「便利は悪」だと思っていた私が、あるモノが生まれたストーリーを知って変わった話
まちの未来を育む読者参加型マガジン『RE EDIT』を制作していてヒアリングや取材へと伺う中で、さまざまな価値観を蓄積させてもらっています。
活動に関わるメンバーが自分の得意なことを提供しあって生み出している雑誌で、お金での対価は得ていません。
「なぜやるのか?」と問われると、私個人としては、仕事しかやっていなければ、出会えなかったかも知れない人たちに、話が聴けることは、お金という対価以上の経験と知識が身につくと思っていて、そこに価値があると思っているから。
そんな活動の中で、出会えてよかった価値観の小噺をひとつ。
郷土館が建設された理由
まだ媒体では紹介していない「小谷城郷土館」へ行った時のお話し。
「小谷城郷土館」は泉北ニュータウンが造成されると決まった時、反対運動なども多かった中で、「ニュータウンに住む人たちへもこの土地の歴史を共有したい」という想いから建設されたそう。
郷土館には、昔ながらの農機具なども展示されていました。
昔はこんな風に農業がなされていたのか~と興味深く拝見していたところ、案内してくださった方が話してくださいました。
田植え機が発明された理由
「田植え機ができたのはね、田植えが早く終われば、おうちで過ごす時間が増えるでしょ?お父さんお母さんと子どもがたくさん過ごせるように、早くおうちに帰れるように、と思って発明されたのよ。」
その言葉を聞いて、私はハッとした。
その頃の私は、どんどん便利になって効率的にできるとか、便利だとか、そういった部分ばかりが評価されている世の中に、嫌気がさしていた時で「便利は悪」だとさえ思い始めていた時だったから。
「便利」なモノゴトに潜んでいるストーリー
「便利になればなるほど、時間が足りない」
そんな矛盾が世の中に充満しているような気がしている。
使う側に伝わっていないストーリーがあることに、気付かされた私は、世の中で流行っている便利なコンテンツやサービスを毛嫌いしないで「なぜ、そのサービスが生まれたのか」を調べるようになった。
すると、そこには必ず「想い」があって、誰かのことや環境を考えてのことだったりする。そこが見えていなかった自分に反省。
そして、そういったストーリーを伝えていけたら、便利に消費されることなく、うまく使いこなす人が増えるんじゃないかな~と思うようになった。
「豊かな暮らし」のヒントは、こういったところにあるんだと思う。