザインすら分からなかった。いくらIllustratorやPhotoshopを弄れても、これでは意味がない。

そこでとても参考になるのが、

・海外広告賞のエントリーシート

・ヤングロータスワークショップの一次審査発表会

の2つだ。

海外広告賞のエントリーシートは、Pinterestなどで「Concept board」で調べると大量に見られる。

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これらは宝の山と言って差し支えない。だってガチで受賞した有名な企画たちがごろごろと転がっているから。

どれも傾向は同じで、企画タイトルドーンっ!アイデアがもっとも伝わる一枚絵ドーンっ!細かい説明ちまちま〜という3つのパートで構成されている

これさえ作れるようになれば、デジタル部門はこのフォーマットのまま提出できるし、メディア部門とPR部門は『細かい説明ちまちま〜』の部分を、スライドに分解すれば提出できる。 ※先に言っておくべきだったが僕はフィルム、デザイン、プリントは出したことがないのでそちらの参考にはならない、申し訳ない

そしてヤングロータスも同じくこの一枚絵提出形式なので、ヤングカンヌデジタル部門同様、そのまま提出が可能となる。ヤングロータスはアドフェストというタイで行われる広告祭への出場者を決めるU30のアイデアコンペティションで、毎年盛大な一次審査結果発表会が催される。

話は脱線するが、4年前くらいまでは、ADKの入っている虎ノ門ヒルズのフォーラム会場で、タイ料理食べ放題&ビール飲み放題(シンハーではなく国内ビールだったのはADKの忖度だろう)という神イベントだったが、近年は軽食とお酒だけになってしまった。

しかし100組くらいの若手たちと、広告の重鎮たちが出揃い、固唾を飲んでファイナリストが発表される瞬間を迎えるのは、なかなか痺れる体験だ。競合代理店に行った同期と再会し和気藹々としたのも束の間、その同期がファイナリストに残っていたりしようものなら、別れの挨拶もせずに会場を立ち去ることになる。ちなみにヤングロータスはファイナリストが壇上に登り、ファナリストの証となる丸い板と副賞をもらって、写真撮影をする(ヤングカンヌはなにもない)。この写真はアドタイに載ったりして手元に届いてくる。つまり二度も嫉妬に身を焦がす機会がやってくる

話を戻して、このヤングロータスでは全参加者の提出スライドが張り出される。これも宝の山と言って差し支えない。なぜなら『良いスライド』と『悪いスライド』が一目で分かる玉石混合のスライド祭りだからだ。

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実際こんな感じ。(ぼかしてないのは僕が出したやつ、見た目はクソだがアイデアには自信があった。もちろんかすりもしていない)

大概参加したばかりのころは、自分のスライドが『悪いスライド』だと一目でわかる。絵は荒いし、あきらかに文字数が多い。一方でファイナリストに選ばれるようなスライドは、100枚以上見渡した後でも記憶に残る。あと英語が苦手な僕が読んでも分かるような、文字に依存せず企画を伝えられているスライドだったりする。

企画をつたえるとき、なにを一枚絵にしたほうが企画意図が伝わるのかの取捨選択をここで学ぶことができる。プロダクトを前面に押し出した方がいいのか、参加者の様子を切り取った方がいいのか、そのキャンペーンを視聴している様子がいいのか。たくさんの情報を盗める場だと言えるだろう。

アートディレクターやデザイナーと組めているなら、制作能力に関する心配は無視してくれていい。しかし僕のように英語力も制作能力もない人だってたくさんいるはずだ。ヤングカンヌに挑戦するとなるとそのどちらかは研鑽を積むしかない。どちらをとるかは君次第だが、せっかく広告業界に来たのなら、制作能力を高める選択をするのも一手だと思う。(営業でもIllsutratorを使うことはよくあるしね)

まとめると、高すぎる最低限の制作能力のハードルは、アートディレクターかデザイナーと組んで解決してしまおう。もしも自分がイチから身につけなければいけないなら、まずは良い企画書・スライドをたくさん見て勉強し、つくりたいデザインが決まってからadobeの習得に取りかかるといい。


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インプットを頑張ろう。天賦の才がある人なら話は別だが、良い企画は幅広いインプット無しには生まれない……という話は擦られに擦られまくってるので、ぜひ身近なCDにでも聞いてほしい。

僕から話すのはインプット手法に留めたいと思う。

⑴海外広告賞の事例をクリッピングしよう

たとえばオトナカンヌ(この記事では便宜上そう呼ぶ)の結果をグランプリからショートリストまで眺めたとして『なんかこの事例イケてるわ〜、保存』だけでは意味がない。谷山雅計さんの著書の受け売りだが『なんかイイ』は禁止しよう

僕の場合は企画の手法ごとに振り分けるようにしている。これはYuhi Suzukiさんの『アイデアの補助線』という考え方を丸パクリさせていただいた。

Suzukiさんは2016年のヤングカンヌのメディア部門でゴールドを取られたスーパープランナーだ。面識のない僕がヤングカンヌのフィードバックをお願いしたとき快諾してくださったナイスガイでもある。そしてそのときの御礼をし忘れていたことにいま気づいた。(ほんとうに申し訳ございません)

世の中にある良い企画には、共通項を見いだすことできる。たとえばこの3つ。

一番上から

子供が司令塔となって大人が知らない大人と仲良くなる方法を教えてくれるメントスのキャンペーン

喫煙所で子供に「タバコの火をくれ」と言わせ健康被害を説く大人に「自分はどうなん?」と言わせるタイの禁煙キャンペーン

子供のお手伝いに対するお小遣い金額に男女で差をつけ「こんなのダメだよ」と子供の口から言わせる男女平等キャンペーン

共通しているのは「伝えたいことを子供を通して教え諭す」という手法であること。

子供は絶対的に善なる存在。だからこそ説教するときの語り手や媒体として抜群の効果を発揮する。たとえば過去のヤングカンヌでも、

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上は2014年ヤングカンヌ本戦PR部門でゴールドをとった『人身売買を止めるために赤ちゃんにプライスタグをつけ、裏で自身売買の現状を伝える』企画。下は2016年ヤングカンヌ日本予選でゴールドをとった『女性の職場における不平等を伝えるために女の子が不当な扱いをうけるキッザニアをつくる』という企画だ。

つまり海外広告賞の手法はヤングカンヌにおいても通用する(あたりまえか)。であればインプットの際には、手法をたくさん用意できるようにしたほうがいい。僕はこんな感じでまとめている。

だいたいの広告会社で広告祭派遣者による報告会が実施されていると思うので、そこで知った最新の受賞事例を自分の手法別分類のなかにぶち込めば、自分だけの手法リストが完成する。もちろんAds of the worldやAdgangから引っ張ってきたって良い。大事なのは良いと思ったものを分解し、似たものと分類すること。この手法をたくさん持っていると、業務でもアイデアコンペでも、課題と手法を掛け合わせるだけで企画がいっぱいできて便利だ。

なお分類するときは3つ以上の企画から1つの手法を導き出すほうがいい。統計学では標本数が3つあれば傾向がつかめると言われており、より汎用性の高い形で手法を吸い上げられる。


⑵ヤングカンヌの事例をクリッピングしよう

ヤングカンヌは毎年結果発表後にゴールドからファイナリストまで資料が部門参加者限定で公開される。そして事務局からは保存禁止が言い渡される。

他店の企画書や見積もりを秘密裏に入手したり横流ししている君たちなら悪いことを考えそうだが、ぜひうまくやってほしい。

『あーあ、このくらいなら思いついてたのにな、一応保存』では意味がない。ここでも手法について整理分類をしたほうがいい。なぜならヤングカンヌは実際の広告賞と違いリザルトが評価項目に無い賞だから。

つまりリザルトが期待できそうな企画が評価されやすい。そしてそれは、過去にあった有名な施策と同じ手法を取り入れているものだったりする。結果がどうなるかも想像できない斬新すぎる企画は、逆にヤングコンペでは評価がされづらい。そんなものを思いついてしまったら、さっさと実現させてオトナカンヌに提出してしまおう。

なお、同じ手法をとることと、似た企画をつくることは全く違う話だ。さきほど紹介した3つの子供に関する企画は、同じ手法だがまったく別の企画である。ヤングカンヌやヤングロータスでは過去、ファイナリストに残った企画が、過去に実施されていた企画に似ているという理由で剥奪されていたりする。「審査員が知っている手法をとる」「過去事例に無いような企画(表現)にする」。「両方」やらなくっちゃあならないってのが「ヤングコンペ」のつらいところだな。とブチャラティも言っている。


⑶審査員のことを調べ尽くす

『アイデア勝負じゃないのかよ』と言われそうだが、審査員対策もアイデアの一部だ。過去6年間見てきて、間違いなく審査員の企画の好みというものがあると確信している。

・PR部門は伝える事実の発見性と伝える手法の意外性があるか

・メディア部門はペイドメディア以外のメディア化に新規性があるか

・デジタル部門は選んだモチーフとデジタルからの距離感は遠いか

このあたりが備わっているものがお好みなのかな、と思っている。

デジタルなに言ってんだ?と思われていたら申し訳ないので補足すると「結納」や「盆栽」「お茶出し」など、デジタルと結びつきづらいモチーフを使用して課題解決につないだものがメダリストに多いように感じた。(もちろんデジタルの仕組み的なものでもファイナリストには残れたりする)

裏返すとデジタルはデジタル上で戦おうとすると被りやすい。だから離れたモチーフをつかったほうがたくさんの企画書のなかで埋もれづらい、ということだと思う。

実直に審査員の経歴や記事などを調べるのも、もちろん有効だ。メディア部門の審査員の一人は複数の講演会で「広告にはエンターテイメントが必要」と仰っていた。そんな方がヤングコンペで突然「清く正しい広告を選ぼう」とはならないはずだ。なので僕はなるべくメディア部門では「試合」をモチーフにした企画を出すようにしてきた。2017年のメディア部門では「母親の子育てが無援状態であることを伝えるために無観客試合をする」という企画を出しファイナリストになった。2020年のメディア部門では「女性はゲームチェンジャーになれることを伝えるために、男だらけの将棋盤に女性をモチーフにした『女将駒』をつくる」という企画でゴールドだった。

ふだん審査員が発する言葉から、そこに親和性の高いモチーフを持ち込むようにするというのは、戦略的に有効なだけでなく、企画の幅を増やすという意味でも有効なはずなので、ぜひ分析してみて欲しい。審査員は神ではなく人なので「聴き心地の良い言葉」は「自分がよく使っている言葉」のはずだ。


⑷ペアと好きな広告事例について語り合う

長いようで短い提出までの時間、ペアが自分と同じくらい事例を知っていると、説明の手間が省けまくって非常に効率がいい。「女性の地位向上を目指すために、不平等な状況で戦う女性のモチーフとしてさ、世界で一番男社会なウォールストリートに女の子の銅像おいてさ、話題化はかったのよ。んでみんなその銅像の横で写真撮ってシェアされて拡散した事例があるんだけど、これみたいに…」などと言うよりは「Fearless Girlみたいにさ」で会話が済むほうが圧倒的に効率がいい。

つまりインプットはペアとの共通言語であり企画意図説明のショートカットになる。また、好きな企画を語り合うことで相手の好きな企画傾向も分かる。僕は緻密に計算された心理変容を起こすタイプの企画が好きなのだが、相方はたくさんの人が参加するような行動変容タイプの企画が好きだ。ブレストで僕の企画を見せるたびに「なんかちっちぇんだよな」と言われつづけ、そのたびブチのめしてやりたいと思ったが、その言葉の真意は「人の行動が見えない」ということだと思う。そこに気づけば、企画に対する言葉を選ばない指摘は怒り半減で冷静に聞くことができるようになる。※言葉を選ばず話し合えるペアはとても貴重だ、詳しくは後述する

まとめると(まとめきれないくらいこの章は長いが)、海外広告賞で良いと思った事例を『なぜ面白いと感じたか』を明確にしながらクリッピングをする。その際に似た手法で分類しストックしておく。さらに貯まった手法の中でリザルト無しのヤングコンペに向くものを選定する。審査員や思考や主張を把握し、受け入れられやすい言葉を企画書やプレゼンに入れ込む。相方と好きな広告について語り合い共通言語を多く持っておく。


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ヤングカンヌ日本予選のお題はSDGsにつながるような社会貢献系しか出ない。この6年間で商品広告を作れ、といったお題は出たことがない。(ヤングカンヌ本戦では「とあるアーティストのアルバムを売る」というお題が出たこともある)

出るお題の想定がつくなら、先回りして準備するのが吉だ。かつてヤングカンヌ本戦PR部門でゴールドをとった梅田哲矢さんもそう仰っていた。

僕のこの記事より短く、説得力があるのでぜひ読んで欲しい。

話を戻し、SDGsを企業の成長戦略に取り入れる考え方がCreating Shared Value。通称CSV(=共有価値の創造)だ。

CSVってなに?CSRとなにが違うの?という疑問については、この記事を読めば理解が早い。

簡潔に言うなら、CSRは企業が身銭を切って行う社会貢献CSVは企業の利益(イメージアップ以外)につながる社会貢献だ。

ヤングカンヌに限らずヤングコンペにみんなが提出する企画のほとんどがCSR的企画だと思う。つまり質疑応答において「これ企業と組むって書いてあるけど、企業がやるメリットあるの?」と聞かれることになる設計のものだ。そして苦し紛れにみんなこう回答する「企業イメージのアップに繋がるんです」。これじゃダメだ。

一方でヤングカンヌのメダリストにはCSV的企画が多い。つまり社会貢献が達成されながらターゲット、クライアント(だいたい国連)、タイアップ先のみんなが喜ぶ『三方良し企画』な企画が多い(例外はもちろんある)。

具体的なオトナカンヌ事例で言うと、これがCSV的広告だと思う。

Domino Pizzaが「自社のピザを美味しく運ぶために、地域住民が困っていたデコボコの道を舗装する(ついでにロゴプリントしちゃう)」という企画。(余談だがこの手法はロシアであった『道路にある穴を直してもらうために、穴が政治家の口に見えるよう落書きしたキャンペーン』に似ている)こうした「それなんで企業がやんの?」と聞く余地がない企画こそ、前述したリザルトが見えやすい企画であるとも言える。また、質疑応答はどの部門も5分程度しかないので、どうせなら他のことを会話した方が有意義だ。

大概この企画良い!とピーンと来てしまったときは広告代理店目線での良い企画でしかなかったりする。これはステークホルダーにとって金やメリットになるのか?という視点で、アイデアから実施策を詰めていく過程が必要だ。そしてその視点は営業が一番磨かれているものだと思う。金のことに無頓着で面白いことばかり考えている同世代クリエイターやプランナーたちに足りない、営業的視点を武器にして戦おう。

まとめると、ヤングカンヌ日本予選は社会貢献系しか出ないのでSDGsまわりのことはインプットしておく。そしてSDGsを企業価値に変える方法の参考としてCSVについて勉強しておき『三方良し企画』になっているか、セルフチェックする視点でアイデアから実施策を詰めていこう。


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アイデアコンペでもっとも必要なのは『慣れ』だと思っている。

時間の使い方、企画の表現の仕方、プレゼン。どれをとっても回数をこなし慣れることが質の向上につながる。

大きなヤングコンペ日本予選は年に3回ある。1月頃実施のヤングロータス、2月頃実施のヤングカンヌ、そして8月頃実施のヤングスパイクスだ。

ヤングスパイクスについては初出なので簡単に説明すると、ヤングカンヌのスパイクス版だ。つまり勝てばシンガポールで世界中の若手と戦うことになる。そして何年か前からヤングカンヌ国内予選でシルバー(2位)のペアはヤングスパイクスに派遣されることになった。

デザイン、フィルム、プリント、メディア、デジタル、PRの6部門がヤングカンヌ国内シルバーで埋まっているがゆえに、ヤングスパイクスではインテグレーテッド部門という1部門しか審査されない。大概ヤングカンヌ本戦も終わり、知り合いの活躍が伝え聞こえて悔しさが再燃する時期なので、ヤングスパイクスもヤングロータス、ヤングカンヌ同様大変盛り上がる。ちなみに2015年にゴールドを獲った『First Aid Class』という「応急処置の履修者数を増やすために、飛行機や映画館の良い席に応急処置履修者だけが使えるシートを用意する」という企画は、内容、企画書の出来ともに伝説級の良さなので、ぜひチェックして欲しい。僕もその後のヤングコンペで幾度となく「めっちゃ良い企画できた!と思ったらFirst Aid Classそのまんまやんけクソが!」となったことがあるくらい、脳内影響の強い企画である。

さて、ヤングコンペはその本戦が実施される時期までに30歳以下であれば参加が可能だ(僕が1年目のころはU28までだった)。つまりストレートで就職した、かつ誕生日が6月末日以降であれば、新人から数えて計9回チャレンジができる。ちなみに僕は大学で1年留年しているため、初めから8回しかチャンスがなかった。(もしも4,5月生まれだったらラストチャンスだった!怖すぎる)

1年目から30歳ギリギリまで、ヤングロータス、ヤングカンヌ、ヤングスパイクスをフルで参加していくと、ヤングロータス×9回、ヤングカンヌ×8回、ヤングスパイクス7回の計24回の経験値を持って、最期のヤングカンヌに挑むことになる。※たしか1年目のヤングスパイクスは業務経験が浅い人NGとかで参加ができない

24回の経験値で最後のチャンスに挑むのは心もとない。僕の経験則では50回やれば心臓にうぶ毛くらいは生えてるはずだ。

僕は実戦機会を増やすために、ヤンググローリーという9月から年を越して4月までの8ヶ月間連続で行うアイデアマラソンに、2年目の頃から毎年参加している。お題も社会貢献系が多く、審査員はAKQAやGoogleなどで、擬似ヤングカンヌとしてなかなかいい練習になる

これは2014年のヤングカンヌ国内PR部門でゴールドだったペアがやっていたとの話を聞いて即取り入れた。

結果的に僕は2020年のヤングカンヌ挑戦までに、ヤングロータス×6、ヤングカンヌ×5、ヤングスパイクス×3(気が乗らなくて出なかったことが1度だけあった)、ヤンググローリー×38(ヤンググローリーは9月〜4月実施のため)で、計52回ヤングコンペに参加していた。ヤンググローリーによる経験値のブーストは凄まじい。流石にこれだけやると息を吐くように企画が出るし、チャットのごとく企画書が書けるようになる。その内容が良いとは限らないが。

貴重な終業後や休日、はたまた年末年始の時間を企画に捧げ続けるのは狂気の沙汰だと思う。実際僕と相方は、お互いせっかく実家に帰ってるのに企画打ち合わせをしながら年を越したことが何度もある(ヤンググローリーはロサンゼルス時間で毎月末が提出締め切りなので、日本時間で月を跨ぐ時間帯はいつも鉄火場となる)。しかしながらこの積み重ねた時間こそがヤングカンヌ国内ゴールドに繋がったと確信している。前述のとおり、僕も相方も営業出身だった。なんなら僕は社内のクリエイティブテストに落ちている。そんな二人でも正しい方法で時間さえかければ、才能ある電通や博報堂のクリエイターとプランナーに勝てるのだ。そのことを身をもって証明できたことがとても嬉しい。

まとめると、ヤングコンペは経験値がものを言う。足りない才能は模擬演習を繰り返すことで埋めていこう。数より取り組みの質でしょ、とか冷静なことを言わずにとにかく数をこなしてみると、本番でのパフォーマンスの発揮度合いが変わるはずだ。


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この条件はファイナリストに残ったあと、ゴールドに食い込むためにとても重要な条件だと思っている。というのも世の中にファイナリスト経験者はいくらでもいるが、ヤングカンヌを獲った人となると、各年に6部門×2人で12人しかいない。これは難関で知られるTCC新人賞受賞者数よりも少ない(残念なことに世の中にはヤングカンヌとTCC新人賞どちらも獲っている天才もいる、早く広告以外の楽しみを見つけてそちらに専念してほしい)。そしてこの少ない人たちに最終審査でのプレゼンの知見が集約してしまっている。なぜなら受賞者はカンヌ本戦までに審査員からフィードバックを受けられる機会を持ちやすいが、ファイナリスト止まりとなるとなかなかその機会が作りづらいからだ。もちろん積極的に質問にいけば審査員は答えてくれるかもしれない。でも過去ファイナリスト止まりを3回経験した身の実感として、「なんで僕落ちたんですか?」と面識のない人には聞きにいくのはかなり精神的にキツい

僕の場合はたまたま2018年メディア部門国内ゴールドの佐々木 芳幸さんと麻雀仲間として繋がっていたおかげで、プレゼンのストーリーづくりから質疑応答対策までみっちりご指導いただけた。本当に頭が上がらない。なお佐々木さんはmonopoというバチバチイケてるクリエイティブエージェンシーのCEOでもある。

ちなみに僕が獲った部門のシルバーはこのmonopoの社員ペアで、一緒に佐々木さんの対策指導を受けていた。つまり佐々木さんの指導により一つの部門でワンツーフィニッシュが決まったことになる。

この要因として的確なフィードバックがあったことは前提として、審査員の好みや傾向、自身が受賞後に審査員からもらったフィードバック内容を教えてもらえたことがかなり大きかった。ここに関しては佐々木さんの知見なので僕が我が物顔で語るのは憚れるが、一つだけ共有させてもらうなら質疑応答で論破しにいってはいけない。自分たちの企画がどれだけ正しくて、審査員の質問は杞憂だと早口で捲し立ててもなんの意味もない。審査員はカンヌで勝てそうなペア、そして伸ばしてあげたくなるペアを選んでいる(はずだ)。

こうした限られた知見をいかにして手に入れるかは、人との巡り合わせという運の部分が大きい。しかし運がないなら羞恥心をかなりぐり捨て聞きに行くしかない

もしもどうしても知らない人に話しかけにいくのが気後れするなら、オープンソースに頼ろう。ヤングカンヌについてまとめている記事はもちろんこれ以外にもたくさんある。というかこの記事は全記事のなかでも最長クラスなわりに内容は薄い部類だ。短く濃い記事といえばこれだろう。

ここ数年のヤングカンヌの生き字引、博報堂の谷脇太郎さんの記事だ。これこそ読めばすぐわかる。ヤングカンヌ国内ゴールド2回、国内シルバー1回、ヤングカンヌ本戦ゴールド、ヤングスパイクス本戦ゴールド、という輝かしすぎてもはや目に突き刺さりそうな経歴と経験の、エッセンスだけをギュッと凝縮した記事だ。僕はこの記事をディスプレイに穴が空きそうなくらい読み返した。特にアイスブレイクについてはとても参考になる。

僕と相方の場合の話もすると、惨敗したデジタル部門のアイスブレイクは、

相方「こいつが金髪の理由わかります?」

審査員「Disease?」(今考えるとヒドい)

相方「ゴールド獲りたいからなんですよ」

という当時の僕の金髪を弄った内容だった。少し谷脇さんの関谷さん弄りに似ているところがある。ちなみにそこそこ審査員にはウケたが、温まった空気を僕が即冷凍したため無意味に終わった。

一方でメディア部門の際には

相方「僕のまわりで最近女性の同僚ばかりが休むんです、なんでだと思いますか?」

審査員「Virus?」

相方「そう、学校にいけない子供の面倒を見なきゃいけないから。この時点で女性に対するステレオタイプが見て取れますよね。僕らはこんな事象も変えるために今日ここに来たんです」(最終審査のあった2020年2月はコロナウィルスがヤバくなり始め、こどもたちは学校に行けなかった)

という、使命感系アイスブレイクだった。これはアイスブレイクはWhatよりWhyを語った方がいいという、海外のアイスブレイクについてまとめたサイトからの学びだった。つまり「これから◯◯について語ります」という分かりきったことはいらない。「僕らがここに来た理由はこうなんだ!」のほうがよっぽどアイスブレイクになるぜ、ということだと思う。結果こちらもそこそこウケた。ペアに弄れる要素があるとは限らないので、ぜひこのWhyを語るアイスブレイクも検討してみて欲しい。

まとめると、ファイナリストから先は、ヤングカンヌプレゼンの知見を持つ人からのフィードバックが全てを左右する。身近に知見のある人がいないなら、自ら飛び込んでいくしかない。それが怖いようならオープンソースを頼りまくろう。


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前述のなかでチラチラと出てきている「相方」だが、僕は2015年の初挑戦から2020年まで、ほぼ全てのヤングコンペを同じ相手と組んできた。もはや執着心の世界だ。

相方とは入社同期の研修グループが同じで、普通に仲の良い友達だった。そして二人ともクリエイティブになんて一切興味なく入社した。相方は営業志望で、僕はストプラ志望だった。(希望叶わず僕も営業配属だったが)

奇しくも僕らが入社した年に、会社の先輩がヤングカンヌ本戦でGOLDを受賞した。しかも日本人初の快挙でもあった。その報告会が社内で催され、会社の老若男女が集まり話を聞いた。僕はその会で羨望の眼差しを向ける一人だった。そしてここまでヤングカンヌに焚きつけられた言葉に出会う。先輩たちのプレゼン前夜の過ごしかたについて、強調もなく一瞬だけ語られたエピソードだった。

「カンヌの浜辺でね、ずっとプレゼン練習してたんですよ」

その言葉を聞いた瞬間、行ったこともないカンヌの浜辺でプレゼン練習する自分の姿が目に浮かんだ。そしてそのペアは上述の相方だった。この直感だけに従い、すぐ相方を誘った。わりと嫌がられた。それでも根気よく誘い、自分でも気持ち悪いと思いながらも「お前とカンヌの浜辺でプレゼン練習してる姿が目に浮かぶんだ」と話した。あまりの気持ち悪さにか、ついに折れペアを組んでくれることになった。

これまでの条件の話とかぶる部分も多いが、僕の理想のペア論はこうだ。

・お互いに相手に任せられる部分がある

・お互いに最後まで自分の企画を通したいというエゴがある

・お互いに言葉を選ばずに相手の企画にダメ出しができる

・二人とも諦めが悪い

相手に任せられる部分がないと、議論が拮抗したまま前に進まないことがある、自分と相手のスキルに差があるところは、ある程度任せてしまおう。例えば僕はストプラの経験があったので、企画書の構成と文言については任せてもらっていた。相方には、前述の通り英語力が高いのですべての翻訳やキャッチコピーづくり、プレゼンの言い回しなどを任せていた。ただし任せると言うのは相手に全部やらせると言うわけではない。気になるところはガンガン質問するし、「気になるところある?」と互いに都度確認もする。自分が責任を持つ部分は決めておいた方がいいということだ。

ただしアイデアを決めるときは納得するまで話し合った方がいい。そして自分の企画を通すために粘り続けることは、企画をより精緻にしてくれるプロセスになる。面白さは個人の主観だが、その主観が伝わるよう理論を固めることは、企画の説明をよりわかりやすくするし、企画自体説明しやすいように変えることもできる。そして簡単に説明できるくらいアイデアがシンプルな方が絵にも起こしやすいし、良いキャッチコピーもつきやすい。

また言葉を選ばず話し合える関係も大切だ。僕は何度か別のペアでアイデアコンペに参加したことがあるが、自分がダメだと思うものをダメだと言いにく相手と組むと、肯定ばかりの打ち合わせになってしまう。そういう打ち合わせから生まれた企画は、だいたい優等生なものに落ち着きやすい。アイデアへの否定は相手への否定に近いものがあるので非常に雰囲気は悪くなるが、否定してきた相手が納得できる企画は、自分の面白いと思うポイントがロジカルに人に伝わるようになっている

そして諦めの悪さ。僕はここがペアにおいて最も大切な要素だと思っている。僕と相方は2016年のPR部門と2017年のメディア部門でファイナリストだった。このどちらも提出時間を3時間以上過ぎてからの提出だった(いまはファイルの更新時間等のチェックがあるので受け付けてもらえないだろうが)。限られた時間内で出せていない時点で褒められたものではないが、とにかく二人で納得できるような企画を出そうと、提出1時間前まで企画を出し続けていた。普通なら提出締め切りの3時間前でまだ企画が決まっていない時点で諦めていると思う。そこを諦めずに企画書と作りきり、提出したことでファイナリストに残れた経験から、僕らはどんなことがあっても最後のギリギリまで諦めないペアになった。諦めや妥協が生まれた瞬間、面白い企画は勝てない企画になり下がる

まとめると、最高のペアとは、自分にないものを持ち、企画に対するこだわりが強く、お互い歯に衣着せぬ言い合いができ、諦めない心を持つ人。そして、最後には自分のことを信じ、任せてくれる人。だと思う。


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最後になったが、僕はADKという広告代理店で働いているコピーライターの關(せき)という。ここまで名前も明かさずベラベラと喋り立てて申し訳ない。

ここまで読んでくれてありがとう。御礼になるか分からないが、僕らが入賞したときの企画書と、それを作るまでの経緯となるアイデアフラッシュ集、プレゼン時の原稿、想定Q&Aを貼らせてもらう。

企画をつくるプロセスは基本的にいつも同じだ

フラッシュアイデアを出せる限り出し尽くす→ディスカッションして今回の課題に合いそうな手法を検討する→アイデアの一部を磨きだす→磨いたものの中からさらに一部をProbem, Strategy, Idea, Executionの4項目に分けて書いてみる→提出する企画を決定

50回も同じことをやっているので、もはやこの流れは作業だ。そして恐らく企画をつくるプロセスとして一つの解だと思う。(PR部門だと意外な事実探しや、メディア部門だとターゲットのタッチポイント探しなどの行程も追加される)

もしもこの記事を読んで初めてヤングコンペに参加するなら、このGoogle docsの上から下に向かって、僕らがやっていたことをなぞってみてほしい。それだけで企画書の体にはなると思う。そしてこのやり方に合わない部分、もっと改善できる部分があればそれを直し、積み重ねて、自分だけの企画制作フローに仕上げてくれたら最高だ。自分のやり方が確立されれば、その分アイデアの発想に時間を回せるようになる。

この記事を読んでなにか不明点や聞きたいことがあればいつでも僕のFacebookメッセージに送ってほしい。僕もかつては面識の無い人にメッセージを送りつけまくっていたから。

https://www.facebook.com/shoichi.seki

僕は、6年前は誰からも期待されない、一人の若い営業だった。でもいつかはクリエイティブやプランニングに関わりたいと思いながら、日々の業務とのギャップに、ずっと悶え苦しんでいた(とか言いつつ最後は異動するのが名残惜しかったくらい営業も楽しくやってたけど)。もしも君が同じ境遇なら、ぜひヤングカンヌにチャレンジしてみて欲しい。受賞できなくたって、広告界隈で生きていくうえで、アイデアを生み出す訓練は有用だし、受賞できたら、やりたい仕事にグッと近づきやすくなるから。

いつかヤングカンヌを獲る、まだ若い営業の君と、若い営業だった僕に、このnoteを渡します。




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