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PENTAX *ist D。初代ペンタックスデジタル一眼レフの核心
初代デジタル一眼レフカメラの*ist D。その能力と実力と核心に迫る!2024年2月号写真○○外伝! 書店にて。なんて記事出しても意外と面白いかもしれないです。まあ前置きをこのくらいにして
Ⅰ. 2003年という年月
20年以上前になっているのが時の流れを痛感するかと思います。
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当時のデジタル一眼レフは「重く」「高く」「画質の悪い(ここではノイズまみれでザラザラ)」の三十難でした。当時というとNikonではフラグシップにD2Hなどがいたところかと思われます。まああれはセンサーサイズが違うので、あまり大きさがどうのこうの言えるものではありませんが、それでもおおきいものでした。
そこでPENTAXやSonyが作り出していたのが新しい新600万画素CCDセンサーのICX413AQ。このセンサーは2006年のPENTAX K100D時代まで採用されました。このセンサーを積んでいるのが初代の*ist Dです。
当時最小、最軽量で今までのマウントをそのまま使えるAPS-Cサイズの一眼レフとして登場し、フィルム一眼レフと同じシャッター機構、ミラーを積んでおりその中にAPS-Cの枠が取られる形でした。
中の機構も「フィルム一眼レフにデジタルバックを組み込んだ」形のもので非常にまだデジタル一眼レフとしての存在が確立しきっていない状態のカメラでもありました。
Ⅱ. 性能と長所、短所
2003年当時は初めてのデジタル一眼レフカメラとして登場し、お世辞にも質がいいとはいえない外装ではありますが、それでも意気込みのある作りをしていました。
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600万画素CCDのこの*ist DはセンサーでISOは当時としてはそれなりだった200-3200を可能にしていました。そして何より小ささも魅力でした。
主なスペックは当時のサイトを確認すればわかると思います。シャッターは上は1/4000sで少し足りないか??と感じるかもしれません。
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これまた非常に小さい1.8型TFT液晶です。非常に小さくピントが合ってるかどうかの確認すらかなり困難です。CFスロットカードは横を軽くスライドさせつつ開ける方式で勝手に開くことはないですが防水性はありません。
小型化を無理に行ったせいで逆にボタンが押しづらくなってしまった左4つのボタンは今となってはまるで絵おもちゃのようなスイッチ式です。
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質感はそれでも健闘はしています。プラスチッキーではありますがダイヤル部のモード切替は印刷ではなくしっかりと凹凸のあるものになっていますし、測光モードもその下にレバー式で取り付けられていますし機能の使いやすさはそこそこです。
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ボケはAPS-CとかわりませんがこのころのAWBは時代を感じるCMYタイプの色かぶりを引き起こします。この画像も若干緑がかった色合いだったり他にもピンクっぽい色合いになったりするなど信用はできません。
Ⅲ. 作例
すべて未編集の撮って出しでレンズをRICOH XR RIKENON 50mm f2 Lで行っています。そのうちИндустар 50-2 f3.5などで撮影したいとも思っています。
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まだまだ画像への高画質化が未発達で途上だった時代、それほどよろしい画質ではありませんがどことない懐かしさを感じる温かさ、質感は演出できると思います。本格的な編集をするのであればそれこそRAWを使うのもありですしある程度オリジナリティを残すのであればホワイトバランスのみをいじればいいのです。
当時としてもすでにPENTAXとしてはデジタルカメラへの参入に遅れてはいました。自社でセンサー開発が難しかった当時かなり資金を投入することになるため、非常に開発に時間もかかり採算が取りにくかったのもあげられるかと思います。
ただその中でもこのカメラはPENTAXとしての一眼レフのパイオニアとしてデビューしたエポックメイキングなカメラと言えるでしょう。