院長の小言 vol.19
このところ、東洋医学の分野でも「鍼灸」に着目した番組が、ちらほらと放映されていますね。
マツコ・デラックスさんの番組「マツコ会議」では美容鍼。
「NHK あさイチ」ではツボ(経穴)。
「NHK ガッテン」では、東洋の神秘「はり治療」SP。
ついに日の目を浴びるようになって参りました。
東洋医学!
世間が時代に追いついてきた感覚。
嬉しい限りです。
そもそも「ツボ」って何やねんって話ですよね?
本日はそんなお話し。
全身に361あるツボ
ツボは体中に存在し、その数は全部で361あるとされています。
これらのツボはWHO(世界保健機構)によって、
世界共通のものとして定められています。
※WHOが定めているもの以外にもツボは存在します。
ツボの正体は「体調不良に応じて炎症が起きる場所」
韓国・韓医学研究院の研究で、その一端が解き明かされました。
高血圧のマウスと大腸炎のマウスにそれぞれに炎症に反応する薬品を注射すると、なぜか内臓とは遠く離れた足の表面に炎症が起きることがわかりました。
しかも、炎症点を人間の手にあるツボと比較すると、高血圧のマウスは心臓や血管に効くとされるツボに反応し、大腸炎のマウスの炎症点は胃腸に効くツボと同じ位置に反応がありました。
ツボとは「不調に応じて体表に炎症が起きる場所」だったのです。
ツボはなぜ効くのか?
明らかになっている代表的なものは「血流アップ」によるもの。
例えば、手のひらの「合谷」というツボは、頭痛や血圧などに効果があるとされているんですが、実際「合谷」を押した際に脳のMRIの撮影をすると、血流の増加を示す反応が出始め脳血流が増加しました。この時、脳内の鎮痛物質「オピオイド」が分泌され痛みを和らげることもわかっています。
さらに、肩こりに効果があるとされる「肩井」というツボがあるんですが、
肩こりの原因の一つが、筋肉を包む「筋膜」にしわができてしまうことなのです。
その「肩井」に鍼治療を行うと、鍼による微細な傷を治そうと血流が増加します。
筋肉にたまった痛み物質を押し流すとともに筋肉を柔らかくします。
その結果、凝り固まっていた筋膜のシワが伸び、肩こりが軽減するのです。
どうでしたか?
最近ではいろんな研究で鍼の効果が世界でも注目を集めています。
これを機会に、たくさんの方が鍼灸に興味を持ち、鍼治療を受ける方が増え、実際に鍼灸の素晴らしさを実感していただけると嬉しいです。
これは、香織先生の願いでもあるのでぜひ体験して頂ければと思います。
今回は久しぶりの真面目な回といたします。では。
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