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看護学生の苦手克服「酸素療法種類別」適応について

<大前提>

酸素療法はなぜ必要だと思いますか?
それは「患者の苦痛緩和」です。呼吸苦の患者さんは、常に死の恐怖を感じています。私たちが体験することは難しいと思いますが、例えるなら「全力疾走」が適していると思います。その患者さんに適した酸素療法はどれなのか、一緒に学んでいきましょう。

1)鼻カニューレ

鼻カニューレの良いところは「会話・食事が可能」なところです。また、患者さんの行動制限が少ないため「長期にわたって使用可能」です。他の酸素療法に比べて、制限が少ないところが良い点ですね。 しかし、「口呼吸・鼻詰まりがある人」は効果がないというデメリットがあります。 鼻から酸素を流入しているからですね。 鼻カニューレを使用する際の注意するポイントであり、患者さんに説明するポイントになります。 口呼吸の場合は、鼻呼吸の指導を行い習慣化させることも一つです。 また、酸素流量が6ℓ/分以上の対象者には適しません。鼻腔内の粘膜を傷つけてしまうため、変更が必要です。
酸素流量:カニューレから体内に入る酸素の量
吸入濃度:吸気に含まれる酸素の濃度

2)簡易酸素マスク

鼻カニューレに比べて、鼻と口から酸素を吸入できる仕組みになっています。 ですが、会話・食事ができないため「食事のみ鼻カニューレを使用し食事をとる」ことが必要です。 5ℓ/分以下の低流量では、マスク内に溜まった呼気により「血中二酸化炭素分圧が上昇」(CO2ナルコーシス)する危険性があります。そのため、低流量の場合は鼻カニューレに変える必要があります。

3)ベンチュリーマスク

ベンチュリーマスクでは、ダイリューターを用いることで患者の換気量に左右されず一定の酸素濃度を得ることができます。
対象者の方に2ℓ/分の酸素を投与したいとき、青色のダイリューターを使用すれば2ℓ/分以上の酸素を吸入することはないということです。
つまり、酸素中毒・CO2ナルコーシスを事前に防ぐことができます。
COPDや、呼吸不全の患者さんに適しています。特に呼吸不全の患者さんは、酸素を取り込めない+二酸化炭素を吐き出せないので二酸化炭素が溜まっていきます。そこで高濃度酸素を取り入れてしまと二酸化炭素はさらに溜まっていき、CO2ナルコーシスを発症するリスクに繋がります。
ベンチュリーマスクを用いれば、24〜50%に調節可能なため、呼吸不全の患者さんに酸素投与しても二酸化炭素が溜まりにくいというメリットがあります。

4)高濃度酸素マスク

高酸素濃度マスクでは、×息時=リザーバーバッグに酸素を溜める吸息時=バッグに溜まった酸素+チューブから送られた酸素を吸入するため、高濃度の酸素を投与できる仕組みになっています。
酸素流量6ℓ/分以下の場合、マスク内に溜まった二酸化炭素を再呼吸する危険性があるので酸素マスクの変更が必要です。
また、流量低下し、リザーバーバッグが空になると効果がえられないため、6ℓ/分以下の場合は他の酸素マスクに変えることが一番安全だと思います。
また、COPDの患者さんには禁忌ですので、使用しないようでください。
常に低酸素状態の中、高濃度酸素を流入することで体内に酸素が過剰だと認識し、呼吸抑制が働くため死に至ります。
使用の際は、既往歴からCOPDではないか確認することは大切ですね。

まとめ

酸素療法は、酸素の流量・吸入濃度によって分けられていることが理解できたと思います。その中でも使用禁忌の患者さん、流量低下による事故を事前に防ぎ、患者さんの苦痛緩和につなげていければと思います。

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