5/10火:プレゼントには無意識の支配を。
私は、誕生日などのきっかけで仲の良い友人に何がしかのプレゼントを渡すのは比較的好きな方だ。
一方で、何を渡せばよいかどうかを考え、選ぶのは苦手な方だ。
何を渡したらいいかがわからないのに気持ちだけは先行している、という事実に、よくわからない感覚を抱くのが常である。
最近、こんな記事を読んだ。現代の消費社会における大学生のプレゼント事情について、中国の学生が調査した結果についての記事だ。
ここでは恋愛関係にある男女の例が述べられているが、現代の若者は、具体的なモノを積極的にプレゼントすることで、親密な関係をより強くアピールしようとする傾向があるようだ。
私がそのような現代の若者のような感覚や傾向を持っているとは全く思わないのだが、私が印象的だったのは、「プレゼントには常に支配という性質があり、一方的に受け取るばかりでは被支配的な立場に陥り、恋愛関係の中では劣勢に立たされることになる」という指摘だ。
プレゼントというのは、仮に渡す側が全く見返りを求めていないとしても、渡された相手にとっては心的なプレッシャーを与える場合がある。つまり、渡された側は、何かを返さなければならない、という借りが作られた状態が常に形成される、ということである。
また、指摘の通り、プレゼントを渡す側にとっては、それを渡すことによって立場上相手よりも優位に立てるという事実があるのである。
冒頭に述べた私の感覚は、もしかしたらこれに該当するのではないか、と思った。自分の中では全くの無意識であったが、プレゼントを渡すことによって、渡した相手を自分の影響下に置くことが暗に意図されていたのではないか。
そう考えると、人にプレゼントを贈るときも冷静に自分の気持ちや立場を考えなければならない、と思い至った。
毎回、真に相手のために何かを渡したいという、純粋な気持ちに基づいたプレゼントであることを確認しなければならないのだ。