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ちょっとひと息、秋のおやつを思い出す


こんにちは。

12 月になった途端四季もちゃあんと冬支度を始め、
色んなところで「師走」の文字を見るようになって
なんだかふつうの日々を送っているだけなのに、
どこかソワソワしてしまいますね。

私も「今年やってみたいこと」を挙げておいてなんですが、
なんか「一年で何かを成し遂げなければならない」
みたいな雰囲気ないですか?

それで、あっやばいもう12月だ、
今年これといって何もできてない、
年末の準備もしなきゃ(たいしてすることないのに)、
みたいな思いが、
この謎のソワソワを作り出している気がします。


いやいや待て待て。

気持ちがもう来年に向きがちだけど、
少し立ち止まって、今の自分を見てあげる。

私はじゅうぶん頑張ったぞ。頑張っているぞ。

なにかひとつの大きなことより、
つみかさなった小さなあれこれを心に浮かべる。

私、周りのすごい人に影響されて、
すぐ自分が見えなくなっちゃうから。

そういう、
自分に立ち返る時間を大切にしたい。




12月のはじまり。
(投稿できていない間に中旬になった)
ついついかけ足になりそうだけど、
この秋に美味しかったもの、
季節の恵みをふんだんに使ったおやつを思い出して、
ちょっとひといき ついていきましょう。




秋の入り口、いちじくタルト

今のおうちに住み始めて、二度目の秋。
暑さが残るというかまだ夏そのもののようないちじくの季節は、
年に一度、大家のおばさまが訪ねて来てくれる日。
どこかしら、恐らく近くのお宅の庭でできたいちじくを持って。

今年はちょうど不在にしていて、
家に帰ると玄関のドアノブにいちじくがかかっていた。
「もうこんな時期かぁ」と思い、
直接受け取れなかったことにさみしさを覚える。

たぶん、ものすごく朝早い時間に、
駐車スペースの草を抜いたり、落ち葉を掃いたりしてくれている。
いつもありがとうございます。


いちじくは、まる一日ほどドアの外でお日さんに当たってやわくなっていたので、
しっかり熱を通すタルトにさせてもらった。

まず、焼いたときに水分が出過ぎないよう、
あらかじめいちじくだけをオーブンにかける。

ちょん、


全粒粉入りのサクサクタルト生地に、
タルトと言えばコレ!
大好きなアーモンドクリームを敷き、
オーブンから帰って少し冷ましたいちじくを乗せる。

ならべかたは手探り

しっかり焼いたら完成です。

う〜ん、美味しそう。

焼いたいちじくの、
生のときよりぎゅっと甘くなる感じが好き。

オイルと甜菜糖で素朴に仕上げたタルト台とフィリングと合わせたら、
おばさまの優しさも感じる、田舎のおやつになりました。




忘れられない かぼちゃのチーズケーキ

広島の、
ホームベイクな感じがたまらない焼き菓子屋さん assemble! 。


近くに来ることがあったら必ず予定に組み込んでいるこのお店では、
季節のチーズケーキも人気なお品のひとつ。

休みの日には売り切れることもあるのですが、
たまたまお昼ごろに伺ったその日は
”かぼちゃのチーズケーキ” 達がどっしりと並んでいて、迷わず購入しました。

表面はしっかり焼いてあって、
フォークを入れるととてもなめらか。
口に入れると思わず声が漏れる。
かぼちゃとチーズとシナモンが手を取り合って、
お口の中から全身まで、ほんとうに幸せだった・・・。

後日。
どうしてもあのチーズケーキが忘れられなくて。

再現はできないけど、
自分でも作ってみたくなった。


よなよなチーズケーキ。

ボトムは、米粉クッキー。
甘味はメープルシロップのみで、シナモンをスプーン1杯どさり。

米粉クッキーのサクッとほろっと感が合う気がして、
チーズケーキのボトムは米粉のことが多い。

おまけにこのときは
勿体無くてなかなか使えていなかったメープルシュガー(メープルシロップを乾燥させて粉末にしたもの)もあったので、ここぞとばかりにメープル風味に仕上げました。贅沢した・・・・。

裏漉ししたかぼちゃをたっぷり入れて。


綺麗なかぼちゃ色

皆さんのご想像の通り、
夏に獲れていい塩梅に熟したかぼちゃとメープルの相性は抜群、チーズケーキにも合わないはずがありません。

湯煎焼きにすることで、
求めていたなめらかな口当たりになりました。

まだまだ美味しそうなかぼちゃがお手頃に手に入るので、また作りたい一品です。




「大きくなぁれ」の、ロールケーキ

11月、むすめの七五三参りをしました。
お祝いの食事に添えたのは、
シャインマスカットのロールケーキ。

箱に入れて持って行くと
それっぽくなる。


私の父母も一緒に実家近くの神社へお参りして、
人生で初めてフォトグラファーの方に写真をお願いしました。


むすめは私の着物を、
私は母の着物を。


親はどうしても抱っこしたり、追いかけたりしていて見逃してしまっていたむすめの色んな表情を切り取っていただき、本当にお願いしてよかった。
写真って、素敵だなぁ。
むすめへ注ぐ眼差しの優しさに、我ながら驚く。

この三年間、
決して順風満帆、
穏やかな子育て生活なんかじゃなかった。
本人ももちろん、
私たち父さん母さんもよく頑張ったと思う。
そして、じいちゃんばあちゃん、周りの愛を全身で受け止めてむすめはすくすくと育ってくれている。

「ありがとう」がいっぱいのいちにち。

お参りの後、
皆で食事を囲み、ロールケーキを食べた。

別立てのいつもより甘くしたふわっふわの生地に、
さっぱりしたヨーグルトクリーム、
爽やかな大ぶりのシャインマスカットを合わせました。
うん、やっぱり重くないお菓子が好きだな。

むすめはご飯やおかずを全然食べずに
ケーキはぺろっと食べて、皆笑っていた。

大きくなぁれ。




秋の栗づくしロールケーキ

ロールケーキを巻く時のドキドキ、
切った時のワクワクが楽しくて。
作ってみたかった栗のロールケーキを。

こちらの使い切りサイズでお手頃なマロンクリームを使いました。

栗ということで、初めて米粉で生地を。
また、森崎繭香さんの米粉おやつの本を参考にしました。
眺めているだけで癒される一冊です。


一度目は、小麦で作った時と同じように
焼いた次の日に巻く作業をしたら
どうもパサパサになって、巻くとひび割れてしまいました。

ただでさえロールケーキのスポンジは薄くて乾燥しやすいので、
保管状態もより注意が必要(オーブンシートから外してラップで巻くなど)。

二度目はその反省を活かして
当日中に巻いたら、しっとりそのままで仕上がりました。

生地にもクリームにもマロンペーストを混ぜて。
ごろっとした渋川煮を半分に切ったものを巻きました。

米粉だと、小麦みたいに生地自体の香りの主張が少なく、栗の繊細で優しい風味を引き立たせてくれました。

わくわく、おやつプレート
動物たちはお味噌のクッキー





この秋も、
一瞬で過ぎ去っているようで、
かけがえのない日々を積み重ねてきた。

仕事に子育てに忙殺されていると
今、自分がどこに立ってるのか
わからなくなっちゃうけど、
やさしいお菓子と、大切な人とお菓子を囲む時間に癒されて、また歩きだす。

私が バターやクリームは控えめに、
どちらかというと果物や野菜の風味が引き立つお菓子が好きなのは、
その時々の季節をじっくり噛み締めて、
旬の美味しさを誰かと共有できるからなのかも。

季節の恵みと、
私のお菓子を食べてくれる大切な人たちに、
感謝して。



実は、
引っ越しが決まってから、
広島で出会った方へお礼がしたいという気持ちがむくむく湧いて、
次の月曜日に、ささやかなお茶会を開く予定で。

今日はこれから、
お借りするカフェスペースで仕込みをしてきます。

色々あって、
「お客さん、誰も来なかったらどうしよう…」と
半泣きな自分もいるのですが
夫にそう打ち明けると
「失敗したそこから学ぶからいいんじゃない?」と
いつになく前向きな言葉が返ってました。

その通りだなと
ハチマキならぬエプロンの紐を締め
心を込めてお菓子を作ってこようと思います。


今日も、
お読みいただいてありがとうございました。


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