鬱からはじめて外に出た日
父と母と別れる時、涙をこらえることに必死で、ありがとうと言えなかった。今思い出してみれば、鬱になり苦しんでいる私を見て、一番苦しかったのは、父と母だろう。父と母はいつも変わらない元気な姿を見せてくれていた。それにどれほど救われたことだろう。
人生に絶望し、死を思い浮かべていたとき、こうして外に出られる日がくるなんて夢にも思っていなかった。両足で地面をつかみ、一人、琵琶湖の風を感じられる今が、とても夢のようだ。
先行きの明るい未来がまったく見えなかった。それが変わったのかと言わ