11/4木:真のクリエイターには生みの苦しみを。
インターネットに代表される現代の情報空間は、1人の人間には到底扱いきれない無尽蔵な情報で溢れている。例えば、テキストによる情報量が増えたことによって、情報自体の相対的な価値は下がる一方である。
これは、貨幣を刷りすぎて貨幣自体の価値が下がるインフレ状態と似ている。こうして私が書いているこのテキストも、情報空間の彼方に消えて忘れ去られる運命であることは目に見えている。
また、近年テレビに代わって圧倒的な勢力を誇る動画コンテンツのプラットフォームであるYouTubeでは、YouTuber乱立時代を迎えて動画数も圧倒的に増加し、動画自体の価値が下がり、鮮度も下がっている。
映画に勝るとも劣らないクオリティを誇る映像サブスクリプションサービスであるNetflixなどにおいても、コンテンツ数が増えるに従い、コンテンツ自体の価値は既に下がり始めているのかもしれない。
このような状況は、クリエイターにとっては有利でもあり不利でもある状況である。
他のコンテンツとの差別化を丁寧に行い、真にオリジナリティに溢れる作品を作ることができれば、それが正当な評価を受けやすいだろう。
一方で、苦労してやっとの思いで捻り出したコンテンツであっても、現代においてはそれらは短時間で消費され、もっともっと、とさらなるクオリティのコンテンツを求められるのである。
これは、血の匂いがするほどの生みの苦しみをクリエイターに与えるだろう。一定の視聴数があれば収益は上がるだろうが、こうした世界で真にクリエイターとして生きていくには、身を削る必要があるのだ。
それをしたくなければ、本当に無意識的にできる得意なことを見つけて、それで創造的なことをやるほかない。それを見つけた人間が勝てる世の中になるのだろうと思う。
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