5日間風呂に入らなくても人は死なねえぞ!
日本の「常識」によると、人は毎日風呂に入ることになっている。湯船に浸からないにしても、シャワーを浴びて汗くらいは流す。
しかし、私はそんな常識の国の中で、5日間風呂無し、シャワー無しを経験した。
ヨーロッパでは、毎日シャワーを浴びないことのほうが主流らしいから、これで生きていけないことはないのだろう。
現に私は今生きている。
私が、シャワー断食(と呼ぶことにしよう...)をしたのは、6月から7月にかけてのことだった。
夏の本格的な暑さが始まる前だったこともあり、汗も大してかかない日が続いていた。
「今日汗かいてないし、風呂なしでもいっか!」
それが1日、また1日と重なり、気づいたら5日間も入っていなかった。
そんなに入らなかったら臭くなるだろう...と思われるだろうが、公園の水道で顔を洗い、(人がいない時は)頭から水をかぶり、濡れたタオルで身体を拭き、服を新しいものに変えれば、さほど気にならなかった。
銭湯代500円をケチってまで、私は生きることに必死だったのかもしれない。それを食費にまわせば、塵も積もれば山となる。
500円×5日=2500円
私は、5日に1回の風呂のサイクルを3週間ほど続けたので、単純計算しても7500円は浮いたことになる。
風呂代をケチってまで生きていた私は、相当追い込まれた存在だったのかもしれないが、そもそも銭湯の方が割高なのかもしれない。
全国の地を旅していると、色んな銭湯に出会う。
0円で入れる超極秘スポットから、300円で入れる格安温泉、温泉街では珍しくない500円程度のものや、7~800円の健康ランド。
東南アジアから帰国したとき、日本の物価の高さに苦しんだように、安いものに慣れてしまうと、高いものに抵抗感をおぼえる。
その逆もしかりで、高いものに慣れてしまえば、安いものに抵抗感をおぼえる。
私が入るのは、300円程度の安い銭湯が大半だ。
男湯と女湯を隔てる壁の上方が空いて繋がっているような、建物に昔ながらの風情をかんじさせてくれる。
とある銭湯は、蛇口をひねったら、錆びた水が出てきた。普通なら「おいおい」と思うが、これがまたいいのである。
5日ぶりに入った風呂は最高だった。
日本が苦手な私でも、湯につかるといつもこう思うのであった。
「ああ、日本に生まれて良かった....」と。
旅はつづく