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もつ鍋のファーストペンギン|会話ログ#14

 鍋の季節。ふたりでまったり鍋の話をしていたら、いつのまにかローカル色強めの福岡県民同士の話になりました。

『隣の席のふたり』
日々の思ったこと、楽しかったこと、挑戦してみたことを、仲良しのふたり【osi = デザインする人】【しづむ = 漫画を描く人】が話します。

 上の写真はいつだかに撮っていたマジの家鍋の写真なので、あまり見栄えがしないものですみません。これがリアルです。もつ鍋なのにもつが沈んでいるし……。


もつ鍋のファーストペンギン|会話ログ#14

音声版はこちら↓


福岡の冬。鍋の話をしよう

しづむ:
昨日もちょうど鍋食べた。

osi:
何鍋ですか?

しづむ:
豆乳鍋。久しぶりに。「久原(くばら)」の豆乳鍋、だしがきいてて美味いの。

osi:
だし系はやっぱり久原よね。

しづむ:
ここ(福岡)では強いよね。

福岡県糟屋郡に本社を置く食品メーカー。醤油、たれ、だし、明太子、調味料などいろんな食品を製造販売。「くばら」ブランドでは、あごだしつゆ、キャベツのうまたれなどの調味料を中心に展開。「あごだし鍋」だけでも、もつ鍋や寄せ鍋のもとなどとにかく種類がたくさんあってすごい!

osi:
福岡のなんだ。そうなの? 知らんかった。おいしいもんね。

しづむ:
関東からこっち(福岡)に帰ってきて、改めてスーパーでお鍋コーナーを見たら……ありとあらゆる久原の鍋だしが棚を埋め尽くしてて、こんなに久原一強だったんだ、と思った。

osi:
なるほどね。

しづむ:
しかも種類もいろんなのがある。キャベツがおいしく食べれる鍋とか、白菜がおいしく食べられる鍋のもととか……。そんなに違いあるの? って思うくらい。

osi:
たしかに久原一強説ある。


何鍋が好き?

osi:
ええ、普通の鍋かな、寄せ鍋。あとはキムチ鍋かな。

しづむ:
キムチ鍋、あったまるね。

osi:
特に寒い日はキムチ鍋。

しづむ:
うんうん。わたしはやっぱり「もつ鍋」が好きですね。

osi:
あ、そうなんだ。福岡人の鏡だね。え、家でもしかしてもつ鍋する?

しづむ:
めっちゃするのよ、それが。実家出てからはじめて自分で家でもつ鍋やったとき、「わ、福岡県民になれた……」みたいな感じがあった。「これで一人前の福岡県民じゃぁ……」。

osi:
いや、生まれも育ちも福岡県民じゃん。

しづむ:
そうなんだけどさ。

osi:
すごいね。ええ、みんな家ですんのかな? 家で。もつ鍋って。

しづむ:
あんまりしなかったの?

osi:
うちは全然しない家なんだよね。だからがっかりされるよ。他の地方のひととかに。

しづむ:
ああ、確かに他の地域のひとが「福岡って、もつ鍋有名ですよね! 家でもやるんですか?」って話しかけてくれても……。

osi:
「いや、しないけど」。

しづむ:
じゃあ、水炊きは? 福岡といえば水炊きも有名。

osi:
家でするぅ? うち、しないんだよなぁ。するんだ。

しづむ:
水炊きは実家で母がよく作ってくれたよ。

osi:
明太子は毎日食べるんだけどなぁ……(意地)

しづむ:
それは前も聞いたときに最高だなって思った。うちも大好きだから。実家はかならず明太子常備してあったし。これは他県民の期待を裏切らないね。「福岡の人ってよく明太子食べるんですか?」って聞かれても。

osi:
そう、そこだけだな。


もつ鍋のファーストペンギン

しづむ:
もつ鍋ってニンニク使うしホルモンだし、けっこうひとを選ぶところあって。

osi:
そうだよね。

しづむ:
お店に行くと絶対においがつくし……。

osi:
だからお店で食べる。

しづむ:
あ、なるほどね。家でするとくっさいから。

osi:
そうそう、くっさいから。外で食べれば自分だけじゃん、くっさくなるの。臭さを負うのは自分だけじゃん。

しづむ:
でもね、おうちもつ鍋のいいところもあってね。もつを死ぬほど買っておけば、もつを食べても食べてもまだもつがある状態にできるから。

osi:
確かにね、お店のもつ鍋はやっぱね、底が見えるから。ゴールが見えるから……。

しづむ:
セーブしなきゃいけないじゃん。もつ食べるの。

osi:
一緒に鍋食べてる人との攻防もある。家でやるとき、もつはいろんなの入れるわけ?

しづむ:
何種類か入れるときもあるし、いつものやつだけのときもある。

osi:
あれ何?

しづむ:
小腸、でいいんじゃないですか。

osi:
プリッとしてるやつね。あれがいちばん食べやすいよね。

しづむ:
あとはシマチョウとか、たまにゼンマイ入れたりとか。

osi:
へえ。今度ふるまってもらおうかな。

しづむ:
食べようよ! 臭くなろうよ、ふたりで。臭〜くなろうよ。

osi:
いややわぁ。ふたりで、ってつくとなんかいややわ。

しづむ:
今気づいたけど、女友達ともつ鍋行ったことないや。

osi:
まじで? ああ確かに、言い出しづらいよね。なんかその……「じゃあごはんどこいこっか?」って女の子同士でなったときに、まあいろいろ候補を出すじゃん? そん中にもつ鍋をぶっこむのはちょっとハードル高いかもしれん。

しづむ:
めっちゃもつ鍋行きたがるじゃんこいつ、って思われそうで。いや、行きたいけど。

osi:
いや! たぶんみんな正直、行きたいんだよ! きっと。

しづむ:
行きたいって思ってるし、なんなら……。

osi:
「誰か言えよ」って思ってる。「誰か言えって……」。ファーストペンギンが出ない。もつ鍋の。

しづむ:
外で会ってるときに「今からどこ行く?」では確実に出ない案じゃん。もともともつ鍋に行くのが決まってたならまだしも。

osi:
うん。そう、くさいから。やっぱその、「その気分」にあてはまる確率が低いじゃん。「何でもいいよ」の「何でも」に入る確率がちょっと低いじゃない。

しづむ:
ははは、「イタリアンにする? 中華にする? もつ鍋にする?」。

osi:
そのラインには並ばんのよ。残念ながら。いや、でもなんか行きたいよね。食べたいよね。

しづむ:
特別なお出かけ感はあるよね。

osi:
気合いれていく感じですね。でもやっぱその、県外から人が来るときはもつ鍋屋さんに連れていくかな。

しづむ:
うんうん。食べてほしいよね。食べたくなってきた? 食べよう、久原のやつおいしいから。

osi:
久原のもつ鍋用もあるんだ。あ、今気づいたけど「茅乃舎」の母体が「久原」なんだ。


osi:
鍋。でももう、なんとなく春の兆しがあるからもうすぐ鍋とはお別れかなぁ……と。まだ食べますけど。なんか、一年中鍋食べるひともいるじゃん?

しづむ:
わたしもわりと一年中鍋食べる。

osi:
あ、そうなの? わたしの友達も毎週鍋食べるってひといるよ。

しづむ:
それはすご。おいしいもんね。冬の方がよりおいしく食べれるのはもちろんあるけど。鍋は冬だけ派なの?

osi:
わりとそうかも。季節のものだね。

しづむ:
季節感あっていいね。「鍋の季節だね」って鍋を食べるのは素敵。

osi:
うん。鍋おいしい。

しづむ:
マロニー好き。

osi:
マロニーは美味い。

(そして席を立つふたり……)


 今日は地元らしい、冬らしい話になりました。久原の回し者のようになってしまいましたが、おいしいものは仕方ない。
 今はなかなかみんなで鍋を食べに行こうよというのも難しいので、話しながらなんだかちょっと懐古の趣がありました。鍋を食べるのも好きだけどやっぱり、みんなで一緒に作ったり、お店を選んだり、鍋を食べながらなんでもない話する時間も好きだな。鍋、おいしい〜。

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