(5/26)鞆の浦、海の見える古民家で | 発酵のちからでやさしいおやつ
こんにちは。
5月26日の日曜日、
広島は福山の"潮を待つ町"、鞆の浦にある古民家カフェをお借りして、
おいしい珈琲のおともに 心を込めたおやつをお出しします。
こちらの記事で、散々「どうしよう」と不安で迷う気持ちを書き殴り整理して、
最終的には自分のワクワクに従って、出店させていただくことにしました。
次からはもっと軽やかに色んなことにチャレンジしてみたいものです。
さて。
まず今回の記事では、当日お出しするおやつについて。
おやつに込めた私のきもちと、
試作を重ねるなかで大切にしていることなどを書いていきます。
5/26のお品書き。
なんでこんな一見偏りがあるメニューなの?
それはもう、直感です。
これだけ悩む性格のくせに、直感。
声をかけていただいてから、ありそろうさんのウェブサイトでお席の写真や、オーナーさんご夫婦の想いを見て。
ふわっと浮かんできたのがこのメニューでした。
保命酒の酒粕入チーズケーキ
鞆の浦の名産品、「保命酒」。
現在、保命酒を作っているのは鞆の浦の4軒の蔵元のみ、とのこと。
今回お借りする ありそろう さんのオーナーご夫婦は、
今までとこれからの取り組みにおいて ”地域” "まち" も、大切な軸のひとつとされているように感じたので、
ぜひその土地で大切に紡がれた名産品を使ったおやつを作りたいと思いました。
保命酒をそのまま染み込ませたパウンドケーキのようなお菓子もあるそうですが、
できるだけ誰でも美味しく食べて欲しいのでアルコールは飛ばしたかったのと、
以前酒粕を入れたチーズケーキを焼いてみて思っていた以上に美味しかったので、
今回は保命酒の酒粕(保命酒は製造過程が味醂と類似するため、一部では味醂粕とも呼ばれている)を使ってチーズケーキを作りました。
酒粕自体に甘味がついているので(砂糖・味醂使用)、
チーズケーキを作る時にはそれを活かして、追加の甜菜糖はごくごく少量。
一般的なレシピの、半分以下くらいではないでしょうか。
酒粕には、たっぷりの麹が入っています。
滑らかな食感にするために生地を漉したりすることもあるのですが、
今回のチーズケーキは麹の風味を残すため、
漉さずにそのまま焼き上げています。
酒粕が好きな人ばかりじゃない、
というかそもそも食べたことがない人も多いと思うので、
酒粕が好きでも、好きじゃなくても美味しい、
ちょうどいい塩梅を目指して最終調整をしています。
結構、意外と、な量の酒粕が入っていますが、
決してチーズの邪魔になんてなっていないし、
味醂粕に近いからか、ふわっと麹の風味が香る、という感じです。
ついつい、どーんと豪華で美味しそうな見た目にも憧れちゃうけど、
初心に戻って、私がじぶんが作るおやつの好きなところでもある「懐かしさ」も大切にしながら、日々試作を重ねています。
背伸びしない、じぶんの丈で。
発酵あんこのお豆腐白玉あんみつ
発酵あんことは、炊いた小豆に米麹を混ぜ、発酵させたもの。
最後にお塩を少量入れて、甘味を引き立てます。
発酵の力による本当に自然な甘味と、麹の風味が美味しいあんこです。
私はアンチ砂糖ではないですし、甜菜糖とかきび砂糖とかよく使ってます。
私自身や子どもを見ていて、今まで砂糖を摂ることで体や心によくない変化を感じることが少なくて。
まさに今みたいに、試作・試食で結構な量食べるときは、「あー血糖値上がってるな」と頭痛や倦怠感を覚えることはありますが、
普段、食事やおやつとして食べるぶんではそんなことはありません。
そんなわけで、砂糖に対してあれこれ言えるほど勉強もしていなくて。
ただ、昨今の健康志向のなかで原料の「代用」に対して思うことは少しあって。
こちらの記事で少し書いたのだけど、
例えば甘味として甘酒やアガベシロップ、メープルシロップを使う場合も、
ただお砂糖の代用としてではなくて、
「それを入れるから美味しい」という場合に使いたいな、とは思っています。
これは本当にアレルギーがないからこそ言える贅沢なことなのだと思います。
そもそも食べられなかったり、
食べることで心身が揺らいだり、しんどくなる方々もいるのにこんなこと言ってごめんなさい。
体質も、キャパも、満足する量も全部個人差があるものだから、
大切なのはひとりひとりが選ぶことで、
私の場合は、今のところはじぶんの「美味しい」に従って選んでいきたいなと思っています。
少し逸れましたが私のお菓子作りの中で大事にしていることなので書かせてもらいました。
そんなわけで私はいつものあんこもいいけど、
発酵あんこの美味しさに出会ったので、
ぜひ、大好きなあんみつ、私にとっていつまでも憧れなあんみつと組み合わせたいと思いました。
やっぱりあんみつ、ウキウキしますねえ。
パーツをそれぞれ用意して、
がっちゃんこしたときの嬉しさ。
だんだん暑くなってきたこの季節にあんみつというだけで至福なのに、
海を望む古民家で、ですよ?
幸せすぎる。
寒天は、昔ながらの棒寒天を煮溶かしています。
小さいころ、よくこれで羊羹を作っていたことを思い出しました。
白玉は、絹豆腐でいつまでも もちもち持続。
お豆腐風味がゼロなわけではないけど、不思議と嫌な感じじゃないんです。
もうひとつ、果物をプラスしたいなあと思うのですが、当日の仕込みの都合上みかんの缶詰になるかもしれません。
逆に今食べることが少ないかな?
国産で添加物不使用の缶詰を用意します。
おうちで食べるおやつみたいに、肩肘はらずだらだらしてほしい。
忘れちゃならぬ黒蜜も、黒糖を使い手作りでご用意します。
約1ヶ月前にお話をいただいて。
そのときは、前回の間借りカフェのときに作った、自分が自信もってお出しできるレシピをまた活用すればいいやって思っていました。
育児も大切にしたいし、仕事や家事の合間を縫ってなので(あとは自分のこだわりとの戦い)
なんでこんなにバタバタして新しいレシピを作ってるんだって
ときどき俯瞰して呆れてしまうんだけど。
「ありそろう」さんという場所のこと、
そこで出会えるかもしれない人々のことを考えていると、
それらを頭に浮かべながら、自分なりにぴったりだとおもうおやつを また新たに考えずにはいられませんでした。
心だけは人一倍込められたおやつたち。
だけど、あなたが食べるときには、そんなのは放っておいてもらってかまいません。
当日、ありそろうという場所で
たまたまそこにある誰かの笑顔や、やさしい言葉、のどかな風景が、
珈琲もおやつももっともっと美味しくしてくれる気がします。
忘れられない時間、とかまでにはならなくていいから、
ほんとにもう、ほっとひと息つける、無理矢理笑わなくていい、誰かに気を遣わない自分のための時間を過ごせてもらえたらいいなって思います。
そんな時間に、
いつ食べても大丈夫!な、発酵のちからでやさしいおやつを。
次の記事で、
ご一緒するcalma coffee roasters さんのことや、
ありそろうさんのことを
ご紹介できたらと思います。
お読みいただきありがとうございました。
もし、無理なく来れる方がいらっしゃったら、
当日お会いできたらそれはそれは嬉しいだろうなあ。