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料理本からはじめる自己紹介

何度も挫折してきたnote、もう自分の中で極限までハードルを下げてテーマを決めず、徒然なるままに書くことにした。

したのだが、いざ一発目となるとやはりテーマ選びに困る…ということで、何を書こうか迷った結果、趣味や嗜好を端的に表すことができそうな「料理本紹介」をすることに決めた。

世の中には料理本が無限にあるけど、そもそもそれらを買う人/買わない人で大きく分かれるかも?ということに気付いたのが最近。
かく言う私、書店に行っても図書館に行っても料理コーナーをぐるぐるぐるぐるしているタイプなのです。
であれば、好きな料理本を書き連ねることでそれなりの自己表現になるかもしれない。

ということで、名刺代わりの「おすすめ料理本5選」。お気軽にどうぞ。

1.『冷凍保存ですぐできる絶品おかず』 ワタナベマキ

元々料理は大好きで、実家でもよくキッチンに立ってはいたけれど、思えば一人で自分のために料理をする機会なんてほとんどなかった。
家にある材料で、家にある本を参考に、家族のために作る料理。

そんな私が一人暮らしを始め、これからは自分のためだけに買い物をして自分のためだけに作っていくのだと考えた時、「私、料理できなくなるかも…」と弱気になったことをよく覚えている。

そして買ったのがこの本。
週末に下味をつけたお肉を冷凍しておいたおかげで、ヘトヘトで帰ってきても美味しいごはんが食べられた日が幾度となくあった。
コンビニやスーパーのお惣菜やお弁当もそれなりに買うけれど、疲れた時に出来合いのものを食べるとさらに荒む傾向にある私にうってつけの一冊。

結局一人暮らしを始めた半年後にはコロナが流行り在宅勤務になり、作り置きの必要がなくなったので最近では開くことも少なくなってしまった。
だけど、好きなレシピ本は何だろうと改めて本棚の前に立った時、まず手に取ったのがこの本だった。

表紙にもある「とり肉のビネガーマリネ」が絶品。
アレンジの効くようにごくごくシンプルな味付けなのだけれど、お酢の効果でほろほろになるからそのまま塩胡椒で食べたり、ヨーグルトソース(本にも載っている)をかけたりするだけで十分なごちそう。

読んでいたら久しぶりに作りたくなったな。

2.『高加水生地の粉ものレッスン』 内田真美

2021年に買った本(小説、エッセイなど含む)でベスト5に入るであろう一冊。
パン作りが革命的に楽に、そして楽しくなった。

パン作りで一番難しいと思っている「捏ね」と「発酵の見極め」との工程が必要ないというのだから夢のよう。
生地を仕込んだ24時間後には焼きたてのハードパンが食べられる。

クープがうまく入ったカンパーニュ

焼きたてのハードパンです。
私、ちょっとパン作り好きなだけのフツーの人間なのにこんなの焼けてしまった。感動…。

ちなみに載っているレシピは町のパン屋的な牛乳やバターの香りがするふわふわ系ではなく、噛み応え抜群のバリモチ系。
バゲットぽく成型して、ハムやチーズを挟んでシンプルに食べるのがおいしいやつ。

黒地の装丁って敷居高そうに見えるかもしれないけれど、初心者にこそ手に取ってみてほしい。

3.『野菜たっぷりおかずの本』 大庭英子

夕飯作りに困ってスマホで「<食材> <味付け>」とか調べると高確率でヒットする大庭英子さんの、野菜を使ったレシピを集めた一冊。
これは自分で買ったものではなくて、大学時代にサークルの後輩にもらった。
私がよくお弁当を持ってきていたのを見て選んでくれたらしい。
表紙からも見て取れるように写真が素晴らしく、タイトルの通り野菜をもりもり食べたくなる。

話は少し逸れるが、一昨年から住んでいる町は安くて新鮮な八百屋が何店舗かあって、買い物が本当に楽しい。
実家にいた頃は滅多に食卓にあがらなかった野菜も食べるようになった。例えばししとう。
ごま油で焦げ目がつくまで強めに炒めて、味噌とみりんをジャッと入れて味付けしたおつまみが最高。夏の頻出メニュー。

そうそう、この本の何が好きって、索引が食材別になっているところ。

まじめな字体

たまらん。
素材を大事にしているからこそ生まれる発想だと思う。
副菜・常備菜レシピはもう半分以上作ったことがあるような…。
野菜の可能性を大いに感じられる、ヘルシーな一冊。

4.『自炊。何にしようか』 高山なおみ

言わずと知れた高山なおみさん。
あまり覚えていないけど、書店でジャケ買いした記憶(冷凍ごはんって!)。

とにかくおおらかで、肩の力を抜いて作れるレシピがほとんど。
焼いただけのピーマンやゴーヤ、特別な工程はない煮卵がなぜこんなにも魅力的なのか…。
簡単でも、一食一食を大事にしていることがよく伝わってくる。
料理本というより、写真多めのエッセイを読んでいる気持ちになる。
とはいえ後半では「お客さん料理」と題して煮込みやグラタン、自家製ソーセージ(!)も登場し、ちょっと背筋が伸びる。

トマト缶とにんにく、油などシンプルな材料のトマトソースは何回か作っている。絶品。
スクランブルエッグにかけたり、パスタと和えたり万能です。
ソーセージはかなり興味があるのだけど、豚腸なんてどこで手に入るのか…というのと、単純に季節が過ぎてしまった。
次の冬、頑張ってみようかしら。

コップと小皿で楽に淹れている中国茶が美しい

上でエッセイ、と書いたのは実際にその後高山さんのエッセイを読んだから、結果的にそう感じてるのかもしれない。

料理家に文章が素敵な方が多いように感じるのは、毎日料理を一つの言語として自由自在に扱っているからなのかなあとか思ったり。

5.『おうち韓食』 重信初江

5冊目、大本命。
今まで家庭料理っぽいラインナップだったのになぜいきなり韓国料理かというと、何を隠そうわたくしBTSの熱狂的なファンなのである…。
2020年の夏、友達に押しに押されてハマって以来、空前の韓国ブームが到来。
となるととっつきやすいのはやはり食であって、日々アンテナを張って暮らしていた中で出会ったのが、著者である重信さんのInstagramのアカウント。
そこでこの本が出版されることを知った。

(プロフィールに韓国文化と書いてあるのはこういうことです。文化と言いつつ実のところは食、アイドル、文学、ドラマ、映画と大変ミーハーなラインナップ…。ちなみに最近、Netflixで「マイネーム:偽りと復讐」を完走したところ。ハン・ソヒ最高だ。この話も近々書きたい)

肝心の本の内容はというと、定番家庭料理を中心におつまみからデザートまで盛りだくさん。
これまで知らなかったけれど、韓国料理のレシピはちょこちょこ見慣れない調味料が登場するものの、基本的には日本にある食材で作ることができる。
表紙中央に写っているのも「チェユクポックム」といって、豚肉と野菜(玉ねぎ、にんじんなど)をコチュジャンや醤油で甘辛く炒めたシンプルな一品。

色々と作ってきて、まあコチュジャンさえあればそれっぽくなる!というのが個人的な雑感。本当に雑。
そして究極、完璧な現地味にならなくとも、好きな人たちと同じ(ような)ものを食べる、というところにファンの喜びはあるわけです。

ジャージャー麺のご飯版、チャジャンパブ(짜장밥)

きっかけが何であれ、和・洋・中が基本の食卓に選択肢が増えるのは純粋に嬉しいもの。
ほんの少し材料を買い足すだけで、異国を感じることができる。
自信を持っておすすめします。

おわりに

ちょこちょこと脱線したような気がする。
そこも含め、自己紹介代わりの本棚紹介でした。

世の中には読むだけで楽しいレシピ本がたくさんあって幸せ。
もし「ぜひこれを!」という一冊(だけでなくても)があれば教えてください。

明日から、また何を食べようか。

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