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【テレビドラマ感想 初恋の悪魔】※ネタバレ有

ユニコーンに乗ってが終わったり、ちょっと時間が空いたことで、撮り溜めしていた他のドラマにようやく着手しだした。

「初恋の悪魔」は脚本が坂元裕二さんのオリジナルドラマ。この方は「東京ラブストーリー」を手掛けられ、私の大好きな「カルテット」や「大豆田とわ子と三人の元夫」などもこの方の作品で、当たり前っちゃ当たり前なのだが、見だしたら止まらず、2日かけて8話を一気見し、リアルタイムに追いついてしまった。

おかげで眠い眠い。

以降ネタバレ含みますので嫌な方は閉じてください。

【登場人物】

【主役】
一人目の主人公は仲野太賀演じる「馬淵悠日(まぶちはるひ)」、境川警察署の総務課職員(要は刑事ではない)である。彼は日ごろから穏やかで、ニコニコしていて、
「僕が負けるってことは、誰かが勝ったってことですから」なんて言っちゃうほどのお人よし。

馬淵悠日

親も警察官、兄の「馬淵朝陽(あさひ:毎熊克哉)」も優秀な警察官だった。だが、兄は3年前にビルの屋上から転落死した暗い過去を持つ。

もう一人の主人公は林遣都演じる「鹿浜鈴之介(しかはますずのすけ)」。彼は境川警察署の停職処分中の刑事だ。推理マニアで凶悪犯罪者を捕まえたいがために、その出現を待ち望んでいる。

鈴之介

【仲間たち?】
・小鳥琉夏 ことりるか(演:江本佑)
⇒会計課の職員なのだが、刑事課の服部渚に恋しており、彼女を助けるために捜査をメンバーに持ち掛けてくる。

・摘木星砂 つみきせすな(演:松岡茉優)
⇒ヒロイン、生活安全課の刑事。スカジャンにズボンといった出で立ちでがさつそうだが優しい面も。

・雪松鳴人 ゆきまつなると(演:伊藤英明)
⇒境川署長。悠日の兄である朝陽の元上司。

・森園真澄 もりぞのますみ(演:安田顕)
⇒鈴之介の家の隣人。奇行が目立つ怪しい人。鈴之介は彼が「猟奇的な殺人者」と信じワクワクしている。

【あらすじ】

第一話冒頭で、署長である雪松から、悠日は鈴之介を調べるように指示を受ける。兄・朝陽の死には不可解な点があり、雪松はただの事故ではないと睨んでいるようで、その死に鈴之介がかかわっているのではと言うのである。悠日は総務課職員としてアンケートなどを理由に鈴之介に近づくのだが。

そんな中、会計課の小鳥から現在所轄内で捜査中の「病院での転落事故死」について真相を突き止めてほしいと頼まれる。悠日は小鳥と共に鈴之介を訪ね事件の概要を説明した。事件の概要を聞いた鈴之介は、医者が「シリアルキラー(殺人鬼)」なのではと想像を膨らませ、意外にも乗り気になる。
また、悠日が捜査資料室へ向かうとそこには生活安全課の刑事・星砂が、彼女も一緒にこの事件について調べることになった。

決めポーズ「マーヤーのヴェールをはぎ取るんだ」

事件現場の模型を前にしてこのセリフを言って、ブレインダイブして解決するっていうのがコミカルでほんわかする部分なんです。

ちなみに「マーヤー」ってのはインドの宗教やインド哲学に現れる概念で、幻影とか訳されるらしいので「幻影を取っ払え!」的なことみたいです。

見事犯人を導き出し、小鳥は秘かに思いを寄せる刑事、渚にヒントの紙をこっそり渡し、問題解決!っていうミステリアスコメディ?らしいです。

【ぐっと来たポイント】

第3話で明らかになるのですが、ヒロインの星砂(松岡茉優)は自分の中にもう一人の自分がいることを悠日に明かします。

また別の日に、兄である朝陽が転落死する数日前に拳銃の弾を一つ紛失し、始末書を書いていたことが分かりました。失くしたのではなく、発砲した?という疑念が沸きます。しかも星砂が撃たれて元監察医の杏月(田中裕子)に治療してもらう描写が・・・

もう一人の自分のせいで、自分の部屋の鍵を失くしてしまった星砂を、悠日は悠日の部屋に泊めてあげます。星砂は悠日に自分の状態や、過去の人格交替について話します。自分がお兄さんである朝陽を殺している可能性についても言及し、立ち去ろうとします。その可能性も含めて悠日は受け入れ、二人は抱き合うのでした。

自分の人格が消えてなくなることに怯える星砂を抱きしめる

一番ぐっと来たのがここ↑↑↑。
自分の人格が消える(=死を意味する)ことが怖いという星砂。そんな彼女を抱きしめて「あなたはあなただって言います」と悠日。

このシーン、マイフレンドフォーエバーの↓これがフラッシュバックしたんですよね。(マイフレンドフォーエバーはHIVの少年デクスターとその友達エリックの友情物語です。)

宇宙の光はもうほとんどなくて、すごく寒くて暗いだろうね。目覚めた時に暗いと、そんな場所にいるような気がして、帰ってこれないんじゃないかってすごい怖いんだ。

↑デクスターが死を恐れこう話した

と死について怖れを語った時に、エリックは自分のスニーカーを渡して

ほら、これ持って寝ろよ。もし起きた時に怖いと感じたら、こう思えよ、「ちょっと待て。エリックの靴を持ってる。なんで宇宙の果てでこんな臭いバッシュなんか持っているんだ?そっか僕はきっと地球上にいて安全な寝袋の中にいる、そしてエリックがそばにいる。」って。

ぼろ泣き必至

話をもどしましょう。

この「あなたはあなただって言います」は、どうなったとしても(たとえ人格が消えてなくなったとしても)僕があなただと言うし、あなたは僕の中で生き続ける。という宣言であり、ただの惚気ではなく、もう一つ次元の高い、高尚な感情に聞こえました。

【まとめ】

一気に見て追いついてしまい、今週が第9話。かなり真相に近いところまで来ております。また、派手さはないですが脇を固める俳優陣も渋いセレクト。坂元ワールドがお好きな方もそうでない方も、見逃された方も、是非。

オススメ度 ★★★★☆


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