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【Art Report】歌と物語の絵(泉屋博古館東京) 日本の雅に想いを馳せた日
今回は、ぐるっとパスを購入して、記念すべき1カ所目に伺った企画展のアートレポートです。
ぐるっとパスについても、別のnoteでちゃんと紹介したいと思うのですが、今回は、六本木の泉屋博古館東京で開催されていた企画展「歌と物語の絵 ― 雅やかなやまと絵の世界」について、紹介していきます。
企画展の概要
・開催期間:2024年6月1日(土)~2024年07月21日(日)【現在は終了】
・最寄駅:六本木一丁目駅が最寄り駅で、神谷町からも近いです。
・公式HP:https://sen-oku.or.jp/program/20240601_yamato-e_tokyo/
企画展全体の雰囲気は、わたしのなかでは「アート展と言えば」で、すっかりおなじみのみだれ髪さんのnoteが、いつも通りわかりやすいです!
さらに、今回は、本職のアートライターさんの記事も見かけたので貼っておきます!専門的な解説と写真をふんだんに使える、まさにアートライターさんといった形で流石でした!
わたしも、いつかこうやって公認の記事をやらせてもらうことを一つの目標として頑張ります!
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国立や行政ではない博物館・美術館の衝撃!
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2024年に本格的な美術館デビューを果たしたばかりのビギナーなわたしにとって、美術館と言えば、国立〇〇博物館や、東京都現代美術館などのイメージでした。
泉屋博古館東京は、旧住友家の別邸跡地に、住友家が蒐集(しゅうしゅう)した美術品の保管、調査研究、展示公開を主な目的として、設立された美術館とのこと。
別な企画展でも感じることになるのですが、やはり、旧財閥の力は並大抵のものではなかったのだと感じました。もちろん、負の側面もあるとは思いますが、国宝や重要文化財の数々を目の当たりにすると、実力を伴っていたのだと痛感します。
こうした個別の法人が運営している博物館・美術館は都内に圧倒的に多く、そういった意味でも都心は別格ですね。
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歌と絵
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リベラルアーツの入り口が中田敦彦さんの「古事記」動画から入ったわたしは、今回、いよいよ日本の企画展ということでかなり楽しみにしていました。
企画展の展示コーナーのテーマの一つは「うたうたう絵」。はい、もうこの時点で好きです。普段、あまり気にしていませんでしたが、わたしは柔和な印象を受ける”ひらがな”が好きです。そして、声に出して、命を入れるのも好きです。
そう考えると、ここでいう”歌”である和歌や俳句などは、文字として書くことで入魂し、さらに、詠むことで魂を入れる。
実に日本の文化って形でいいですよね。
ただ、和歌の知識もまだ大枠さえも入っていないので、改めて知っていきたいと思っています。
話が逸れてしまいましたが、今回のポイントは、有名な和歌を絵にしたもの。逆に、絵に刺激を受けて歌を詠んだもの。そうした軌跡を見ていくというものでした。
元々、枠組みを超えて影響を与え合ったりしているのが好きなので、一人で盛り上がっていました!
多分、こうした感覚を味わいたいから、リベラルアーツを広く、大枠を捉えるやり方で学んでいるのだと思います。
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ものかたる絵
もう一つのテーマは、屏風などに残された、物語を残した絵です。
今で言う有名作品の映像作品やコミカライズに近い感覚でしょうか。そんなことを思いながら見ていました。
特に屏風は圧巻で、シンプルに300~400年くらい前のものが、今こうして目の前にあること(今回の展示は、16~17世紀のものが中心でした)。
そして、金色をふんだんに使った表現、色が少し抜けてしまっていますが、紫色は高貴な色として、相当な位置づけがあったのだと改めて痛感させられます。
さらに、橋の表現では、非常に正確な図面のような描写に、度肝を抜かれました。よく考えると、既に橋を作り、お城なども建造されている時代です。当然と言えば当然なのですが、すみません、正直、昔の絵をなめていました。
また、個人的には、鳥をテーマにした展示や、扇など、テーマを絞った解説が見やすく、また、最後のほうは非常に美麗な表現で、純粋に表現に対して魅入っていました。
企画展以外にも盛り沢山!
泉屋博古館東京は、アートショップやカフェもかなり雰囲気が好きで、特にブックカバーは紙製ではなく、なんと建物の壁紙に使用する材質とのことでした。防水性や耐久性もあり、質感も非常に気に入り、個人的にメチャメチャオススメです!
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さらに、日本近代洋画の父と呼ばれる黒田清輝さんの特別展示も行われていました。印象派が盛り上がっていた時代の、1800年代後半にフランスから外光表現を取り入れ、1893年には帰国し、日本に広めています。
特別展示では、「昔語り」の展示のなかで、部分的な絵を何枚も書き上げた上で集大成に行くつく(完成形の作品自体は焼失)過程に強く惹かれました。
文章も同じで、いきなり大作や出版する本は書けず、いかに何度も書き溜め、ブラッシュアップし、再構築するという過程が重要なのかもしれません。
初めてづくしが多く、非常にいい体験をさせていただいた泉屋博古館東京。
次回は、2024年8月31日(土)~2024年9月29日(日)に開催される特別展「特別展 昭和モダーン モザイクのいろどり 板谷梅樹の世界」が控えています。
予告を見ていると、非常に面白そうなのと、同時開催が住友コレクションの茶道具ということで、次回も見逃せない展示になりそうです!
他にも「ここがよかった!」や、「実はこういう背景を知っていると面白いよ」などありましたら、ぜひビギナーのわたしに教えてくださいね!
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