人生ではじめて、歌舞伎を観た。 言うまでもなく素晴らしいものだったのだけれど、空海が長安へ渡っていた時期をモチーフにしたストーリーのなかでこんなやりとりがあった。 空海「この世でいちばん大きいものとはなんだと思う?」 友人「宇宙ではないか?」 空海「いちばん大きなものは言葉だ。その宇宙ですら言葉の枠に収まってしまう」 なるほどなーと思うと同時に、この世には言葉にできないものも多くあるよなぁと思った。案の定空海の友人も同様のツッコミをしていたが、最近言葉にしないことの大切さ
ジョジョの荒木先生と、ハガレンの荒川先生の対談でそんな話があった。 彼らはTwitterをやらないらしい、なぜなら漫画家たるもの、つぶやきたいことは漫画のネタにし、主張したいことは漫画のなかで主張する、そして炎上するなら漫画でしたほうがよい……からだそうだ。 ぼくは日々Twitterでふと思ったことを垂れ流している。もはや生理現象に近いので、実質ネットにうんちしているのと変わらない。 そのぼくのうんちに、たまにいいねが付くと、ちょっとした快便感を味わえる。 コピーライタ
アニメはだいたい、30分枠。 その中身は本編、予告、CMに大分されるわけだけれど、この本編の中にはそれぞれ1分30秒のOPとEDが挿入されている。 30分枠のうちの3分、つまり1/10は毎週まったく同じ映像が流されているが、僕は基本的に飛ばさないで観ている。 べつにアニメ制作者へのリスペクトを払って関係者の名前一人一人を注視しているわけではない(もちろんリスペクトはあるよ!)。 OPとEDはそのアニメの世界観そのものだから、観ることで本編への没入度合いが変わる。と思ってい
お久しぶり、元気にしてましたか。 君にあてたnoteが、いつのまにやらいろんな人に読んでもらえて、たくさん嬉しいコメントを貰ったりしたよ。 仕事は順調だろうか。 いまはもうHDCAMより、オンライン送稿なんだってね。地方局までHDCAM抱えて新幹線に飛び乗ったりしなくて良くなったなんて、いい時代だなあ。 さて、こうしてまた君にnoteを渡すのは他でもなく、ようやくヤングカンヌの本戦が終わったからだ。結果はシルバー。うーん、勝ちきれなくてとても残念。 年齢制限的に、僕はも
突然だが、僕はヒゲの脱毛に通っている。理由は肌が弱く、剃ると毎朝血まみれだったから。 通い始めてもう時間も経ったので、ずいぶんとヒゲ事情は改善されたのが、そんなことはどうでもいい。 僕はずっと、このヒゲ脱毛にオプションでつけた『笑気麻酔』について、誰かに語りたかった。笑気麻酔は、ヒゲ脱毛をまぎれもないエンターテイメントに昇格するということを。 そしてこのエンタメ体験が、僕に現代版『神話の法則』のあり方について、天啓を与えた。(神話の法則はあとでも雑に説明をするが、ざっく
2014年に広告代理店に入社した。 配属は営業。話が違うと思った。 若い営業なんて、ボロ雑巾にも等しい。個人の尊厳など、社内はもちろん、社外からだって尊重にされない存在。そんなイメージを持っていたから。 まあ流石にそこまでヒドくはなかったけど(いやヒドいこともたくさんあったけど)、100本以上のHDCAMを整理したり、掲載紙にひたすらしおりを挟んだり、地方の店舗に行き什器を回収したり。若手ゆえの業務は、自分への投資の時間を着実に蝕まれる。 クライアントのことが好きにな