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バンベルク いいオケもおいしいビールもある南ドイツの街

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南ドイツには美しい街がたくさんある。

フランクフルトから西に2時間ほど、留学していたヴュルツブルクから1時間ほどのところにバンベルクという人口7万人ほどの小さな街を紹介しよう。

ヴュルツブルクと同じくフランケン地方でオーバーフランケンと呼ばれる地域で、ドイツで最も美しく保存されているとも評される旧市街はユネスコ世界遺産に登録されている。

バンベルクの旧市街

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バンベルクの旧市街は伝統的な木組みの家と石畳というスタイルになっている。街は川で囲まれており、城壁の代わりとして機能していたようだ。

この街の歴史は古く、10世紀初頭神聖ローマ帝国の時代から存在していたというのが一番古い記録とされている。ヴュルツブルクと同様に、宗教と大学によって栄えた街だ。

街の入り口には権威の象徴である立派な市庁舎がある。

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初めてドイツにきたとき、市庁舎がとても伝統的で立派な建物というのがなんだか意外に感じた。日本でも権威のある公共建築物は立派に作られるわけだが、田舎町の市役所が城のような造りになることはないだろう。

レンガ造りだからできることだが、役人の権威の示し方がより視覚的にわかりやすい。日本には”派手すぎる装飾は品がない”という価値観があるが、ヨーロッパは豪華なものは普通に美しいとされる。日本人の感覚の方が不思議なものなのだろう。

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ちなみに冬はこうなる。空の色の違いがいかに大事かよくわかる。

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そして巨大な教会。これもヨーロッパの街のお約束だ。教会と役所と劇場に権威がある。

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ヨーロッパのこの種の彫刻は素晴らしく精巧で、神秘的なオーラを放っている。こういった彫刻、教会のような建築物、そしてそこで流れる音楽は、いかに神の存在を信じさせるかということに非常によく発達している。

あの荘厳な雰囲気とフィクションを作り出すホモサピエンスはすごい。

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川沿いにはオレンジ色の屋根のかわいらしい家が建ち並んでいてとてものどかな風景が見られる。

バンベルク交響楽団

ドイツは小さな街にも最高のオーケストラがある国だ。

多くの場合、ハイレベルなオーケストラほど大きな街に集中しているが、オーケストラが100個近くあるドイツは必ずしも街の規模とオーケストラのレベルが一致しているわけではない。

バンベルク交響楽団というオーケストラがある。クラシックを少し聴く人なら名前を聴いたことはあるであろう名門オーケストラで現在はヤコプ・フルシャが音楽監督を務めている。

このオーケストラは意外と歴史が古いというわけではなく、できたのは戦後だ。新しく、街の規模も小さいが音楽家たちの奮闘によってオイゲン・ヨッフムやホルスト・シュタインなどの名指揮者を監督に呼び、発展していった。

ホールは現代的な建築

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夏にはヴュルツブルクでブロムシュテットとのブルックナーのコンサートをしていて何度か聴きに行った。

バンベルクに聴きに行ったことも何度かあり、マーラーの三番や、第九それから薔薇の騎士も聴いた。

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ベルリンフィルに心酔していたものだから、他のオーケストラを聴いてもそれ以上の感動が得られなくなっていたが、バンベルク交響楽団は独特な魅力があった。

地元のお客さんたちの暖かい雰囲気とリラックスした音楽家たち、そしてとても健康的な音がする。「弾かされていない」と確信がもてるような演奏はとても好感が持てるし、1人1人から溢れる音楽がよく伝わってくる。

ベルリンフィルのような超重厚で濃密な音というよりはもっと明るく華やかで、良い意味で軽い瞬間が多かった。

一番良かった演奏はJulian Rachlinという若手指揮者のベートヴェンの交響曲第1番、第2番という演奏会だったと思う。

ヤコプ・フルシャが監督に就任して初めて薔薇の騎士を振った時はとんでもなくカオスになり、止まってしまうんじゃないかとヒヤヒヤしたが音楽家たちの集中力が数段上がった瞬間が見られてそれはそれでおもしろかった。

終演後にヴュルツブルク音大のチューバ科の講師のハイコ・トリーベナーさんに挨拶にいったら

「出だしをリハーサルと全く違うカウントで振り出したからみんなパニックだったよ。ははは」

と言っていた。ハイコさんは名プレイヤーな上超フレンドリーで素晴らしい人だ。

バンベルクのビール

バンベルクには特別においしいビールがあり、いつも買って帰っていた。

マスブロイというビール。

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なんとも独特な味なのだがとてもおいしいからドイツ旅行にいったらぜひバンベルク交響楽団のコンサートにいってからこのビールを飲んでほしい。

ちなみに燻製ビールというスモーキーな味のするビールもあるがこれは癖が強すぎる。しかし他にはない味だから試す分にはいいかもしれない。

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