東海汽船夏のミステリーきっぷで旅するの巻
東海汽船でミステリーきっぷの企画を以前から知っていて、いつかは試してみたいと思っていたところ、7月の平日に設定があったので、休暇をいただき実行することにした。
1週間前に東海汽船に電話をかけ予約をし、当日を迎えた。
竹芝桟橋のチケットカウンターで予約番号を告げると、「大島ですね」とカウンターの方。そうか、大島かというのが正直な感想。
ネットなどで見ると、ミステリーきっぷの行き先が大島というのが多かったから、なんとなく大島になりそうかなという気はしていた。
チケットをいただき、まだ時間があるので、送迎デッキで八丈島へ向かう橘丸を見送ることにした。こちらはまだ乗ったことがないので、いつかは乗ってみたいと思う。
ターミナルに戻り、出発の案内を待つ。
乗船の案内が入り、さるびあ丸に乗り込む。過去2回乗った時は、特2等だったが今回は1等。部屋に入るとまだ誰もおらず。マットレスと毛布、枕があり2等よりは当然良い。
あとから高齢の男性と自分より少し年下と思われる女性がやってきた。この3人が今晩この部屋の住人となる。
出港して外に少しいたが、部屋に戻り寝酒を飲んで床についた。翌日の大島到着が朝5時、早いからとりあえず横になろう。
寝れたのか眠れなかったのか、よくわからぬまま、船内放送により起こされた。時刻は4:25。
ここで起床とする。3人のうち、女性の姿がなかったので、どこか別の部屋に移ったのだろうか。
下船準備をしつつ、甲板に出ると、大島の島影が大きくなっていた。それと、雨粒が。天気予報ではそんなこと言ってなかったのだが…。
大島、この日は岡田港に着岸。多くの人が降りていく。ターミナルビル手前では、マスコミの姿が多数。昨日の高速船の取材かな、なんて思っていた。このあと知るのだが、曳航されていた高速船はこの時点ではまだ大島に着いていなかったのだ。
とりあえず、雨は降っているが、ここで移動を始めないとターミナルで2時間ほど時間を持て余す。帰りのさるびあ丸は13:20発、この時間までやれることをやろう。ということでまずはバスに乗って波浮港を目指すことにした。
波浮港行きのバスは、自分一人だけを乗せ、発車した。これお客いなければ回送になったのかな。
大島一周道路に出て、元町を過ぎてから、バス停の案内が流れるが、自分しかいないので通過である。
途中、バームクーヘンと呼ばれる地層大切断面を見ることができたが、雨のため断崖が湿っており、ちょっと分かりづらい感じがした。
しばらくすると、運転手さんがどこまで行くの?と聞いてきたので、波浮港と、答えた。大島一周道路からそれ、海に向かって下っていくと波浮港が見えてきた。バスが進める限界まで行き、少し広くなったところで切り返してバスの扉が開いた。一日乗車券を購入して、下車する。
バスは、終点の大島陸上競技場を、目指して折り返すのだが、バスの表示はここで回送に。あくまでも港からの送りのバスなので、客がいなくなれば回送ということになるのだろう。
道の先は雰囲気のある家々が続く港町と、なっている。行けるところまで進み、折り返して今度は階段を上ると、これまた雰囲気のある旅館の建物があった。
階段を上りきると住宅街に入った。雨が少々強くなってきたので、屋根のあるところに入ったのだが、蚊が飛び回り退散。大島一周道路ににでたので、今度は波浮港見晴台へ行くことにした。波浮港を訪れた理由は、この見晴台。波浮港を見渡せる景色を一度見たかったからだ。
バス停2つ分と言っても1キロは歩いていないと思うが、見晴台に着いた。「うわぁ~」声が出る。眼下に広がる波浮港がジオラマのようだ。
雲が切れてきたと思ったが、雨脚が強くなり、目の前のお土産屋の脇に屋根があるところがあったので、そこに避難。お店はお休みのようで、張り紙があった。
元町港行きのバスはまだ1時間ちょっとあるので、昨夜買ったパンを朝飯とする。雨が止むとまた港の景色を見に行き、雨脚強くなると屋根の下ということを繰り返し、バスの時間が近づいてきた。
バスが来る前に男子高校生?数人が歩いてきて、バスに乗るのかと思ったが、そのまま歩いて行ってしまった。
やってきたバスは岡田港から乗ったバスと同じバス。お客さんはおらず、またまた1人。
もと来た道を進んでいく。途中で乗車もあり、1人ではなくなった。バスの時刻表を見ると、元町港では三原山山頂口に行くバスに乗れそうだ。次の目的地を三原山山頂口とする。
元町港に着いたのは8時頃、20分ほどの待ち時間となる。雨はやんだようで、明るくなってきた。
三原山山頂口行きのバスは、自分を含めて3人。他の2人は外国人カップルでこれから走りに行くようないでたちだ。
大島一周道路にあるバス停は止まらず、三原山登山道路に入る。時折入る案内放送を聞きながら、坂を上っていく。
しかし、高度が上がるにつれて、ガスがかかってきた。あたりは白くなり、山頂方向が見えなくなっている。
30分ほどで終点の三原山山頂口に着いたが、あたりは真っ白。展望台に行っても真っ白。
外国人カップルは遊歩道を山頂方向に歩いていった。
あたりをウロウロして時間をつぶし、折返しのバスに乗る。が、行き先が岡田港。勝手に元町港には戻るものと思っていたが、バスの時刻表を見ると、行き先が出帆港と書かれている。この日の出帆港は岡田港。ということは行き先は岡田港になる。
元町港に戻って温泉に、と思っていたが、ここは一度岡田港に出て、元町港行きのバスに乗り換えないといけない。
帰りのバスは自分一人だけを乗せ、登山道路を下る。
岡田港に着く頃にはいい天気になっていた。港の一角には曳航されて到着していた高速船の姿があった。
ちょうど東京からの高速船が着いたようで、元町港行きのバス乗り場には行列ができている。
それでも並んでいる人は全て着席でき、バスは元町港に向けて出発した。
元町港に着き、御神火温泉に向かうことにする。この温泉は、以前伊豆大島マラソンに参加した際に使ったことがあるので、場所は分かっている。
温泉の入口からサンセットロードに向かう道にいい雰囲気の松があり、スマホで撮影する。
温泉につかり、いいリフレッシュができた。再び元町港に戻り、昼食にする。お寿司かな、と思い路地に入ったところにあるお寿司屋さんに入り昼食となった。
昼食をとり、岡田港へと向かう。一日乗車券を購入していたが、かなり元を取った感じだ。
大島高校前で高校生が乗ってきた。いくつか先のバス停で降りたが、地元の足でもあるのがわかる。
伊豆大島へは2回目だが、前回も岡田港着発だった。今回も岡田港着発。元町港は波が高い感じがしたが、岡田港はおだやか、場所によってこうも違うのかと感じた。
船の到着時間が近づいてきたので、入港の様子を見ることにする。
帰りは2等船室。荷物を置いて甲板に出て出港の様子を見ることにした。
最後に家族連れが乗り、その親戚親子が見送りに来た様子を眺めていると、見送りの子どもが「また大島に来てね〜」と泣きそうな声で叫んでいた。こちらも泣きそうになる。港は泣かせるシチュエーションがあるなと思う。
さるびあ丸は岡田港を出港。改めて船室に戻ると、お客は自分だけ。11人ほど入る部屋だが、独り占めだ。貸毛布を案内所で受け取り、まずは昼寝。
寝たり、ビールを飲んだりと船旅を満喫していると、東京湾内に入っていたようだ。
船室から出たり入ったりしながらさるびあ丸で過ごす。夏ダイヤは東京湾納涼船を行っているので、明るいうちに東京湾を通過するダイヤ、これがあるから今回の旅にでた理由の一つ。それほどお客さんも多くないので、ゆったりと景色を眺めることができる。
到着予定の2時間前に横浜あたりを通過。まだどれだけ時間がかかかるのか、と思っていた。以前大島から高速船に乗った時は羽田空港のすぐ近くを通っていたのでその印象があったが、羽田からかなり離れたところを通っていた。客船と高速船は通るところが違うのだろうか。
それでも、東京ガ近づいてきた。予定より早く着きそうだ。羽田に着陸する飛行機が見える。この日は南風運用のようで都心から羽田に向かって着陸している。
そんな風景をのんびり眺められるのも船旅の醍醐味だろう。東京湾納涼船よりのんびりできる気がする。
レインボーブリッジをくぐると下船の案内が流れる。もう竹芝は目の前だ。左手にはおがさわら丸が停泊している。この日東京に戻ってきたようだ。
竹芝桟橋を目の前に、船は転回し、着岸。ミステリーきっぷの旅はこれで終了。今度は橘丸かな〜と思いながら、家路へつくことにした。