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テレビドラマ感想文 無能の鷹

「無能の鷹」金曜夜11:15~朝日テレビ系


「無能の鷹」は、鶸田くんという一見頼りなさそうな主人公と、見た目はバリバリ仕事ができそうな鷹野さんの対照的なキャラクターを描いた物語です。はんざき朝未さんの漫画が原作だそうですが読んだことがなかったので逆にスンナリ見ることができました。

鶸田くんは入社試験で目にした鷹野さんに一目惚れしますが、実際に働いてみると鷹野さんは見た目とは裏腹に何もできません。普段は猫の動画を見て過ごし、フォルダを開く方法やダブルクリックの仕方さえ知らない始末。しかも、ITコンサルの会社にいながら「IT」を「イット」と呼ぶほどの無知さを見せます。加えて、鷹野さんがこの会社に入った理由が「都会で、出社の時社員証をカードリーダーにピッとするのが格好いいから」というエピソードも非常に印象的でした。このようなユニークな理由が、鷹野さんのキャラクターをさらに引き立てています。

ある日、鶸田くんは営業に鷹野さんを連れて行くことを思いつきます。鷹野さんの自信満々な立ち振る舞いが、取引先にはったりが効くのではと考えたのです。見事にこの作戦が嵌り、先方は鷹野くんが優秀な上司を連れてきたと勘違いします(実際は同期ですが)。もともと鷹野くんの提案やアイデアは悪くなかったため、この手法が見事に上手くいったというストーリーなのです。

さらに、鷹野さんを演じているのが菜々緒さんで、彼女の見た目は本当に「できるキャリアウーマン」を具現化したような存在感がありました。もし実際にこんな人が現れたら、私もきっと構えてしまうでしょう。

また、周りを固める俳優陣も秀逸で、ザ・昭和な部長を演じる高橋克実さん、お人好しな上司役の井浦新さん、容量良くそつなくこなす先輩を演じる工藤阿須加さん、そして出世に燃える優等生タイプのさとうほなみさんが登場します。それぞれの俳優が見事にキャラクターを演じ分け、物語に深みを与えています。

この作品は、外見と実力のギャップをユーモラスに描くことで、見かけにとらわれない大切さや、真の能力とは何かを考えさせられます。鶸田くんの成長や鷹野さんとの関わりを通じて、多くのメッセージを届けてくれる作品だと感じました。

私も願うなら「鷹野」になりたい。。。。

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