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人生で最後に食べるもの

人生で最後に食べるとしたらなにか?
どの店か?何のメニューか?

私は人からおすすめを聞き出すのにはこの質問が一番だと思っている。
みんな、命がかかっているから紹介にも熱が入り、一層行ってみたくなるのだ。

そんな私の現時点での最後の晩餐はこれだ。
うな富士の肝入りひつまぶし
名古屋にある鰻の老舗が出す絶品である。

今まであまりのうまさにひっくり返りがちな
人生ではあるもののここのは次元が違う。
何が美味いかと言われると全部なのだが、
特筆すべきは肝だろう。
黒光りしていて、タレの染み込んだ肝が最高に米と合う。
どれほどうまいかのエピソードだが、

私は初めてここを訪れた時、
夏で真っ白の短パンを履いていた。
そして肝入りひつまぶしを注文し、あまりのうまさに悶絶しながら食べ進めていると、
茶色の肝が股の間に落下して行った。
刹那、白の短パンが汚れることなど一ミリも考えず、何としてでも抑えろとの体の脊髄反射が、股を閉じさせた。
無事一つの肝も無駄にせず味わえたのだが、
その帰り道、道ゆく人に不思議な顔をされて家まで帰ったのは笑い話。

長くなったがそのレベルでうまい。
今回はこれを食べるためだけに東京から名古屋に来た。しかも笑ってしまうが東京にもうな富士はある。
だけどうどんの記事で書いた通り、
私はご当地グルメはご当地で食べないと気が済まないのだ。

最初はそのまま味わい、薬味をつけてみて味わい、最後は出汁で茶漬け風にして味わう。
最初にひつまぶしを考えた人はノーベル平和賞だと思う。
冗談抜きで三セット食えたなと思う最高の日曜だった。

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