相続ミニ知識:法定相続情報証明制度について その2(申出って難しい?)
こんにちは。ゆうき行政書士事務所です。
戸籍を集めて相続情報一覧図を作ると、法務局から無料でお墨付きがもらえる法定相続情報証明制度。この具体的な申請方法と使えるシーンを見ていきます。
実際どう手続きするの?
いざ、はじめよう!という場面になって必要なステップはこちら。
①必要書類を集める
②相続情報一覧図を作る
③申出書を記入
④法務局に提出
順に見ていきます。
必要書類を詳しく見てみます
前回の記事に必須の必要書類も記載していますが、おさらいと補足をこちらでいたします。
【必須の必要書類】
①亡くなられた方の戸籍謄本(お生まれからお亡くなりまで)
②亡くなられた方の住民票の除票
③相続人全員の現在の戸籍謄本または抄本(今の戸籍だけ)
④申出人の氏名・住所が確認できる公的書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
⑤法定相続情報一覧図
⑥申出書
【場合によって必要な書類】
①各相続人の住民票記載事項証明書(住民票の写し)
法定相続情報一覧図に相続人の住所を記載したい時に必要な書類です。
不動産登記の場合など
相続人の住所の情報を求められる場合が
あるため、載せた方がいい場合もあります。
今の住所がわかれば大丈夫なので、
印鑑証明書や戸籍の附票でも代用可です。
②委任状と委任者の身分を証明する書類
代理人に申出を依頼する場合です。
親族であれば、申出人と委任者が親族関係だとわかる戸籍、
司法書士、行政書士など資格者に委任する場合は資格者の団体が決めている身分証(行政書士なら行政書士証票)です。
③亡くなった方の戸籍の附票
かなり昔にお亡くなりになられ、住民票の除票が廃棄されている場合は
戸籍の附票という書類で代用可となります。
相続情報一覧図を作ります
法務局のサンプルがあるので、作ってみましょう。
この書式を必ず使わなければいけない、というわけではなく参考にして同様の図を作れば大丈夫です。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page7_000015.html
申出書を記入します
相続情報証明制度は、相続による不動産登記をメインの目的としてできた制度なので、その色合いが濃い書類になっています。
HPには記載例がかなり細かく載っています。気になる方は以下リンクをご覧ください。
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001397956.pdf
法務局に提出します
提出する場所は以下の法務局になります。
なお、郵送でも大丈夫です。
①被相続人の死亡時の本籍地
②被相続人の最後の住所地
③申出人の住所地
④被相続人名義の不動産の住所地
提出した戸籍一式の返却を希望する場合は
その旨伝えれば返却してくれるそうです。
郵送での相続情報一覧図(戸籍一式を含む)
を希望する場合は、その旨を書いた紙と
返信用封筒、返信用の切手を添付することになります。
提出したあとどうなるの?
【認証にかかる日数は?】
提出してから認証してもらえるまで、
書類に不備がなければ2〜7日
(松山地方法務局)程度とのことですが、
内容によって日数が前後する可能性がありそうです。
【作った相続人一覧図が間違っていたら】
戸籍が足りなかったり、
内容が誤っていた時は、
法務局から直すよう連絡があります。
直すよう連絡があっても対応しなかった場合、
郵送料は申出人負担で返送となります。
返送もできなかった場合は、
申出日から3ヶ月経った後で書類一式を破棄されるそうです。
【再交付できるの?】
5年間は再交付してもらえます。
後から財産が見つかったりした場合も
対応できそうですね。
!ご注意事項!
【あくまでも、戸籍上の相続人の一覧です】
法定相続情報証明制度は、
戸籍上の法定相続人情報を示す制度です。
そのため、相続放棄や話し合いの結果で
実際には財産を相続しない人も
一覧表に載ってきます。
【申出人の本人確認書類は返ってきません】
戸籍は返却してもらえますが、
申出人の公的書類(マイナンバーカードの写しや住民票の写し)は返ってきません。
住民票の写しを返して欲しい場合は、
コピーに「原本と相違なし」と書いて
住民票の写しとセットで提出することで、
住民票の写しが返ってきます。
法定相続情報一覧図を使えるシーン
不動産の相続登記
被相続人の預金の払い戻し手続き
相続税の申告
被相続人の死亡に起因する年金手続き
など
に利用できます。
念の為、利用できるかについては提出先にご確認いただいてからご利用ください。
なお、利用できる場合は以下のように記載されているイメージです。
かなり細かい話まで書かせていただき、長文になってしまいました💦
読んでいただきありがとうございます。
次回は、相続人の切り札?!相続放棄についてみていきたいと思います。