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緒方正人著「チッソは私であった」

緒方正人著「チッソは私であった」読了。

映画「MINAMATA」をきっかけに水俣病関連の本を読み進め、今のところこちらが最後です。

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幼い頃に父親が水俣病で狂い死に、自身も軽度の水俣病と思われる症状で、患者としてチッソ、熊本県、国と闘う中で、人間としての罪に目覚めた著者の講演録。

患者として加害者であるチッソ、熊本県、国と闘っても、相手は「システム社会」の中にいて人間が見えない。

担当者は入れ替わり、形式だけの手続きが進んでいく。

人間の尊厳を破壊された苦しみを背負うはずの、加害者が不在。

謝罪が、単なる手続き、お金で済まされてしまう。

そして、文明の恩恵を受ける自分もまた、自然や動植物にとっては加害者であるという自覚。

「生命の意味、人間とは何か」という問いに取り組む。

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日本では今も人命が軽視されていて、「経済的利益>人命」になってしまっていますよね。

だから、ブラック企業が無くならないし、原発事故が起きた後も原発政策が変わらない。

日本人は繊細な感受性を持っているはずなのに、この「システム社会」で生きるために、みんな感受性を閉じてしまっているのかもしれない。

ビジネスマンに読んで欲しい本。

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